ホームランド
Homeland (シーズン2)

オリジナル:Gideon Raff ("Prisoners of War")

http://video.foxjapan.com/tv/homeland/
http://www.dlife.jp/lineup/drama/homeland_s1/





November 4, 2012
第8話 重圧 I'll Fly Away

脚本/Howard Gordon、Chip Johannessen 監督/Michael Cuesta
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フィンが運転する車に同乗していたデイナは、女性をひき殺し
てしまった事を受け、デイナはジェシカとシンシアの前で
それを告げる。シンシアはジェシカに関してこの件は私に
任せて欲しいと語る。デイナは警察に知らせるとして父・
ブロディと共に警察に出頭しようとするが、キャリーが警察署の
前にいるとブロディに対してそれを止める。今警察に行けば
ロイヤに怪しまれる事を告げ、取引も無効になるという。
それを受けてブロディは娘のデイナに必ずまた一緒に来るが
今日は辞めようと語ったことで娘は一気に父親不審に陥る。
それを受けたブロディはこんなことはもうウンザリだとして
憤りを露わにする。

デイナはバスに乗ると学校には行かず、マイクの家にいく。
デイナはマイクが母と浮気していた事で、複雑な心情を持って
いた。マイクもまたデイナが家に来たことを驚く。
ジェシカはデイナが学校に行かず居なくなった事を心配する
がブロディは娘はもう16才なのだから心配ないと語る。
しかしジェシカはひき逃げ事故に関与し、あの子なりに必死に
正しいことをしようとしていたのだと語ると、何故警察にいく
のほ突然辞めたのかと問う。親が手本にならなければ子供に
善悪は教えられないと説得するが、ブロディは今日はどうして
もいけないのだという。俺だって一生懸命やっているのだと
ブロディが激しく激高したこともあり、驚く。
そんな会話を盗聴していたキャリーたちは、30分後にはロイヤ
と逢う約束なのにこのままではマズイと語る。
ヴァージルも遅刻は確実だろうとするが、それ以上にブロディ
の精神状態が気になっていた。
ブロディはジェシカに対して俺には選択筋がないと告げると
CIAにはちゃんと言って欲しいとする彼女は、安全保障よりも
娘の方が大事だと言ってくれと語る。しかしブロディは無理
だと語る。

マイクからジェシカに電話が鳴りデイナが家に来ていることを
知る。ジェシカはクリスを連れて今すぐに迎えに行くと告げる
とブロディを置いて車で出かけていってしまう。
すぐにキャリーはブロディに電話するが電話に出ようとしない
彼に対して直接彼の家を訪ねる。
「ロイヤが待っている」と言うが、ブロディはもう俺には無理
だと告げる。キャリーはロイヤは新しい仲間にあなたを引き合
わせると言っているのだと告げこれはチャンスなんだと告げる。
何の為にしているのか思い出してくれというキャリーに対して
"取引の為だろう"とするが、キャリーは"家族の為だ"という。
ブロディは体の良い言葉を語る彼女にさっきの会話を聞いて
いたなら分かるだろうと告げ、その家族はもう崩壊している
のだと語る。キャリーはもう少しなのだから辛抱して欲しいと
語る。

ジェシカはマイクの元に行くと、デイナはテレビを見ていたら
二階のベッドで寝てしまった事を語る。家には居たくないと
語っていたことを話すと様子が変だったという。ジェシカは
マイクにひき逃げ事件の顛末を語り、あの子は正そうとしたが、
事が複雑になってしまった事を語る。今はこの件は知らないフリ
をしてあげて欲しいと告げここで寝かせてあげてと頼む。
目を覚ましたら必ず電話させると告げる。

ヴァージルとキャリーはブロディを監視する中、ロイヤとの
待ち合わせ場所に行かせる。
しかしロイヤと接触したブロディに対して彼女は遅刻した理由
を聞かせて欲しいという。様子が変だという彼に対して、
自国への攻撃にかかわと言われ、「彼らが」お前を必要として
いると言われているが、俺はその彼らが誰なのかも分からず
先が見えない状況で参っているのだという。一体何の為にして
いるのかとすると、俺にはもう無理だと語る。ロイヤは今更
手を引けると思っているのかと問うと、俺を脅しても無駄だ
と語る。元々人生は無茶苦茶になっているのだという。
決して脅している訳では無いというロイヤだがこれ以上話す
ことはないとしてブロディはその場から立ち去ってしまう。

作戦は失敗だとCIAは告げる中、キャリーはヴァージルに頼んで
携帯の追跡を切ってくれと告げ作戦を続行させることを告げる。
また二重スパイのことはバレていないとし、軌道修正させれば
作戦は続けられるだろうと語る。キャリーはピーターに対して
技術的な問題が発生したので歩いて彼を追っていくので必ず
ブロディの事を捕まえると語る。
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■子供達の事情

子供たちにとって一つの試練が訪れているのかも。
前々回にフィンが車で轢いてしまった女性に対して、デイナと
しては正しいことをしようと思ったにもかかわらず、大人の事情
が関わり、この世から事件そのものが抹殺されようとしている
事実。父親が力を貸してくれると思っていたのに、完全にその
幻想も打ち破られた瞬間で、イラクから帰国し英雄扱いされて
いたブロディに対する失望感もハンパないものがあったのかも。
フィンも恐らく最初はデイナのような気持ちが有ったのだろう
けど、幼い時にそういう正義が政治の前には無力だということを
悟ってしまっているのかも知れないね。

