ダークエイジ・ロマン 大聖堂 The Pillars of the Earth http://www9.nhk.or.jp/kaigai/daiseidou/

第8話 終わりなき創造 The Work of Angels

脚本／John Pielmeier 監督／Sergio Mimica-Gezzan
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10年後の1156年。
聖堂建設の指揮をジャックが行う中、ついに天井が完成する。
次は2つの塔の建設。予算もなく時間もない中、平和なウチに
なんとか建設しようとマシューに語る。

ウィンチェスターではスティーブン王は年齢を重ねた為に
王位をユースタスに移すべく、息子に少しずつ王としての仕事
を引き継いでいた。王に願い求めるものたちの対応をユースタ
スに全面的に任せる。ユースタスは間違った判断を下す事への
恐怖心が有ることを告げるが、相談役が居るから大丈夫だと
いう。取りあえず昼まで王の代理として王座に座るよう言われ
る。

そんな中、十字軍の遠征に参加しユダヤ人討伐の任務を受けて
いたリチャードが帰国する。スティーブン王は功を労うなか
リチャードはユースタスに父が失った爵位、城、領地を得たい
事を語る。既にハムリーがその職にあるのではないかとするが
彼は何度も敵としてくみしており、税金もまともに払っていない
として、私ならば忠誠を誓い、税金も払う事を約束する。
するとユースタスはリチャードに爵位を与える。しかしそれを
聞いていたウェイルランが後ろから出てくる。ウェイルランは
ローマに渡り8年間教皇に仕えて、この程イングランドに帰国
していた。何故伯爵の座が難しいのか?と問うと、爵位を
ウィリアムから移譲した際、ウィリアムから城を取り戻さねば
ならないが、あそこの兵力は相当な物があるとし、城を落とさ
ねばならない事を告げる。現在国は疲弊している為に、王側の
兵士は出せない事を言われる。

ジャックは聖堂建設の合間に、息子・トムと妻・アリエナを
連れてピクニックにいく。アリエナはジャックに対して不機嫌
な態度を見せる。事情を聞くとジャックは家族のことよりも
聖堂建設の方が大事にしているという。私はまるで愛人の様だ
と告げると、ジャックはそれは自分の制止を振り切り、アルフ
レッドと結婚したからではないかと反論する。リチャードに
爵位を与える為勝手に誓いを立てたのは君自身であり、現実を
見れば君はただの職人の妻だと告げる。

その頃、ウェイルランに一通の手紙が届く。
封を開けてみるとそこには、秘密が暴かれる時が来たとし、
証拠があると書かれていた。宛名はジャック・シェルブール
だった。

ジャックは完成したはずの天井が崩れていることに気がつく。
天井を調べてみると隙間が空いていた。

一方トムとアリエナは雨の日に、外で蹲っている女性・
エリベザスの姿を見つけて介抱する。
夫からDVに有っているという彼女。夫はウィリアムだとすると
アリエナはすぐに女性がエリザベスだと気がつく。
13歳の時に結婚し、教会からは彼女が成人になるまで夫婦関係
の営みを禁止されていたが、彼はその晩に襲ってきて、子供が
産めない体にしたという。

エレンが食事を作っている際に、一人の刺客が彼女を襲う。
しかし覆面を取ってみるとレミジウスだった。彼はエレンに
助けて欲しい事を告げ、他に頼る人がいないという。
レミジウスはウェイルランによって、彼との関係がバレ、服従
を強要されたという。そして告白によって彼に罪をなすり付け
させられた結果彼は自殺して亡くなったとの事だった。
自分がウェイルランにジャック・シェルブールの名前で脅しの
手紙を送ったとし、彼はジャックが亡くなる前に書いた王様
宛の手紙を持っているというのだった。
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聖堂建設が続く中、リチャードは爵位を求めて王に掛け合い、
フランスに居るモード女王は、老衰していくスティーブンから
国王の座を奪い返そうとして、虎視眈々と息子のヘンリーを
成長させていく。
そんな中、35年前にイングランド王子を暗殺した時の企みが
明らかにされていく。

いよいよ最終話。
イギリス出身のスコット兄弟がプロデュースする海外ドラマ
は外れがないな。
つい最近まで放送していた「グッド・ワイフ」なんかも良くで
きていたし、「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」も
とても面白い。

イギリス人であれば一度は撮りたいのであろう、中世のイギリス
の王家の争いを、聖堂建築の視点から上手く描ききった作品
だった。

最後は不利なオセロの形成が一気に逆転するかのように、また
ひびの入ったダムが決壊するかのように、とにかく圧倒的な力
で、これまで悪事を働いた人物に対して一挙に制裁を与える
展開がとても爽快感を生んだ。

これまで罪のない民衆にしてきた事にすれば、足りないくらいの
懲罰だけど、最後は民衆の力が主導権を握り、悪を懲らしめた
という点でとても良くできている。
また35年も前の事件で有っても、上手く証拠を提示し、自白も
引き出して容疑を確定していく所など、納得感も有った。

僅か8話構成のドラマだけど、ここまで来るのが実に長い感じが
する。
日本の10話程度のドラマでもこの位壮大なスケールで描ければ
良いんだけどね。

権力者が私利私欲のために国を統治すると国や国民がとんでも
なく苦労するという典型だったな。今の日本にも通じる所が
有るのかも知れないね。