ダウントン・アビー 〜貴族とメイドと相続人〜
Downton Abbey

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/downton/





17 October 2010
第4話 移りゆく心

監督/Brian Kelly 脚本/Julian Fellowes、Shelagh Stephenson
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ケマルの死はクローリー家にとっての初の大スキャンダルに
なるところをアンナ、コーラ、メアリーで死の真相を偽装・
隠蔽する。オブライエンとトーマス、そしてデイジーはその
死に関して疑問に感じていた

ダウントンフェア
村では祭りが明日の午後から開催される。ベイツとグエンと
アンナは買い物にいく中、ヒューズが許してくれたら使用人た
ちと共に祭りに遊びに来ようと告げる。
メアリーの姿を見かけるとアンナは声を掛ける。その後気分は
どうか。コーラは立ち直ったかと問うアンナに、遺体を運ばさ
れたのだから一生忘れることは出来ないでしょうという。
メアリーはどうか?と問うと、「私には心がないから」と返答
する。

一方カーソンはテイラーが運転手を辞めた為にロバートの元に
新しい候補者であるブランソンを連れて行く。彼がアイルランド
出身だと聞いて、恋しいかと問うロバート。前の雇い主は制限
速度が30kmだったので退屈だったという。そんな中ロバートの
書斎での蔵書の多さに驚く。ここでは本が借りたいのであれば
記帳すれば誰でも借りられるようにしている事を告げ、カーソン
やヒューズもよく借りに来るのだと語る。ブランソンは何に
興味が有るのかと問うと、政治と歴史に興味があるという。
ロバートはカーソンに対してテイラーがまさか喫茶店を始める
とは思わなかったと告げる。

バイオレットとコーラはメアリーには気晴らしが必要だという
ことを話合っていた。来月マクネア夫人のパーティーに呼ばれて
いるので連れて行くというコーラに対して、あのパーティーは
年寄りばかりなので止した方が良いと語る。ニューヨークの
叔母の元に行くというのはどうかとするが、そこまで切羽詰まって
はいないだろうというバイオレット。パムークのことがまだ心
に残っているとし、見ず知らずの外国人が死ぬ度に落ち込む
ことなどないという祖母。メアリーの一番の原因は不安定な立場
なのだろうとし、限嗣相続制は無効であり、調査して寛大な
措置をとる弁護士が必要だという。

一方マシューとイザベルはモーズリーに対して祭りには行くのか
と問う。自分は行かないというモーズリー。そんな中イザベル
モーズリーの手が赤く腫れ上がっている事を知る。痛いという
よりもヒリヒリするという彼に対して、丹梅みたいだという
イザベルは明日病院に行こうと告げる。

ヒューズは使用人達に今夜屋敷を開ける事を語る。
アンナに対して返ってきたらビックリなんてことはゴメンだと
して行動に気をつける様要求する。アンナは風邪を引いていて
体調が悪そうだった。使用人達はヒューズの許可が下りたら祭り
に行きたがっていることを報告する。アンナに対して体調が悪い
のであれば休むよう告げる。

イザベルとモーズリーは病院にいく。
看護師はクラークソン医師は赤ちゃんを取りに行っているので
いない事を告げると、イザベルは薬棚の鍵を開けるよう要求する。
私は経営者の一人だとしてイザベルは告げる中、知識があるので
医師は不要だという。モーズリーに対して丹梅には、チンキ剤
を水に10滴、一日3回入れて塗ること。また硝酸銀の液剤を
告げて手袋で覆い一週間じっとするよう告げる。手袋で給仕する
ことは屈辱だとするが、仕方が無いことだという。

マシューの事務所に突然伯爵夫人がやってくる

一方ヒューズはオブライエンに対してアンナの体調が悪いので
あなたがカバーするよう告げる。オブライエンは私はメイドで
はないとしてそれを否定しグエンにやらせれば良いとするが、
グエンは侍女ではないとして黙ってやりなさいと命令する。

バイオレットがマシューの元を尋ねてきたのは限嗣相続制に
対する打開点を見出すためだった。マシューも法律の無知な逆手
に取ってメアリーの財産を奪いたくはないと告げる。バイオレット
はマシューに対してロバートが何故か諦めるのが早いのが不思議
だと告げる。そんな中バイオレットは事務所のイスが動き出す
のを知り驚く。そりはトーマス・ジェファーソンの発明の回転椅子
だとすると、毎日アメリカ人との戦いねと語る。コーラさんの
持参金が所領に組み込まれた際に交わされた限嗣相続制と譲渡
証書の取り決めを見直して見る事を約束する。

ウィリアムはデイジーが祭りにいくのかを気にしていた。
使用人部屋でそのことを話題にしていると、ベイツはウィリアム
に彼女を誘ってみたらどうかと告げる。デイジーがやって
くるとウィリアムが誘う前にトーマスが突然デイジーに対して
祭りに一緒に行かないかと誘う。それを聞いたベイツはトーマス
に対して"このクソ野郎"と告げる。

コーラはイーディスやシビルを連れて街に出てきていた。
シビルが新しいドレスを購入することになっていたのである。
前回はイーディスが買ったので今回はシビルの番だと語るコーラ。
ブランソンに対して、明日シビルをリポンに連れて行くよう
語る。シビルは斬新なドレスを選びたいとするが、どうせバイオ
レットが許さないだろうという。

カーソンはワイン蔵で在庫を調べているとワイン帳に記載されて
いる6ダースのハズのワインが4ダースしかないことに気が付く。
ヒューズは勘違いじゃないかとする中、これからヒューズは
出かける事を告げると、晩に出かけるのは珍しいなと語る。
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ダウントンの城下町では祭りが開催される。
幸いダウントンアビーに来客がないことや、先日のメアリーと
トルコ人の死によって心に負担を強いられたものにとっては
良い機会の祭りになるはずだった。果たして秋祭りの日には
何かが起きるのか。