デイナが向かったのは、旧友・ザンダーの家かと思ったら
なんとマイクだった。
デイナは今回の一件で、突然愛する人と逢う事が許されなくな
ったマイクの事情というものに同情心と共に政治とは関係のない
彼の元に歩み寄った格好だった。

母を失ったイネスはデイナとも同世代で弟を一人で育てなければ
ならない立場になり、ブロディが妻に対して「選択肢がない」と
語ったように、まるにこの子にも選択肢のない決断を迫られて、
頷くしかなかったというところだろう。
ちょっぴり「glee」のサンタナっぽい感じの顔立ちをしている
子で、この子の憤り感も伝わってくるところが有った。
自分が同様のことをされたら、どういう行動を起こすだろうかと
思わず考えさせられるものが有ったな。

警察に言わないことを条件にしたということで、ここでも取引に
よって縛られる姿。自分が悪いことをしている訳では無いのに、
イネスにとっては、気が付くとそれを訴えることも許されない
ところがなんとも言えないね。

■大人達の事情

なんといっても今回はブロディに対しても一つの試練だった。
キャリーらCIAの取引という名の下で、酷いことを押しつけている
けど、キャリーたちの歯の浮くような台詞に対して憤りを感じる
と同時に元々ブロディ自身が起こしたことへの罰でもあるので
なんとも言えない。そもそもの問題の根を突き詰めていけば、
政治であり、思想の違いから起きている民族同士の葛藤だったり
エゴが存在するのだろうけどね。
家族の為という名目さえも奪われている状況のブロディが今の
状況を称して、イラクの地下で監禁されている時よりも酷い状況
だと語っているのも分かるものだった。

どうせキャリーが"だっちゅーの"攻撃で性を武器にして説得する
んだろうなと思ったけど、案の上そんな感じだった。
こういう時に愛だなんだと言ってくることへの嘘くささを感じる
のかなと思ったけど、その辺は流石はクレア・デーンズって
感じだったのかも。

人生に失望した人物がそんな肉欲に走ることなどあるのかという
感じもするし、逆に憤り感のはけ口としての体の関係にも
思える。
まるで追い込まれてしまっている状況の中で未来を語り会いながら
退廃的な男女が関係を持つ姿は「リービング・ラスベガス」
のニコラス・ケイジとエリザベス・シューみたいだね。

それにしてもセックスしたシーンが職場のみんなに聞かれていた
というのに、また職場に戻らなければならないところは実に
酷な状況だな。それよりも聞かれていると分かっているだろう
のにブロディを引き戻す為にセックスしたのだろうから、それだけ
決意するものがないとダメなんだろうけどね。

まぁ前回ピーターのケツも見られたし、案外そういうところに
無神経なピーターだからこそ、意外と顔をつきあわせることも
出来たのかな。

それにしても相変わらず責任転嫁しているデヴィッドは何様って
感じだったね。

■信頼関係

ブロディの行動を通してロイヤらに不信感をもたれてしまった
のではないかとする流れが有った。
CIAがこんな状況のブロディに力を借りなければならないのと
同時に、ロイヤたちにとってもそれだけ手が足りないという
事情も有るのだろうね。
尾行シーンなどは緊迫感があったし、ロイヤが何を考えている
のか分からないところが不気味だった。
キャリーがブロディを助ける為に近づいたけど、キャリーの行動
がこれまで正しかったとはいえ、ちょっぴり今回もまた行きすぎた
行動に思える。相手が見えるということはこちらも見えると
いうことだしね。
キャリーの美しい金髪がまた漆黒の闇の中で目立つところが
また何とも言えない。
何も無い草原に降り立つヘリコプターのシーンは、映画「未知との
遭遇」とか「X-Files」みたいだな。防空くらいはきちんと識別しておけと
小一時間だったね。

そういえば、ヴァージルとマックスが兄弟とは知らなかった。
ヴァージル=兄、マックス=弟らしいね。

そしていよいよアブ・ナジール参上って感じだった。

■使用された曲

・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland Main Title
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland End Title


キャリー・マシソン (Claire Danes) CIA
ニコラス・ブロディ (Damian Lewis) 2003年行方不明、軍曹
ジェシカ・ブロディ (Morena Baccarin) 妻、マイクと不倫
クリス・ブロディ (Jackson Pace) 息子
デイナ・ブロディ (Morgan Saylor) 娘
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) キャリーの上司
デビッド・エスティース (David Harewood) CIA副長官・黒人
アブ・ナジール (Navid Negahban) アルカイダの長
ウィリアム・ウォルデン (Jamey Sheridan) 副大統領

ダニー・ガルベス (Hrach Titizian) CIA職員、エステスからキャリー監視
マギー・マシソン (Amy Hargreaves) キャリーの姉
フランク・マシソン (James Rebhorn) キャリーの父
フィン・ウォルデン (Timothee Chalamet) 高校生、ウィリアムの息子
マイク・ファバー (Diego Klattenhoff) 海兵隊、ブロディの友人
バージル (David Marciano) 民間の調査員
マックス (Maury Sterling) 民間の調査員

シンシア・ウォルデン (Talia Balsam) 副大統領夫人
ロイヤ・ハマド (Zuleikha Robinson) 記者、ナジールの工作員
M.M (Mido Hamada) 敵側工作員
イネス (Jeanette Dilone) 母親を交通事故で失う
ピーター・クイン (Rupert Friend) デビッドの部下、CIA職員
--- (Jason Davis) Tech



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