マードック・ミステリー 〜刑事マードックの捜査ファイル〜
Murdoch Mysteries (カナダ / 2008年)

製作総指揮 - スコット・ガーヴィー、クリスティーナ・ジェニング ス
製作 - ローラ・バービン、ピーター・ネイブーン、キャル・クーン ズ
監督 - ショーン・アレックス・トンプソン、ドン・マクブレアテ
ィ、ジョン・レクイエ、ファーハド・マン
制作 - シャフツベリー・フィルムズ、チャム・テレビジョン、グ
ラナダ・インターナショナル

http://www.mxtv.co.jp/murdoch/





第7話 キャンパスの殺人者 Big Murderer on Campus

脚本/Carole Hay 監督/Laurie Lynd
--------------------------------------------------------
大学で夜21時を知らす鐘が鳴ると、ある一室で殺人事件が起き
る。
殺害されたのは、サミュエル・ベネット教授で、物理学の教授
であり学部長に就任したばかりの人だった。イギリスから来た
教授で亡くなった当時
望遠鏡の側に立っていた事が判明する。

マードックはジョージやジュリアと共に現場検証を行う。
ガラス窓に銃弾の跡が有り、被害者の頭部を貫いている事から
おおよそ
中庭から撃った事が分かる。しかし聞き込みをした結果
事件当時中庭には不審者を見た者は誰も居なかった。
電話の受話器が落ちていたことから、
誰かと電話している最中
に撃たれていた事
が判明する。

アルバート・ゴッドフリー教授の授業中にマードックは彼から
事情を聞くため訪れる。
夕べベネットが電話していたのはアルバートだった。何を話し
ていたのか尋ねると、彼とは16世紀に発見されたデンマークの
天文学者・ティコ・ブラーエが記録したとする彗星をどちらが
先に探せるかで競争し合っていたのだという。電話で会話して
いる最中に突然会話が途切れたので変だとは思ったが、殺された
とは知らなかったと語る。意見が対立する事はよくあった事
を告げ、ベネットは短気だったという。部屋で電話していたの
だから、私には完璧なアリバイとして成立するはずだという
アルバート。

そんなマードックの元に学生の二人が話しかけてくる。
自分たちは物理学を専攻している、ジェームズ・ギリース
ロバート・ペリーだという。捜査の事を聞いて協力したいと
いう二人。ベネットとアルバートは友人ではなく仲が悪かった
事。特にアルバートは学部長の件でベネットに敵意を燃やして
いた事を語る。

警察署に戻るとマードックの元にアルバートから抗議が入った
として警部に呼び出される。しかし警部はインテリ野郎に煙に
巻かれるなとして応援される。

マードックの元にジョージがやってくると相談したいことが
有るという。ジョージは家族が欲しい事を告げ、血縁者が近く
に居たいと思うときはないか?とマードックに尋ねる。自分の
家庭は複雑で、今度新聞の広告に出そうと思う文章を見て欲しい
という。そこには
"1967年3月14、St.ジェームズ教会の前に
赤ちゃんを置いていった母親と再会したい"
というものだった。
なんとジョージは捨て子として牧師に育てられていた事を告白
する。

マードックはジュリアの元を尋ねる。
前回ジュリアから赤ちゃんを堕ろした過去を聞いて以来、ギク
シャクしている二人。
遺体の所見を尋ねると、銃弾は下の方から脳へと突き刺さって
いるとし、ライフル弾だという。

ジョージは学生に聞き込みして回ると、殺害当時中庭には、
ギリシャ神話のテーバイの王女・アンティゴネーの演劇が講堂で
行われていて衣装(長衣(トーガ))を着ていた人が結構中庭を歩
いていたのだという。それで銃を持った人物がカモフラージュ
されたのかと疑う。
銃弾の弾道検査をしていると二人の生徒がやってくる。
ユークリッド幾何学で軌道検査をしているのかとし、物理学生
らしい発言をする。そんな中、撃ったと思われる
現場から不自然
な砂(シリカ)が検出
され、これは手がかりであるとマードック
は考えていく。

--------------------------------------------------------

大学で殺人事件が起きる。
夜9時の知らせを鳴らす鐘が鳴ると同時に殺害された教授。
果たして殺害したのはライバル関係にあった教授のアルバート
なのか。

今回は相手が物理学の教授や生徒という事でマードックとして
もある意味ではやりづらいものが有ったのではないかと思う。
アルバートの事を疑うのはもっともだとしても、一度目の容疑
を向けたときには、望遠鏡で覗いていたとするが、その日の空
は曇りだったとの事で軽く一蹴され、二度目に見つかった
学生宛のメッセージの筆跡に関して、黒板に書いた文字が
アルバートによるものではなく、学生のペリーのものだった
ということで、二度に渡るマードックの挑戦は辛くも敗れ去った
という感じだった。

冒頭から聞きもしないのに近づいてきた二人の学生の行動が
実にきな臭い物が有り、マードックの着眼点はそこに向けられる
べきではないのかという気がする。

ただ物理学を専攻して発明に優れていたとしても、何の恨みも
ない教授を殺害する動機が全く無いので、ドラマとしてはちょ
っぴり不可解な感じにも思える。

今回はジョージの母親の件でもドラマは興味深いものが有り、
広告を見て金に群がるニセの母親の正体を、教授殺害事件の
流れに乗じて説いていく辺りは面白く出来ていた所だった。

個人的にはジョージに弾は当たっていないと思っていたけど、
防弾チョッキを着ていなければ本当に当たっていたのね。

最終的には自供だのみという一面が無かったこともないけど、
なかなか面白く出来ていたと思う。

そしてジュリアとマードックの間にはちょっぴり溝が出来て
しまったけど、その辺を今後どう埋めていくのかだね。

ウィリアム・マードック (Yannick Bisson) 刑事
ジュリア・オグデン (Helene Joy) トロント警察検死官
トーマス・ブラッケンリード (Thomas Craig) 警部
ジョージ・クラブツリー (Jonny Harris) 制服警官
ヒギンズ (Lachlan Murdoch) 制服警官

ジェームズ・ギリース (Michael Seater) 生徒
ロバート・ペリー (Marc Bendavid) 生徒
アルバート・ゴッドフリー (Ted Atherton) 物理学教授
エミリー・リチャードソン (Paula Boudreau) ジョージのニセ母
グラシー・サンダース (Elizabeth Saunders) ジョージの母
ハリエット・バーチル (Laura McLean) 洋服を脱ぐ学生
--- (Paul O'Sullivan) Man with cart
--- (Craig McDermott) 学生
--- (Tim Daugulis) 学生
サミュエル・ベネット (Michael C. Newsome) 物理学教授・学部長

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system