刑事ジョー パリ犯罪捜査班
(2013年・フランス Le Grand / Jo)





5 Nov. 2013
第3話 コンコルドの醜聞 Place De La Concorde

監督/Kristoffer Nyholm 脚本/Rene Balcer
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ロッククライミングの講師をしていたベルナール・ラング
娘もその練習に参加していた。妻で妊婦のルイーズも夫の仕事
を見に来ていたが、ベルナールは今日は明日使う器具の点検を
するので少し帰りは遅くなると語る。ベルナールはカメラなど
を用意して出かける準備をする。

一方麻薬中毒患者だった娘・アデルを自宅で保護する父・ジョー。
父もまた娘を助ける為にドラッグを絶っていた。アデルの恋人
でありドラッグを病院から盗み出させていたヤニックがやって
くるとジョーは娘に近づいたら殺すとして警告する。
アデルはヤニックはとても良い人だと告げる。
ジョーはアデルに薬を辞めて体調はどうかと問う。薬物を撃た
なくなって10日が経過していたアデルは体調は良かった。
ジョーはまた頭の中に悪魔が住み着くようになったら必ずすぐに
連絡するのだと語る。

ジョーは人が亡くなったとする現場に行く。
現場はコンコルド広場にあるオベリスクの塔の傍で倒れていた
男性の遺体だった。検死官のアンジェリクは首が折れているが
何か不自然だと語る。被害者はベルナール・ラング(33歳)。
ロッククライミングをしている男で妻子がいるのにこんな
危ない塔を登ろうとするものなのかと疑う。この塔には13年前
(1999年)にもアラン・ロベールが登った形跡が逢った。
単純にオベリスクから落ちた事故ではないかというバヤール
ニコラ。現場にやってきたベアトリスにも現状を語る。事故
であるならば私たちの仕事ではないとしてベアトリスは発言
するが、ジョーは被害者の所持品の中に、ペンチ、水準器、
電池などが含まれており、クライミングをしようとしていた
だけとは思えないと語る。更に被害者の手にはタトゥーとは
違う何かの絵が描かれているのだという。

ジョーたちは妻・ルイーズから話を聞く。
コンコルド広場で遺体が発見されたことを話すと、夫は娘が
生まれてからは危険なことは辞めると約束していた事を告げる。
手についた絵に見覚えはないかと尋ねるが知らないという。
生活は苦しいものがあったが、彼は心配するなの一点張りだった
という。何か今回の行動は金の為にしたことなのか。

アンジェリクはモルグで遺体を司法解剖した結果、普通は落下
すれば圧迫骨折するハズだが、その形跡がないこと。体の傷も
死後に出来たもので、転落死に見せかける為に首の骨を折った
のだろうという。爪には粘着物が付いているのだという。

シスターはキャリンの元には様々なものがやってくる。
ジョーはキャリンの元にいくと、黒魔術を使うという男性が
キャリンと言い争っている事を知る。私たちは聖霊で対抗する
として、アントニーのことは私が守るのだと語る。
ジョーはシスターに逢うとアデルが現在断薬して12日目になる
事を語る。ヤニックについて尋ねると、彼とアデルは付き合って
3年目で決して乱暴な男ではないという。金属加工の仕事を
していたが現在仕事がないのだという。シスターが比較宗教学
の博士号を取っていることを知り、被害者の手についていた
絵について尋ねる。ナパレオンが妻へオベリスクを贈ったという
話がある事を告げ、その絵は太陽神のペラスの象徴物である
事を語る。"マヤ"という統一のモノグラムではないかという
もので、ロータスとパピルスは上下エジプトを意味するもの
だという。

ジョーはアデルとヤニックに自分の目の届くところで逢うのを
認めることにする。
そんな中ジョーは絵が何か、現場の写真を見ていると、
オベリスクの塔にはその絵と同じものが刻まれている事を知る。
鑑識に調べてもらうと、ベルナールはその絵のところに粘着物
で何かを張り付けようとしていたのだという。水準器を使って
居る所を見ると恐らくカメラを張り付け何処かを監視・盗撮
しようとしていたのだろう事を告げる。ここから見えるところに
不審な場所があるのかどうか。調べると、サウジ王家所有の建物
が目立っていた。
施設の所有者から話を聞くと、火曜日には政府系ファンド主催
の会が有って参加者は75名いたという。10時過ぎにお開きになった
ということ。ただの親睦会だという。それ以来この部屋は使われて
いない事を告げると、スタッフの一人が隣の部屋の会話を
聞いていた跡が見つかる。隣はクリコホテルになっているという。
男に話を聞くと、男女が愛し合っている声が聞こえたが、途中から
別の音が聞こえ始めたのだという。人を叩くような音だったとし
女性の悲鳴が聞こえたという。

