ホームランド
Homeland

オリジナル:Gideon Raff ("Prisoners of War")

http://video.foxjapan.com/tv/homeland/
http://www.dlife.jp/lineup/drama/homeland_s1/




 Oct. 30, 2011
第5話 死角 Blind Spot

脚本/Alexander Cary 監督/Clark Johnson
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エスティスはダニーに対して、キャリーを監視する様命じる。
一方キャリーはブロティ邸の監視の継続をソールに訴えるが、

リンが命を引き替えに得た情報を無駄にすべきでは無く、
監視が見つかれば人権侵害によって全てが不意になることを
告げ、これでブロディ監視は終わりだと告げる。
ブライデン大学助教授という裏の顔を持つラキムは空港近くで
潜伏している工作員・アイリーンと指令があるまで静かに
暮らしていたが、CIAが尾行をしている事を知って、すぐに
引っ越しすべきだと告げる。
そんな中、キャリーはなかなか証拠が挙がらない為に、退役
軍人の会に通うニコラスと密かに接触する


パキスタンの首都・イスラマバードでは、潜伏していた工作員
の一人・アフザル・ハミド(34歳)が深夜就寝中にアメリカの
現地諜報員によって拉致される。子供は父親が覆面をかぶせられて
拉致するのを目にしていた。ハミドはそのまま飛行機に搭乗
させられる。

ニコラスは相変わらずアラブの言葉を使って祈りを捧げる。

キャリーは姉・マギーの元に行くが、看護師をしている彼女
は病院に出かけていた。家に居たのはキャリーの父・フランク
だった。
キャリーはマギーから7錠しかクスリをもらっていなかったの
で新たにクスリをもらいに来た格好だったが・・・
そんなキャリーの元にダニーから電話が鳴り、
プロディ救出時
に生き残ったテロリストの一人・アルザル・ハミドがイスラマ
バードで確保されアメリカに連行された
ことを告げ、全員招集
がかかっている事を告げる。キャリーはマギーが保管している
クスリの戸棚からクスリを拝借していく。

ソールは空港で恋人のミラが到着するのを待っていた。
インドの貧困層を支援しているミラが久しぶりにアメリカに
戻って来るのである。ミラとの再会に喜ぶソールだが、
全員招集の知らせを受け、ミラも彼の仕事の事情を知り、
一人でタクシーで戻る事を語る。ソールは
ムンバイのスラム街
プロジェクトは別の人に任せれば良いとして、彼女に話す。

キャリーは出て行こうとする中、父・フランクがアイロンの
電源を入れっぱなしにしているのを知り電源を切る。
キャリーは父にちゃんとクスリは飲んでいるのかと問うと、
父はあのクスリは体に悪いのだと語る。しかしキャリーは
それを否定し、たまに気分が向上し過ぎる事は有るが、寧ろ
気分はよくなる事を告げる。そういうハイテンションの時には絶対
に電気などを使わないように気をつけてと語る。

CIAではエスティスの元で緊急会議が開かれる。
アフザル・ハミド(34歳)、
シリア人、パキスタン諜報機関に
よると
イスラム人民解放軍のメンバーだという。ナジール
同じであり、恐らくナジールのテロ計画を知っている人物だと
いう。更に闇銀行の金の流れ、使い道を知っている人物かも
知れない事を語る。エスティスは、キャリーとソールに
プロディ
も一緒に同席させて尋問を見せて欲しい
と告げる。彼は
ハミドに対する切り札となり得る人物だという。尋問はCIAの
セーフハウス内で行うというエスティスに対して、ブロディを
接触させるのは危険だとし、ナジールに情報が流れる恐れが
ある事を告げるが却下される。

キャリーはソールに対して、エスティスに事実を話して、
ブロディの件を今回の尋問に立ち会わせるのを禁止すべきこと
を告げる。
しかしソールは"プロディの居場所はナジールがもたらした"
"英雄は実はスパイだ"と言うのか?と問い、それをすれば解雇
に合うだけだと語る。ソールは寧ろ緊張した場所でのブロディ
の態度を見る良い機会だとして、観察するよう告げる。

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テロリストの資金の流れを掴もうとするがどうしても上手く
行かず、疑惑に感じているニコラスの存在に於いても国民から
英雄視されている為に深入り出来ず、キャリーとしては
不満の残る状況だった。そんな中、ニコラスの事を8年間
拷問し、屈辱を与えていたテロリストの一人・ハミドが
現地諜報員たちによって捕まえられることになる。彼から
なんとか優位性を保ち、情報を得るためにニコラスに協力を
仰ぐことになる。

911以降、テロリストの一掃を宣言したアメリカ大統領が
中東に兵士を派遣した後、アメリカ兵が現地で感情の赴くまま
国旗を燃やしたり、不当な尋問をしたり、そして屈辱を与える
が為に小便をかけるという事件が発生して、何度となくその報道
を目にした事が有る。
屈辱感を与えることは、時として自分を弱い物だと認識させて
情報を引き出す為の手段なのだろうけど、とてもえげつない
事である。

