ホームランド
Homeland

オリジナル:Gideon Raff ("Prisoners of War")

http://video.foxjapan.com/tv/homeland/
http://www.dlife.jp/lineup/drama/homeland_s1/




 

Nov. 27, 2011
第9話 クロスファイア Crossfire

脚本/Alexander Cary 監督/Jeffrey Nachmanoff
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リチャード・ジョンソン下院議員がセックススキャンダルによっ
て世間を賑わせる中、副大統領の腹心・エリザベスは、その

後任を戦地からの帰還兵・ブロディに据え置くことを考えていた。
そんな中、CIAではトム・ウォーカーがテロを企てている情報
を掴みFBIと合同捜査を行う事になる


ブロディは一人で妻・ジェシカに頼まれた買い物を
ヘルシーホ
ームマーケット
に購入しにいく。買ってくる物をメモしていた
ブロディはメモを一つずつ確認しながらカートに入れていくが
ビタミンウォーターが何のことだか分からずジェシカの携帯に
電話する。しかし彼女は自宅で掃除機をかけていて電話には
出られなかった。

一方娘のデイナはトム・ウォーカー伍長の生存を確認したという
記事をインターネットで目にしていた。デイナは生きている
なんて信じられない事を告げ、母・ジェシカにこの件で何か
話を聞いているかと問うが、父も信じられないと言っていた
という。しかも二人の帰還兵のウチ、どちらかがテロリストだ
という事を聞いてデイナは複雑だった。

ブロディはレジでビタミンウォーターについて尋ねると、レジ係
の女性・ケリーは優しく品物について説明してくれる。
ケリーはブロディが海兵隊の英雄の人だと知って感激する。
そんな中ブロディは駐車場にいくと、男たちによって襲われ
注射を打たれてトランクに詰め込められる。

その頃、
イスラム教徒がFBIによって礼拝中に二名が射殺された
ことに関して、尊師のラファンは射殺された
二人は無実だと
してマスコミの前で訴えていた。信者や地域住民たちも
プラカードを持ってFBIのしたことを非難する為に声を上げて
いた。

キャリーは射殺事件の有った現場にいくとFBI捜査官のホール
が居た。キャリーはこれを担当したSWATの指揮官は誰なのかと
問い詰めると、私の部下だというホール。キャリーは
何が起きた
のか正確に知る必要がある
とし、トムはSWATから銃を奪っている
事は分かっているので、トムは銃を撃ってきたのか?と問う。
尊師はFBIが嘘をついていると言っているのだという。
しかしホールは
トムはこの地下室を通ってラウム通りに抜け
出ており、逃げ道をあらかじめ知らない限りこの道を通るわけが
ない
という。

その頃トムは森の中を逃げていた。

キャリーは尊師の元にいくと、被害者のことは残念だったこと
を告げ心が痛むことを訴える。尊師が地域へ貢献していること
も知っている事を語ると、尊師は7人が目撃しており、全ての
人はFBIの言うことが嘘だという事を証言しているという。
キャリーは今の私の仕事はテロリストだとされるトムを追うこと
なのだとし、彼は逃げ道を知っていたが、その件に関して
何か知っているのではないかと問う。しかし尊師はその対価は
何なのか?と問うと、
FBIが真実を話さない限りは遺族は不当な
扱いを受けたままなのだ
と告げる。キャリーと共に一緒について
来たイラスム教徒のガルベスも尊師の心に問いかけるが、何も
話してくれなかった。

ジェシカは留守電にブロディから電話が入っていた事を知って
改めて電話を折り返す。息子のクリスがあなたと一緒に映画
に行きたがっている事を語る。

その頃ブロディは組織の男たちによって拉致されてベッドの
上で意識朦朧としていた。
そんなブロディは
3年前のイラク北東部で拉致されていた時の
事を思い出していた。
ブロディは当時気がつくと目の前にアブ・ナジールが居るのを
知る。ナジールはここが君の新居だと告げると、暖かい風呂も
用意してあると告げ、彼をバスルームへと連れて行く。
ブロディはそこで裸になると自分の体の傷を鏡で目にする。
長年監禁されていた汚れと傷を癒すために風呂に入ると、男が
髭や髪の毛を切ってくれて綺麗さっぱりになる。

ナジールはブロディに対して息子のアイサを紹介すると、
彼に
英語が話せるように指導して欲しいと告げ住み込みで教えて
欲しいと語る。アイサは当初ブロディに対してものすごく警戒心
を持つが・・・

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■アイサとの関係が明らかに・・・

以前にキャリーとブロディが山小屋で週末を過ごした際に、
キャリーは思わずポロっとブロディに対して不信感を与える言葉
を発してしまったけど、それはブロディにも同じだった。
アイサの名前を出してしまった事でブロディがアブ・ナジールの
実子であるアイサに繋がっていく事も考えられ、それがいつ
気がつくのかにかかっているのかもしれない。

■アメリカ政府の嘘

ようやくアイサが誰なのかが判明する。
アイサが亡くなったのはアメリカ軍による無人偵察機での爆撃
によるものだった。ブロディはアイサに英語を教えるように指示
されて、少しずつ意思疎通を図り、親子のような関係になりつつ
有っただけに、殺された時の衝撃は計り知れないものが有るの
だろう。

