ジェシカおばさんの事件簿
(Murder, She Wrote)






11 Jun. 1988
第3話(4) 愛犬が犯人なんて It's a Dog's Life

監督/Seymour Robbie 脚本/Mark Giles、Linda Shank
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朝の牧場。多数の馬がいる厩舎に一人の人物が現れると、その
中の白馬にある薬のカプセルを飲ませる

富豪のデントン・ラングレー80才の誕生日のパーティーが
彼の牧場で行われていた。
朝から豪華な食事の為のパーティーが開かれる。
アンソニーは妻が都合が悪くて来られないのでトリッシュ
来ていた。スペンサーはトリッシュがまた男と不倫していること
を知って非難するが、兄・スペンサーは失業中だし人の幸せを
妬んでいると非難。トリッシュは妹・モーガナの娘で姪っ子の
エコが電子音楽にはまっていて、トゥイーターやウーハーに
拘り、ヘビメタ音楽に興じている事を知って、まるで盛りの
付いたネコの声のような音楽だとして非難する。

ジェシカは姪のアビーがラングレー家で動物調教師として働いて
いる為に逢いに来ていた。デントンはジェシカの訪問を歓迎
する中、親友のトム・キャシディに有名小説家であるジェシカ
のことを紹介する。ジェシカは乗馬はまるで出来ないと語る。
デントンが悪のりするのを見て、トムはアビーが全ての動物を
調教したが、デントンだけは調教出来ていないとジョークを
飛ばす。みんなが揃う中、デントンの80才の誕生日に乾杯する。
そんな中、愛犬のテディもデントンの元に駆け寄ってくる。

みんなで乗馬しにいくことに。
トリッシュが酔った状態で乗馬をしようとしていることを止め
ようとするアビーだが、トリッシュはアビーのことが気に入らず
嫌な口を叩く。デントンは門番をしているバーンズに対して
出入り口のゲートを開ける様指示する。アビーとデントンは
ゆっくりと馬に乗るが、突然デントンの乗った白馬は暴走を
初めて、制御不能になり柵を飛び越えていってしまう。
デントンは振り落とされて亡くなるのだった。

地元の警察官もすぐに検視に入る。
アビーは調教師として、あの馬の暴れ方が異常だったとし、
何か細工が施されたハズだという。何らかの薬が盛られていた
可能性があるとするが、検査では特に異常は出てこなかった。
検査したのが何時間も後のことだったので、証拠に現れなかった
だけだという。
あんな素晴らしい人が亡くなるなんてと嘆く中、身勝手な子供
たちの為にデントンは不幸だったと語る。ジェシカはそんな
アビーに対して少し気が立ちすぎているとして落ち着くよう告げる。

家族が集まる中、遺言書を持つ弁護人のボズウェルがやってくる。
子供達は遺産のこと・遺言のことで頭がいっぱいだった。
ボズウェルはとても悲しい事故が起きたが、実務的なことを
しなければならないとして、デントンの遺言書をみんなの前で
開示する。しかし書面に書かれているだけでなく、なんと遺言書
はビデオテープにデントン自らがコメントを残していた。ハイテク
遺言書だとし、これは全て遺言書として正式なものだという。
デントンは子供たちが自分の遺産に群がっている状況に対して、

遺産の分配の前に、一言ずつ子供たちに声をかけたいという。
長男・スペンサーに対して、今の仕事が成功する見込みはないと
告げ、お前では株の売買など出来ないと語り人生の失格者だと
いう。
トリッシュに対して、母はお前に溺愛していたが、今のお前を
見ずに亡くなって良かったという。マティーニをがぶ飲みして
は男性漁りをしているとして、良い夫を見つけてマトモに生きろ
という。
モーガナに対して、お前は悪い子ではないが常識がないとし、
現実を見て過ごせという。モーガナの娘のエコには、髪型が
良くないと指摘する。

