デスパレートな妻たち
(Desperate Housewives・シーズン7)

原案・製作総指揮/マーク・チェリー
制作/チェリー・プロダクションズ/タッチストーン・テレビジョ

出演/テリー・ハッチャー、フェリシティ・ハフマン、マーシア・
フロマ、エヴァ・ロンゴリア、ブレンダ・ストロング

http://www9.nhk.or.jp/kaigai/dh7/index.html





第12話 不器用な愛 Where Do I Belong?

脚本/David Schladweiler 監督/David Grossman
--------------------------------------------------------
腎臓移植が必要になったスーザン。ギャビーは居なくなった
グレースの痕跡の為に彼女と似たような人形を買う。

レネとトムの20年前の真実を知ったリネット。


トムは20年前の秘密である妻の
親友と寝た事実はもう時効だと
思っていた。しかし自分がその事実を知ったと夫に話す前に
罰を与え、苦痛を与え、恥をかかせることにし、気の済むまで
復讐をしようと考える。
レネはトムがリネットによって、色々と意地悪されているのを
目の辺りにする。レネは幼稚な行為だとするが、怒りを
きっちりとはき出すまではばらさないという。レネにも決して
話すなと釘を刺す。リネットは復讐が甘美で癖になっていた。

人は見て見ぬ振りをしてしまうもの。
ブリーは教会でサイクス牧師から、信徒の一人に話し相手が
必要なのでブリーに力になって欲しいと頼む。ブリーは了承する
も、すぐにベスだと気がつき、ポールの妻であるベスだけは
遠慮するという。サイクス牧師はヨハネの福音書や、マタイの
福音書の言葉を引用して、クリスチャンであるならば力を
貸すべきだとするが、ブリーはエズラ記を引用し、神の法に
従わない者は死刑か流刑によって処罰されるべきなのだと反論
する。サイクス牧師は、シンシア・トーマスから同棲している
事実を聞いて居るぞと告げると、宗教的脅迫はずるいという。

ボブリーはこの日、ギャビーの自宅でランチをとる。
二人はライザ・ハンマーマクダーモットという10歳の養子を
取る事になったという。来月からウチに来るのだと言うと、
ギャビーは未だにグレースの事を引き合いに出して嘆いていた。
それを聞いたカルロスはウチではグレースの事は話題にしない
事になっているとして、二度と口には出すなと釘を刺す。
ギャビーはシャンパンを取りに行くフリをして、買ってきた
人形に愛情を注ぐ

マイクはスーザンの娘・ジュリーを病室まで連れてくる。
ジュリーは今時の腎臓移植はヘソピアスのキズ程度で手術出来る
として、自分が提供者になるという。しかしスーザンはそれを
断る。マイクは身内と言えばスーザンの母・ソフィーも居る
事を告げるが、母には絶対にこの状況を話さないで欲しいと
釘を刺す。しかし既に明日来ることになっているとの事。
マイクは腎臓をくれるかも知れないとするが、そんな事をしたら
一生恩着せがましいことを言ってくるはずだとして、それを拒絶
する。ジュリーはお詫びに私の腎臓をあげるわと告げる。

レネはトムが出社する際、車の後部座席に隠れていた。
リネットに私たちの関係がバレた事を語り、現在チクチクと
復讐されている事を指摘する。タイヤがパンクしたり、ジムバ
ッグに魚が入っていたり、プレゼン用のデータがゲイビデオに
差し替えられていたのはリネットの仕業だったのかとし、
トムは急いで急ブレーキをかける。高速道路に入る前にブレーキ
テストをしたのだと語る。

ブリーはベスの元を尋ねる。
牧師から全てを聞いた事を告げ、相談に乗ることを告げる。
ベスは子供の頃から大して友達はいなかったが、嫌われたのは
初めてだとし、ポールは決して悪い人ではなく、不遇の人生を
送って来た人なのだと語る。ブリーはポールへの評価が変わる
事は無いが、今週末ウチで集まりがあるので来て欲しいという。
嫌がる人が居れば、私が対峙すると。

