FBI 失踪者を追え!
Without a Trace

制作総指揮/ジェリー・ブラッカイマー


第22話 911の爪跡(前編)
Fallout: Part 1

脚本/Hank Steinberg 監督/Kevin Hooks
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人材派遣会社を経営している41歳の女性・シドニー・ハリソン
が朝、エレベーター内で誘拐される。
エレベーター内に設置されていたカメラにはスプレーが吹き付
けられており、口を塞いで声を変えてシドニーと会話している
ことから彼女の知人である事が疑われる。すぐに人材派遣会社
には身代金の要求の電話が鳴る。

3時間後。身代金の要求額は68万7千ドル。。妙に中途半端な額
だった。犯人にとっては意味のある数字なのか?
シドニーの共同経営者の男性から、この事務所は立ち直った
ばかりである事を聞く。911テロの影響で一度は潰れ、18人居た
従業員の内15人が亡くなったという。
解雇した人物について尋ねると、ジム・サッチャーという人
物が浮かび上がる。シドニーが会社の金で送金しようとして
1万ドルの内、1000ドルを抜き取り横領したという。シドニー
が送金しようとしていたのはバリー・マッシュバーンで個人的
に対処していたという。

4時間後、ビブはシドニーの部屋を捜索。
ダニーとマーティンはサッチャーに接触し事情を聞くも、彼か
らはシドニーの愚痴が聞けた程度で犯人ではなかった。

そんな中、犯人から再度受け渡しに関する連絡が入る。
ウェイリバーの本屋の旅行コーナーの前に金の入ったバッグを
置いていけという事。それを持ってくるのはリビー・コールタ
ーだとご指名付きだった。

5時間後。旅行コーナーにバッグを置きに行くリビー。リビー
には盗聴器を持たせておき、サマンサも見張りとして
近くを歩いていくという。早速実行するもバッグを置いて出よう
としたリビーに店員のテッドが忘れ物だとして声を掛ける。
その騒ぎを聞いて犯人はバッグを持って逃げようとするが、
客の一人・リチャードがそれはお前の金ではないとした事で
受け渡しは大失敗。バリーはすぐに店を閉鎖し籠城する。
運の悪いことに盗聴器の存在を見破られて、人質の中に警察官
が居ると疑われることになる。
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今回は911の被害者家族が、あの事件を発端に人生が180度変わ
ってしまった事が描かれ、その責任を当時の上司・シドニーに
押しつけるべく誘拐される事件だった。

アメリカだけでなく、あの事件を見守った世界中の人々が衝撃
を受け深い傷を負った事件。
ベトナム戦争の後遺症と共に、あの事件での傷を負った人々が
大罪にされる内容って暫くは続くのだろうな。

ドラマとして良くできているのは、犯人のバリーだけでなく、
被害者のシドニーもまた911の事件をきっかけに人生感の変わった
人物の一人だという点だ。
犯人・バリーの妻・ニコールはシドニーの部下であり、定時
の出社時刻に出勤されていれば亡くなることも無かったのに
シドニーがこき使っていた事によって、被害者の一人となって
しまう。
しかしその後のシドニーの変わりようと、バリーに対する献身的
な接し方を見れば、恨みを持つというのも逆恨みに近い状況
にも思える。これ以上の償い様はなく、バリー本人の前向きに
生きるという姿勢のみが、バリー自身を救う手立てとなると思う。

籠城している時に、犯人も交えて当時の話になるシーンは
ちょっと切なかった。

書店とはホットラインが引かれて犯人と交渉することになる
ジャック。サマンサが電話に出ることになったときには、ジャ
ックとの特別なやりとりの元で会話が行われているし、ジャック
をこの事件の指揮官を据えたということが結果として良かった
という事になる。直前にドーレンから指揮官を変える変えない
の話になっていたからね。

元々はバリーという人物はとても穏やかで、家の手入れにもこま
めにしていたという繊細さを持っていた。しかしその人物が
コピー店の店長の証言により、気の短さ、暴力的、無差別的だと
表現されてしまった事によって、籠城事件にも緊迫感を与えた。

人質の一人、リチャードの態度が如何にも怪しい雰囲気を出して
いたし、勝手な行動を取るだろうなと想像していたらまさに
最後にそんな行動を取ってしまった。自分が不利な状況に追い
込まれてサマンサが捜査官であるとをばらすのかなと思って
いたのだけどね。

まぁでも籠城事件に於いて犯人が一人というのはすぐに限界が
来るものだとおもう。

そういえば共同経営者の男性は海外ドラマ「24 -Twenty Four-
でチャールズ・ローガン大統領役を演じたグレゴリー・イッツェン
だった。

ジャック・マローン (Anthony LaPaglia) FBI
サマンサ・スペード (Poppy Montgomery) FBI
ヴィヴィアン・ジョンソン (Marianne Jean-Baptiste) FBI
ダニー・タイラー (Enrique Murciano) FBI
マーティン・フィッツジェラルド (Eric Close) FBI

バリー・マッシュバーン (Tom Irwin) 犯人
シドニー・ハリソン (Marsha Dietlein) 41歳。人材派遣会社経営
--- (Gregory Itzin) シドニーの共同経営者
--- (Barbara Tarbuck) バリーの叔母
ジム・サッチャー (Scott Mosenson) シドニーの会社を解雇された
ポーラ・ヴァン・ドーレン (Lynn Whitfield) FBI上司
テッド (Steven Nelson) 人質。書店の店員
リビー (Betsy Brandt) 人質。シドニーの部下
フラン (Michelle Anne Johnson) 人質。舞台女優
アハメッド (Shelley Malil)
カイル (Carter Jenkins) 人質。子供
シェリル (Jill Remez) 人質。カイルの母親
--- (Chuck Cooper) コピー店店長。バリーを雇ったが首に。
--- (Lisa Gorlitsky) 元バリーの自宅の隣人。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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