人は時の流れと共に変わっていくものなのか。
そして変わるべきものなのかどうかが描かれた。

比較的安定的に生活しているものや財産を背景に胡座をかいている
人にしてみたら今の生活を変えたくない人は多いだろうし、
変化を嫌うという人は決して少なくはないと思うので、色んな人
が居てもおかしくはない。

今回の中で心の変化が訪れたのはマシューだった。
ダウントンを守っていくことに対する肯定的見解を見せる姿が
有り、ロバートとも随分と懇親な姿が有る。
コテージの修復に関わることによって、生き甲斐を見つけてしまっ
たところが何とも言えないけど、このドラマに於いて弁護士は
比較的需要がありそうな立場で、ダウントンの人たちからも法律
という言葉が多く出ている割りに、その職業がイマイチ
活かされていないところは違和感はあるかな。
逆に医者であるマシューの母の方が活躍しているって感じだね。

変わる変わらないでもっとも頭を悩ませた人物と言えば、
ヒューズとジョーの切ない恋愛物語だろうか。
ヒューズにとって結婚とは何かという事と同時に、家族とは何か
ということに触れるエピソードが有った。
ヒューズがもっとも必要とされているところは何処なのか。
自分のことを好きだと言ってくれている(明覚には言わないのは日本
人と同じだね)かつての恋人の存在。しかしいざダウントンアビー
に戻れば、彼女の役割りは多数有り、そこに住む主人も含めた使用人
たちとの関係に於ける人間関係は良くも悪くも家族のような存在
になっている。

しかし時代は少しずつ変革の波が足音を立てて起きて来ていそうだ。

別の映画ばかりを引き合いに出して悪いけど、アメリカの南北戦争
を背景にした映画「風と共に去りぬ」では南部の名門家のもの
が、そんな時代の変革の波にさらされて大変な時を過ごす物語
だった。使用人と主人の関係が良好だったことを考えれば、
このドラマと似ているところがあるのかも知れない。

社会主義とか女性の参政権などというキーワードが今回のエピソード
の中でも登場し始めた事もそれを予期させるものが有るね。

恋愛というキーワードで言えば、使用人たちの間でも微妙な駆け引き
が行われている。
デイジーがトーマスに魅了されているのは無知故のことなのか。
ウィリアムはデイジーに心を寄せている姿が有った。
ベイツはアンナに心を惹かれているところがあるのだろうか。
病気の彼女に食料を届ける姿なり、ウィリアムに気を遣う姿を
見ると、怪我で立場的には弱いと感じていたベイツの重要性が
意外と大きいものだと感じる流れが有る。

パットモアを含めた使用人たちが意外にもトーマスの素性に
気が付いているというところが興味深かった。
このドラマを見ると、人を見る目が確かな人が多いのに、何で
トーマスとかオブライエンみたいな人を雇っているのだろうか。
オブライエンは祖母のおつきの人なのでデカイ顔を出来ている
感じだけど、育ちの悪さがそのまんま性格に表れてしまっている
のか。

そしてなんといってもトーマスの野心は計り知れない。
誰かの転覆というよりも、ゲイであるこの人、常に男を狙ってい
る感じで、ウィリアムのことを狙っている部分が有るのだろうか。
気がないデイジーを誘いウィリアムに対する失意を与える姿。
「俺に勝とうなんて100年早いぞ!」「薄汚いドブネズミめ」
ベイツとトーマスの対立の構図は暫くドラマを盛り上げそうだ。

失意と言えば、この時代、女性が絶望感を持っているところが多い
ね。メアリーとかグエンは完全に「自分はこの世に要らない存在」
として自虐的な姿を見せているし、逆に三女のシビルは新しい
女性の時代を切り開く先駆者として行動を起こそうとしている感じ
にも思える。

また今回ロバートが限嗣相続制に対して反対しない姿勢の理由が
語られた。
「私が罪を築きダウントンを飼ったなら迷わずメアリーに譲る。
だがそうではない。我が財産は名家を築く為に働いた君たちの所産
んまだ。それを荒廃させ貶める権利が私にあると思うか?。私は
管理者で有って所有者ではない。課せられたことを必死にこなして
いる」
とのこと。
メアリー自身がマシューに対して、心情を吐露した際に
「貴族の女性の人生などドレスを選んで御屋敷を訪ね、慈善活動
をして社交界へ。全ては結婚するまでの腰掛けだ」として人生に
怒っていることを語っていたけど、結果的には男性伯爵もまた
それなりの悩みがあることを聞かされ、その運命を受け入れて
いくのかどうか。

マシューとメアリーは良い感じの関係に思えるのだけどね。

「パットモアさんが暴れている」っていう下りが笑えたな。

・The Chamber Orchestra of LondonのDownton Abbey - The Suite
・Peg o' My Heart


ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クローリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クローリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母

Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長

ウィリアム・メイソン (Thomas Howes) 第二下僕
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
グウェン・ドーソン (Rose Leslie) メイド
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長

ジョセフ・モルズレー (Kevin Doyle) マシューの従者
ジョー・バーンズ (Bill Fellows) ヒューズの元恋人
--- (Elizabeth Hill) Nurse
トム・ブランソン (Allen Leech) 新しい運転手
--- (Martin Reeve) Clerk
クラークソン (David Robb) 医師
--- (Andy Evason) Injured Officer
--- (Peter Brown) Villager




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