ただアブ・ナジールの過去が正直よく分からないことも有るので
アメリカ政府だけを現状で非難するのはどうなのかという事情も
有る。アイサに英語を教えているのは、もしかするとテロリスト
を育成しているのかもしれないし、アイサを"殉教者"として利用
しようとしていたのかもしれない。

アメリカ国内でFBIが行ったミスは、アイサが亡くなった時の
2年前のイラクでの顛末にも一見するとよくに似た悲劇の縮図だけど、
事情は違うという気がするね。

■タイムリーなネタ

アメリカ政府はイラク北東部で起きた爆破事件に関して、アルカイダ
による自作自演の可能性があるとして声明を出していた。
現在シリアに於ける化学兵器を使用した件に関して、色んな情報が
錯綜しており、アメリカはシリアを非難し、シリアはそんな事実は無い
と否定している。

■アメリカの内部崩壊

内部の混乱というのは巨大な国が持つ宿命なのだろうか。
もう一度テロリストからの攻撃を受ければアメリカは内部から崩壊
するというキャリーの台詞が有り、それを実感したからこそ、
尊師の妻・ザヒーラがトムとサウジアラビア外交官のつながりを
知らせてくれた。
大国の中国でも、いつでも分裂する危険性は有るし、アメリカの場合宗教
も民族も国内で入り乱れているので、とても大変な感じだね。

■トムはなぜアメリカを嫌うのか

ブロディがなぜナジールに肩を持つのかはそれなりの説得力のある展開
が用意された。ただ全てが明らかにされていないので、アメリカ政府が
語るように自作自演の可能性はいくらでもある。イラクの今日の事情を
考慮すれば、国内で自爆テロを起こしていることも有るので、その辺
の事情はまだまだ額面通りとは言えないところが有るのかもしれない。

ただトムの場合、なぜそこまで政府や大統領を憎むのかについては
理由付けとしては語られていない。
やはり映画「ランボー」のスターローンパターンの、味方が見捨てた
事に対する憤り感から来ているのか。


■守るべき物の存在、感情の行く末

どの人物も愛するべきは家族であり、それを失ったことへの怒りは
計り知れないものがある。トムが感情を揺さぶられているのも
家族との絆だし、ブロディやナジールもまた家族が関わってくる。
トムにしてもブロディにしても、家族はまだ生きているという状況の
中、それを捨ててまで誤った信念を貫いていこうとするのか。


■使用された曲

・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland Main Title
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland End Title
・Leonard CohenのEverybody Knows
Issa and NicholasのTake Me Out To The Ballgame


■検索用キーワード

キャリー・マシソン (Claire Danes) CIA
ニコラス・ブロディ (Damian Lewis) 2003年行方不明、軍曹
ジェシカ・ブロディ (Morena Baccarin) 妻、マイクと不倫
クリス・ブロディ (Jackson Pace) 息子
デイナ・ブロディ (Morgan Saylor) 娘
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) キャリーの上司
デビッド・エスティス (David Harewood) CIA副長官・黒人
マイク・フェイバー (Diego Klattenhoff) ニコラスの同僚、メガネ
ピーター・クイン (Rupert Friend)
ヴァージル (David Marciano) 盗聴、ハゲ
アブ・ナジール (Navid Negahban) アルカイダの長
マックス (Maury Sterling) 盗聴、弟、尾行、メガネ

エリザベス・ゲインズ (Linda Purl) "リジー"、副大統領主任政治顧問
フォスター (Scott Bryce) 海兵隊・上官
ラキム・ファイサル (Omid Abtahi) ブライデン大学助教授
アイリーン・モーガン (Marin Ireland) ラキムのパートナー
ラティフ・ビン・ワリド (Alok Tewari) 皇太子の執事長
ダニー・ガルベス (Hrach Titizian) CIA職員、エステスからキャリー監視を
マギー・マシソン (Amy Hargreaves) キャリーの姉
フランク・マシソン (James Rebhorn) キャリーの父
アフサル・ハミド (Waleed Zuaiter) テロリストの一員
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの恋人、インド系
ルビー・マシソン (Renee St. Gelais) マギーの娘
ジョジー・マシソン (Rachel St. Gelais) マギーの娘

ラファン・ゴア (Sammy Sheik) Imam / 政治的指導者・イスラム尊師
ヘレン・ウォーカー (Afton Williamson) トムの元妻
トム・ウォーカー (Chris Chalk) 海兵隊員、帰還していた
ルーカス・ウォーカー (Jaden Harmon) トムの息子
アイサ・ナジール (Rohan Chand) アブ・ナジールの息子、空爆で死
マンスール・アル・ザハラニ (Ramsey Faragallah) サウジアラビア外交官
ホール (Billy Smith) FBI捜査官
ウィリアム・ウォルデン (Jamey Sheridan) 副大統領
サヒーラ・ゴア (Hend Ayoub) ラファンの妻
--- (Elizabeth Potthast) Cashier
ダン (Adam Boyer) 猟師
--- (Jeff Wicker) Reporter
--- (Elizabeth Ashley Lawson) Protestor
--- (Beth Adams) Waitress
--- (Blythe Barrington-Hughes) Schoolkid
--- (April Eliza) Protester
--- (Mehmet Korhan) Protester
--- (Rigo Nova) Protester
--- (Fabian Starr) Protester
--- (Alexandria Tisdale) Muslim Protester
--- (Rachel E Wilson) School Girl


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