ソフィーがスーザンの病室にやってくる。そこにはソフィーの
姉でスーザンの叔母に当たるクレアも同行してやってくる。
クレアは酒好きで、8歳のスーザンにマンハッタンを作らせ、
12歳の時にはオールドフィッションドなどのカクテルが作れる
ようにした人物だった。ソフィーは娘の腎臓が奇形で有る事を
知ってあれほど横向きには寝るなと言ったでしょと告げる。
マイクはソフィーに対して、スーザンの臓器移植の事を遠回し
に告げるが、ソフィーは時期が悪いとし、モーティと一緒に
これから三ヶ月の船旅に出るのだという。それを聞いて呆れる
スーザンだったが・・・

--------------------------------------------------------

今回はどのエピソードも満遍なく興味深い流れが存在していた。

■スーザンの場合

今回はスーザンの母・ソフィーが久しぶりに登場。
やかましい母親で、病室に近づいてきていることが声の大きさ
で分かってくる。
ソフィーは娘のために検査すらしようとせず、自分の事だけを
考えている様に思えたけど、実際には彼女は乳がんに侵されて
いて、化学療法を行う事になっている様だ。

スーザンが母親に対して思いをぶつけた辺り、なかなか泣ける
ものが有った。今まで互いの気持ちが分かっているつもり
だったけど、実際には言葉にして初めて実感するって事は有る
のだろうね。

ジュリーも久しぶりに登場。年の差婚した彼女って何処に
住んでいるんだろうか。

■リネットの場合

トムの20年前の一度の浮気の件で、腹の虫が治まらないリネット
は静かなる復讐を決行。レネに言われるまでその復讐に気がつ
かないトムを見ていると、トムの人柄なり性格が分かるという
感じ。
ブレーキを確認する辺りは笑えたけど、このドラマだと本気で
やりそうな所も有るからね。

下剤入りのファッジに気がついたトムが、逆に意地悪する辺り
がまた面白かった。
子供達が仲良く会話するのを見て、互いに共通する思いを感じ
て仲直りするというのもまた良い感じの内容だった。
子供を沢山持つのは大変だけど、こういう時幸せに感じる瞬間
なんだろうな。

■ブリーの場合

牧師とのやりとりはなかなか面白かった。
口達者なブリーに牧師も説法では勝てそうにない。

・ヨハネの福音書8章7節「罪なき者のみ石を投げつけよ」。
・詩編56編10節「正しき者は報復を喜び、その足を悪しき者の血で
洗う」
・マタイ福音書6章15節「人の罪を赦さない者を神はお赦しには
ならない」
・エズラ記7章26節「神の法に従わない者は死刑か流刑により罰
せられる」
・信者席5列目7番「ブリーは同棲してますbyシンシア・トーマス」

でもブリーの言うとおり、メアリーアンの事を引き合いに出され
ると、他の人たちもベスを放っておけない立場に追い込まれて
しまう所は上手く作って有ったね。

レネだけはベスの髪型を気にしていた所が笑えた。

■ギャビーの場合

未だにグレースの事が忘れられず、人形に思いを吹き込んでい
る感じ。それを知ってか知らずか、ホワニータがわざとやって
いるのではないかというくらいタイミングよく、人形を壊して
いる所が凄い。しかもセリアは脚を加えていたぞ。
人形店の店主に自分はおかしいのかを尋ねると、店主はもっと
上を行く人形に対する執着心を見せていた。ギャビー以上に
この店主に何が有ったのか興味深い物が有る。
しかしボブ&リーは引っ越しするかと思っていたけど、やっぱり
ここに居座るって事なのね。


■気になる要素

●スーザンの母・ソフィーの登場

シーズン1の18話を最初にして、これまでにs1 #19#20
#21、シーズン2の#6#8
と登場し、6年ブリにシーズン7で
再登場。演じているLesley Ann Warrenさんは、1946年生まれ。
スーザン演じるTeri Hatcherが1964年生まれで有る事を考える
と年の差はあんまり感じさせないものが有る。寧ろ照明によっ
ては、ソフィーの方が若いかもと失礼な感じにも見えてしまう。

