マードック・ミステリー 〜刑事マードックの捜査ファイル〜
Murdoch Mysteries (カナダ / 2008年)

製作総指揮 - スコット・ガーヴィー、クリスティーナ・ジェニン
グス
製作 - ローラ・バービン、ピーター・ネイブーン、キャル・クー
ンズ
監督 - ショーン・アレックス・トンプソン、ドン・マクブレアテ
ィ、ジョン・レクイエ、ファーハド・マン
制作 - シャフツベリー・フィルムズ、チャム・テレビジョン、グ
ラナダ・インターナショナル

http://www.mxtv.co.jp/murdoch/





第13話 火星からの陰謀 The Annoying Red Planet

脚本/Paul Aitken 監督/Shawn Thompson
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ルージュバレーの農場で、農夫とその妻が木に吊された遺体を
発見する。

一方トロント警察では、北西騎馬警察からクロード・ベノア
呼ばれる詐欺師がこの辺に潜伏しているとして指名手配書が
届いていた。
トーマス警部の下には、ストックトン長官がやってきて、昇進
の可能性を臭わせしていく中で、ジョージから変死が出たとの
連絡が入り、マードックは現場へと向かう。

ルージュバレーの遺体は、
農場の真ん中に立つ大きな木の上
男がつるし上げられたような格好で死んでいた。先に調査を
していたジョージによると、農場の耕作地の中に人の足跡が無
く、誰も木には近づいていないという。畑は今朝の朝耕した
のが最後だとの事。

すぐにジュリアに検視をしてもらう。
すると首に索痕が有り、腕と手には軽い傷跡が有るという。
しかし防御創とは考えづらく、恐らく木の枝でついた傷だと
いう。死亡推定時刻は深夜の2時から4時で、これは自殺ではな
く他殺だという。その根拠として首の骨が折れている事だった。
2m以上の高さから落ちない限り首は折れないこと。木に吊される
前に死んでいると告げる。

被害者はアンリ・ガストン。木工細工店を営み、最近はずっと
引きこもり状態だったという。彼には妹・アドリアナが居る事
を知り話を聞きに行くと、兄はとしても賢い人だが最近心を
病んでいて人と話さなくなったという。最後にあった際には
誰かに尾行されていると話していたとの事だった。

ジョージは仮説として昔サーカスで見た大砲のトリックを引き
合いにだし、木の所まで大砲で遺体を飛ばしたのではないかと
告げる。しかしマードックはサーカスで使われている大砲は
実際にはバネで作動しているだけだと語る。

ガストン木工所へと足を運ぶと、窓には板が張り付けられてい
た。高性能な望遠鏡とショットガンが備え付けられており、
壁には太陽系の図と観測データが張り出されていた。ガストン
は火星に深く興味を抱いていたであろう事が推察される。
部屋には彼の日記が残されており、火星研究の第一人者・パー
シバル・ローレル
と手紙でやりとりしていたであろう事が判明
する。

この一帯の土地開発を手がけていた
ルージュ・バレー土地開発
の事務所を訪ねる。その責任者のテレンス・メイヤーから
話を聞くと、この一帯の土地を買い占めて、ダムを作り発電所
の計画を立てていたという。ガストンの土地を600ドルで購入
しようとしていたが断固として彼は売ろうとしなかったとの
事。マードックは市場価値の3倍に当たる値段だったことに違和
感を覚えるが、ガストンが土地を売らない為に、計画を変更し
ていた事を知る。

アンリが死んで得をする人物は誰なのか。
上流に予定されていたダム建設が変更になったことで、下流に
いた土地の価値は二束三文になっていた。そのせいで下流に
住んでいる鍛冶職人のマカイザック兄弟は被害を受けていた
一人ではないかと疑っていくる

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シーズン1の最終話。
事件を調べているうちに、証明出来ない事が次々と目の前で
起こり、この犯行は火星人が行ったものでは無いかと疑って
いく。特にジョージがこの説を唱える中で、マードックは一つ
ずつトリックを暴いていく。

ミステリーサークルの謎で有ったり、キャトルミューティレー
ションと呼ばれる牛の血が全て抜き取られていたり、内蔵が
抜き取られた人間の遺体が発見されたりと、なかなか興味深い
ネタであふれていた。当時の人がそのような状況の中で、どんな
価値観で物事を図っていくのかが、このドラマの面白い所だ。

そして何と言っても足跡のない殺害現場の謎。
ミステリーサークル内に有る異星人の足跡など、まさに滑稽な
ものがある。

この手の内容だと、大抵火星人など居ないとしながらも一つ
位は解けない謎を含ませておくものだけど、それが無かった所
は実に真面目なシナリオだったのかな。

冒頭から詐欺師の存在が引き合いに出されていたり、また
長官が警部に対して圧力をかける姿があったり、ガストン自身
が何をしていたのか、興味を引きつけるネタが豊富に存在する。

なかなか複雑になった流れに対してオッカムの剃刀を持ち出して
シンプルに考えていこうとする姿。
その辺の冷静さがマードックの良さでもあるのかな。

ウィリアム・マードック (Yannick Bisson) 刑事
ジュリア・オグデン (Helene Joy) トロント警察検死官
トーマス・ブラッケンリード (Thomas Craig) 警部
ジョージ・クラブツリー (Jonny Harris) 制服警官

テレンス・メイヤーズ (Peter Keleghan) 土地開発責任者
ジェイク・マカイザック (Thomas Mitchell) 鍛冶職人
カーク・マカイザック (Grahame Wood) 鍛冶職人
アドリアナ・ガストン (Julia Lefebvre) 妹
アンリ・ガストン (Robert Racki) 木工細工・被害者
エルマー (Ian Downie) 農夫
--- (Joan Heney) 農夫の妻
スカルジンスキー (Genadijs Dolganovs) 教授

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