今回はそれぞれに違った形の拷問があるというところを提示し、
アメリカでもまた正義の名の下で、人権を侵害する拷問が
生きていることが興味深く描かれていた。
眠らせないように定期的にハイテンションなメタルを聞かせて
室内の温度を中東人には酷なくらい寒さを通して、精神的に
極限状態を作り出す。
そのえげつなさはまさに敵対するものからすると、どちらも
敵愾心を仰ぐのに十分な感じだ。

さて今回、ニコラスの精神状態が何処に有り、そして何処に
向かおうとしているのか、一人の人物の登場によって興味深く
観察する事となった。
ニコラスがカミソリの刃を渡したであろうことは明らかだけど、
その意図は、屈辱感から解放する為に殺害を仄めかしたのか、
それとも仲間として情報がこれ以上隠蔽するのを恐れて、
自殺を促したのか気になる所。
流れから考えると、ハミドとナジールに接点が有り、両者の間に
は刑事ドラマに於ける良い刑事悪い刑事の構図を作っていて、
ハミドは散々ニコラスを精神的に追い込むことをしていて、
ナジールがそれを助けた振りをして、ニコラスの信頼を得たので
はないのかなと思う所もある。ただ冒頭から、ニコラスを敵視
し過ぎているところも気になるので、寧ろ一連の流れの中に有る
CIA内部の内通者の存在が気になるところである。

ここにきて浮上してきたのはソールという人物だ。
彼の心の傷というのは、未だ最小限しか語られていない。
ただ過去に何らかの失敗があったり、裏切りが有ったりと、
精神的には追い詰められたであろうことが一度や二度あること
だろうので、その辺の事情が全て描かれていかない限り、
一連の流れが紐解かれることがないのだろう。

キャリーの病気は遺伝性のものの様で、父親もまた気分性障害を
患っていることが明らかになった。冒頭でお父さんがやたらとハイテ
ンションでテレビのスポーツを観戦していたので何かと思ったけど
キャリーの薬の横流しは、父親の薬を流してもらっているところ
なのかな。気になるのは姉もそのような症状があるのかどうか。

最後にマギーの娘たちと一緒に過ごすキャリーの姿が微笑ましくも
有り、子供達がキャリー叔母さんと一緒に寝たいとするときの
"ぷり〜ず"という声を出されると、流石にこの頼みを否定できるもの
など居ないなと思わせた。

ようやく一歩違いで大学の准教授のファイサルが事件に関与して
いる事が明らかになった。
CIAのTECH班の捜査官が、メールの流れを読み解いて、ファイサル
にたどり着いた際に、その功績に対して食事だけでは済まない位の
活躍でありセックスを求めるような事を口にした後に、キャリーが
"ふぁっっく!!"と語る辺りが笑えた。

ソールとミラはどうやら別れる様子。
意味のある土地で暮らしたいこと。私はあなたの為に生きるのではなく
自分の人生を生きたいとするメッセージがまた、いろんなところを
示唆していて深いところが有ったのかも。

そして今回、ニコラスが息子・クリスのカラテの昇段テストに行く約束を
しつつも行けなかったこと。その約束を変わりにマイクが果たしていた
とする流れに、徐々にニコラスの中の心の闇が広がっていくようで、
ちょっぴり恐い物が有る。クリスはそんな父親の心の闇を敏感に感じて
いるようだし(まぁ鹿の射殺とかアナウンサーを首絞めを目にしている)、
子供の気持ちが届くのか気になるね。

そういえばセーフハウスのモニタがVISIO製だった。


■使用された曲

・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland Main Title
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland End Title
・GridlinkのOrphan


■検索用キーワード


キャリー・マシソン (Claire Danes) CIA
ニコラス・ブロディ (Damian Lewis) 2003年行方不明、軍曹
ジェシカ・ブロディ (Morena Baccarin) 妻、マイクと不倫
クリス・ブロディ (Jackson Pace) 息子
デイナ・ブロディ (Morgan Saylor) 娘
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) キャリーの上司
デビッド・エスティス (David Harewood) CIA副長官・黒人
マイク・フェイバー (Diego Klattenhoff) ニコラスの同僚、メガネ
ピーター・クイン (Rupert Friend)
ヴァージル (David Marciano) 盗聴、ハゲ
アブ・ナジール (Navid Negahban) アルカイダの長
マックス (Maury Sterling) 盗聴、弟、尾行、メガネ

エリザベス・ゲインズ (Linda Purl) "リジー"、副大統領主任政治顧問
フォスター (Scott Bryce) 海兵隊・上官
ラキム・ファイサル (Omid Abtahi) ブライデン大学助教授
アイリーン・モーガン (Marin Ireland) ラキムのパートナー
ラティフ・ビン・ワリド (Alok Tewari) 皇太子の執事長

ダニー・ガルベス (Hrach Titizian) CIA職員、エステスからキャリー監視を
マギー・マシソン (Amy Hargreaves) キャリーの姉
フランク・マシソン (James Rebhorn) キャリーの父
アフサル・ハミッド (Waleed Zuaiter) テロリストの一員
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの恋人、インド系
--- (Jason Hatfield) Pittman
ルビー・マシソン (Renee St. Gelais) マギーの娘
ジョジー・マシソン (Rachel St. Gelais) マギーの娘
--- (Rebecca Koon) Faisel's Assistant
--- (Justin M. Boyd) UPS Agent
--- (Robyn Parnell) Airport Patron

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