●ベスの自作自演なのか。

ソファーのクッションの下から突然銃が出てきた件について、
この部屋の中に居る誰かがベスに罪をなすり付けようとして
そこに置いたのか。それともベスが自分自身で銃を持ってきて
この中の誰かをハメようとしていたのか。
その辺のやりとりはとても上手く出来ていたな。

●ザック・ヤングいよいよ再登場。

ポールの実子だけど、母親の件でポールの事を不審に思い、
ずっと対立関係に有った彼。
シーズン1の1話から登場していたザック。シーズン3の15話
最後にして暫く、登場する機会が無かったけど、シーズン7で
は3つのエピソード(13話から15話)
に出演している。

ブリーに花束を届けた理由は何なのか。
ザックはポールを憎んでいたけど、果たして彼による仕業なのか。

スーザン・メイヤー (Teri Hatcher) 美術の講師
リネット・スカーボ (Felicity Huffman) 子沢山
ブリー・バン・デ・カンプ (Marcia Cross) 潔癖性、ケータリング
ガブリエル・ソリス (Eva Longoria) 元モデル。プライド高い
メアリー・アリス・ヤング (Brenda Strong) 自殺してしまった主婦

カルロス・ソリス (Ricardo Chavira) 投資会社
トム・スカーボ (Doug Savant) 夫
オーソン・ホッジス (Kyle MacLachlan) 潔癖性。医者
マイク・デルフィーノ (James Denton) 配管工

アンドリュー・バン・デ・カンプ (Shawn Pyfrom) 息子
ダニエル・バン・デ・カンプ (Joy Lauren) 娘
プレストン・スカーボ (Max Carver) 双子
ポーター・スカーボ (Charles Carver) 双子
パーカー・スカーボ (Joshua Logan Moore) 息子
ペニー・スカーボ (Darcy Rose Byrnes) 娘
ホワニータ・ソリス (Madison De La Garza) ギャビーの娘・長女
MJ・デルフィーノ (Mason Vale Cotton) スーザンの息子
ベンジャミン・カッツ (Jake Soldera) ダニエルの娘
セリア・ソリス (Daniella Baltodano) 娘・次女

ポール・ヤング (Mark Moses) メアリーアリスの元夫・殺人容疑
カレン・マクラスキー (Kathryn Joosten) 隣人
リー・マクダーモット (Kevin Rahm) ゲイ、不動産業
ボブ・ハンター (Tuc Watkins) ゲイ、弁護士

レネ・ペリー (Vanessa Williams) MLBのダグ・ペリーの妻
マキシン・ローゼン (Lainie Kazan) スーザンのアパートの大家
フェリシア・ティルマン (Harriet Sansom Harris) 姉をポールに
マーサ・フーバー (Christine Estabrook) 元、近隣住民、殺害される。
キース・ワトソン (Brian Austin Green) 内装業者
ベス・ヤング (Emily Bergl) ポールの妻
カルメン・サンチェス (Natalie Lopez) 妻
ヘクター・サンチェス (Rolando Molina) 夫
グレース・サンチェス (Cecilia Balagot) 娘、ギャビーの血を引く

リチャード・ワトソン (John Schneider) キースの父、元軍人
ロイ・ベンダー (Orson Bean) マクラスキーの恋人
ミッツィ・キンスキー (Mindy Sterling) 近隣住民・メガネ
ミス・シャーロット (Stephanie Faracy) 人形店

ザック・ヤング (Cody Kasch) 花を届ける
サイクス (Dakin Matthews) 牧師
ソフィー・ブレマー (Lesley Ann Warren) スーザンの母
クレア・ブレマー (Valerie Harper) ソフィーの姉
--- (Dale Waddington) 看護師
--- (Melody Butiu) 看護師
レーチェル (Allison Weissman) Crying Girl

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system