部屋を調べると、部屋を借りているのはニクヴィスト社によって
二日間借りられていることが分かる。ベッドで何者かが縛られて
いる痕が有り、床には青いコンタクトレンズが落ちていた。
防犯カメラ映像を調べると、最初は若いカップルが入り、
その後二人の男が入って居た。黒人の男と、首にタトゥーのある
男で、二人が出た後、最初に入ったカップルがカメラには
写っていない事が分かる。カメラを避けて階段から出ると
どうしても写らない構造になっている事を聞くが・・・
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コンコルド広場でロッククライマーが亡くなって発見される。
事件性が無いようにも思われたが、不自然なところも多く、
当時に被害者のベルナールがしようとしていた事を調べて
いくと、誰かを盗撮して脅そうとしていたのではないかとする
疑惑が生まれてくる。ベルナールが生活に困って居たことを
考えればそれに手を貸しているであろうことも理解出来るが
果たして何を取ろうとしていたのか。

なんだか個人的に事件の流れが理解出来てるようで、実は出来
ていたのかもよく分からない事件。

いずれにしても共通しているのは金であり、前時代的な思考
の元で行われている殺人事件って感じ。上司のベアトリス
自体、時代錯誤も良いところだとしていたけど、上流階級
ほどにそういうのを拘って生きているので、一般人には理解
しがたい状況に感じるのか。

女性はホント子供を産む道具であり、政略結婚させられて
しまうというのだから、フランスでもそんな女性蔑視的
思考が残っているのかと意外でもある。フランスには
どれだけ階級制度が残っているのか良く知らないのだけど、
金持ちなのに頭が良いのか悪いのかよく分からない。

息子の嫁に自分の夫との子を産ませようとする義母の姿と
自分の娘を殺めようとする実の父という凄い構図が
有ったし、女性が変な趣味を持っているというところも
また相当違和感がある。
カトリーヌはとても綺麗な人だった。
父親はこんな娘でも、まさに自分のエゴの為ばかりに動いて
いるところが凄い。

一方ジョーとアデルの物語も切ないところで動いていた感じ。
娘のために薬を辞めようとしたけど、結局娘は薬を辞めた
途端に彼氏との生活を選んで出て行ってしまった。
ドラッグ中毒時代に妊娠した子がまともに生まれてくるのか
その方が心配かも知れない。
ジョーはドラッグを辞めてしまったけど、それを面白く思わ
ないバーテンダーの男が圧力をかけてきたけど、また娘が
居なくなったのを機会に誘惑に負けてしまうということも
有るのだろうか?

それにしてもヨーロッパの車道は狭いね。
そして車道にみんな路駐しているので益々狭い。
フランス映画とかイギリス映画での町中でのカーチェイス
シーンってそういう意味ではかなりドキドキするものが有る
な。


ジョアシャン“ジョー”・サン=クレール (Jean Reno) パリ警視庁犯罪捜査班
キャリン (Jill Hennessy) シスター・売春婦更正施設
マーク・バヤール (Tom Austen) ジョーの相棒
ベアトリス・ドルモン (Orla Brady) 犯罪捜査班チーフ
アデル (Heida Reed) ジョーの娘。看護師
ニコラ・ノルマン (Celyn Jones) 鑑識担当・髭
アンジェリク・アラサン (Wunmi Mosaku) 女性検死官・黒人
ヤニック・モラン (Chris Brazier) アデルの彼・ドラッグの売人
チャーリー (Sean Pertwee) 捜査官

ジャン・ネメック (Tomi May) 首にタトゥー、カジノの用心棒
リリアーヌ・コベール (Geraldine Chaplin) カラヴェル社(革製品)社長
ケイティ・ミビル (Miranda Raison) カトリーヌ?娘
マイケル・ミビル (Christopher Fulford) ストリーヌの父
フレデリック (Stephen Shagov) バーでドラッグを売る?
マルティ (Sean Magyar) 金属加工業、ヤニックを紹介する
フランソワ・コベール (Luke Neal) 夫、リリアーヌの息子
ピエト・ニクヴィスト (Alex Hassell) 道楽息子
マックス・ニクヴィスト (Terence Harvey) 社長
ベルナール・ラング (Shane Vives-Atsara Woodward) 33歳、ロッククライム講師
ルイーズ・ラング (Emma Campbell-Jones) 妻・妊婦
レオン・ニール (Dorian Lough) 元中央情報局、コベールに雇われた男
デュロイ (Richard Dixon)
エディ (Hugo Becker)
レミ (Philippe Reyno) 第三の男、薬物の過剰摂取で殺害される
サボット (Peter Guinness)
Mr.アブドルガニ (Andy Lucas)
アナイス (Zoe Hulot-Garde)
リサ (Lexie Kendrick)
ナッサー (Emilio Doorgasingh) スタッフ、盗聴していた
(Cheikh Diop) Proxenete


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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