いよいよ遺産について話す。
友人のトムににはショットガンを贈るという。
使用人たちには現金を支払うとするが、バーンズには特別賞を
贈りたいという。絵画に関しては国立美術館に寄贈するとし、
300万ドル相当をワシントンの美術館に贈るとのこと。
残りの財産は独力で築いたものだとしその額は1500万ドルを
超えるという。信託財産以外の全ての金は忠実な友・テディに
贈るという。無効の申し立てをすれば一切の金を渡さないと
する条項を加えてあるという。テディとはデントンが大切にして
いた犬だった。
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ジェシカの姪のアビーが勤めている富豪・デントンの元に行き
そこで誕生日会に参加する。しかしその現場で突然デントンは
乗馬途中に落馬で亡くなり、遺産相続が子供たちの間で起きて
居る事を知る。犬のテディが遺産を引き継ぐことになるが、
犬の行動が異常である事を示す為に、犬が人をかみついたり
出入り口のゲートを締めてトリッシュを殺害したとして
テディから遺産を奪おうとする子供たち。そしてその犬を
操っていたのは他ならないアビーだとして、犬笛を使って
守衛の居ないところでトリッシュを殺害したのではないか
として拘留されるのだった。

よく有る感じの大金持ち達の遺産相続問題に絡む骨肉の争い
を描いたもの。
犬とかネコが財産を相続するということをアメリカ初の
ニュースで見た事が有るけど、口のきけない犬が遺産を
持ったとしても何の役にも立たないね。

このドラマを見ていると、全く関係のないものが最後に
なって重要な役割を果たすので、ある意味ではどの会話も
ヒントとなるべきワードが含まれているので見逃せない
ものがある。自分はずっと鳥の声というのが頭にあった
ので、それがどうなるのか気になっていた。この一帯には
マネシツグミがいるのでその声だろうとしていたけどね。

幾つかのキーワードが提示された。
デントンの死に関しては、あっとりとしたものだけど、
問題はデントンが亡くなった時の状況が着眼点となったね。

ボズウェルの弁護士事務所に行った際にシツコイくらい証券
会社からの最速の電話が鳴っていたので、それだけで
ボズウェルが画策したのだろうと思っていたけど、この人、
親族でも遺産の相続の権利もないので、なかなか犯人だとする
動機としては弱いものがある。
しかしズボンの裾に付いたタイヤのパンク修理をした際に付いた
とするジャッキのグリースだろうとした際に、如何にも
胡散臭いものがあった。

犬笛は直接犬に聞かせると人間には聞こえない周波で犬に
メッセージを知らせるが、インターフォンを通してしまうと
その高い周波は伝わらないという辺りのトリックの解明が
印象に残った。
それ以外は法廷での助言役としてジェシカの独壇場だった
けど、筋は通っていても、やっぱり自供頼みぽさが残って
しまうのは弱かったかな。


ジェシカ・フレッチャー (Angela Lansbury) 小説家

モーガナ・クラマー (Cathryn Damon) デントンの次女・占い好き
エコ・クラマー (Cherie Currie) モーガナの娘
マーカス・ボスウェル(Dean Jones) ラングレー家の弁護士・遺言
トリッシュ・ラングレー (Lenore Kasdorf) 長女
スペンサー・ラングレー (Jared Martin) 長男、株運用
デントン・ラングレー (Dan O'Herlihy) 父・80才
--- (Roger Miller) Sheriff
アビー・ベントン・フリーストーン (Lynn Redgrave) 動物調教師、ジェシカの姪
トム・キャシディ (Forrest Tucker) デントンの友人
アーサー・ポッツ (Gregory Walcott) デントン家のスタッフ・薪割り
ウィル・ロキシー (Byron Cherry) 保安官
ベット (James Hampton)
バーンズ (Sandy Ward) ラングレー家の門番
コロナー (Robert Cornthwaite)
Miss サンプソン (Donna Anderson)
ゲーリー・デイムズ (Greg Norberg) 遺言専門弁護士
--- (Bernard McDonald) Master of the Hunt
アンソニー (Brian Mozur) パーティー客、トリッシュの男友達


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