刑事ジョー パリ犯罪捜査班
(2013年・フランス Le Grand / Jo)





26 Nov. 2013
第6話 マレの悔恨 Le Marais

監督/Kristoffer Nyholm 脚本/Rene Balcer、Franck Ollivier
Malina Detcheva
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マリー=エーヴ・ランベールは喫茶店から携帯電話で夫に連絡
する。現在サン=ラザールに居ると告げ、9時までには帰宅する
と語ると常連客の一人・デデは、ここはマレなのにサン=ラザ
ールなのに地理も分からない馬鹿なのか?と語る。バーテン
の男はデデに馬鹿なことは言うなと止めるが、嘘つきよりは
マシでしょという。そんな中マリーはバッグからサイフが無くなった
として店から慌てて出て行ってしまう。

一方麻薬捜査課はヤニックたちが押し入る情報を知って、
ヤニックたちが連中に押し入るのを見てから突入しようとしていたが
来なかった為に、強引に突入し、シャルリーたちの部下たちと銃撃戦になって
いた。ジョーに対して、調べたらヤニックはあの日、ニセモノの
窃盗事件で勾留されていた事を告げ、あんたの娘が引き取りに
来たとしてデュロックは呆れる。内偵のことをヤニックに話した
のかと問うと、ジョーはホシを挙げられたのだから良いだろう
と語る。
そんな中、バヤールはヴォージュ広場で事件が起きたとの
連絡が入る。

検視官のアンジェリクによると、指紋は照合しても該当者はなく、
身元の分かる所持品は持っていない事を語る。被害者の女性は
後頭部を壁に何度もぶつけられているとし、左頬には打撲痕が
あるという。また首には指の痕が見られるとのこと。
目撃者も人通りの割りに誰もいないという。怒り・・そして
衝動的な殺人だと語る。
被害者はあるメモを手にしていた。
"闇の中に光がある"と書かれていた。一体どんな意味があるのか。
近くのバーで聞き込みをしていると、6時頃彼女は一人で来たが手袋
を忘れていったという。常連客の一人、デデと揉めていたという。
デデから話を聞くと、彼女は夫と電話していたようだが、
この場所をサン=ラザールだと嘘を付いていたのでからかっただけ
だという。恋人を待っているのかと思っていたとし、サイフを
探しに店を出て行ったという。

ジョーはサイフを摺られたのだと考える。
リシュリュー卿が住んでいた公園にスリを捕まえに行くジョー
とバヤール。すると女性のサイフを確かに盗んでいた。
被害者の免許証が入っており、ブージヴァルに住んでいる
マリー・エーヴ・ランバートだと分かる、
マリーが住む家にいくと夫のピエールから話を聞く。
妻とは電話で6時半頃話したのが最後だという。ラザールで
商談中だと語っていた事を告げ、妻は骨董商をしているという。
この家の一階が骨董店になっているとのこと。自分は生徒たち
の採点をしていたという。夫婦仲について尋ねると、結婚して
8年目で幸せだったと告げ、そろそろ子供を作ろうと話合って
いた事を語る。マリーはマレにいた事を語ると、何故そんな
ところにいるのか見当も突かないと語る。彼女が持っていた
手袋の写真を見せるが見覚えがないという。彼女は父親が
倒れて店を継いだ事を告げる。
店を調べるがバッグが見つからず、またパソコンに関しては
暗証番号が分からないという夫。メモについて尋ねると、確か
妻の筆跡だが、何の意味かは分からないという。ノルマンや
バヤールたちは店を調べると、鍵のかかった引き出しの中から
多数の督促状が出てくる。経営状況は火の車であったことを知る
が夫は全く知らなかったとのことだった。

ジョーたちは捜査状況を上司のベアトリスに報告する。
店の経営状況が悪かったこと。もしかすると浮気していた可能性
があること。パトロンにすがって借金を返済しようとしていた
のではないかというバヤールだがジョーは5万ユーロの借金は
パトロンが払うにしては難しいだろうという。
ノルマンによると電話には留守電が入って居た、最後の伝言は
9時37分だという。電話してきた相手はダヴィッド・ジフキン
という人物だと分かる。

ジョーはシスターに逢いに行くと、メモのことを尋ねる。
するとそのメモはヨハネによる福音書である事を語る。
「光は闇の中で輝く、闇は光に勝りはしない」というもので、
どんな宗教にもあるような概念だという。光とは神を指す
ものだという。シスターはヤニックの事を心配するが、なんと
か無事だと語る。シスターはジョーに対して、アナタは闇の中で
誰に光を求めているのかと尋ねられるが、俺は耳を傾けるだけ
だという。

ジフキンの元にいき話を聞く。
6時頃、マリーとは約束したが、地下鉄で行ったので道に迷った
という。三日前に彼女から突然電話がかかってきた事を告げ、
彼女はホロコーストの犠牲社の遺品を扱うことが多く、遺族への
返還方法を相談したいと言われたのだという。私は弁護士で
あり、アメリカにいた頃はプロボノでホロコースト関係の
仕事を引き受けていたとのことだった。手袋について何か知らない
かと尋ねる。恐らく1930年代のものだとするが、分からないとの
こと。ジフキンは妻が3年前に亡くなったのを機会に、娘が
パリの男性と結婚したので自分もパリに移住してきたという。
マリーは午後には公文書館にいくと話していたとのこと。
私たちはその閉館後に逢う約束をしていたのだと。
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骨董商の女性が突然殺害され発見される。
調べていくウチに彼女には夫の知らない一面があり、
彼女はホロコーストの犠牲者たちの美術品に関して調べて
いる事が分かる。手にしていたメモや公文書館で調べていた
ものからして、彼女はデロワ家、パネ家、リヴァール家
デュソー家を調べており、最後に調べていたのがデュソー家
のジャクリーヌ・デュソー(1921年生まれ)の事だと分かる。
彼女は第二次世界大戦の1944年のナチスの収容所で亡くなって
おり、レジスタンスのメンバーとして1943年に逮捕されて
いた事が分かる。その事と彼女の死には何か関係が有るのか。

最近このドラマのBGMのチャラ〜ンがちょっと癖になってる(笑)
どんよりした音楽なんだけどね。

イタリアとかフランスというと観光地にはものすごく多いスリがいる
という事情が有る。日本人は必ずカモにされているけれど、
その辺の事情も勘案した流れが有ったのか。

結局殺されてしまった彼女は、ホロコーストの犠牲者たちに
遺品を返すどころかそれを使って借金の返済を目論んでいた
というところなのか。

ユダヤ人にとっては、当時のフランスの警察もナチス支配下
に有ったとはいえ、信用出来ない人種として描かれていた。

正当な遺品であるならば当然返すべきものだろうし、
亡くなった自分の祖父なり先祖がどんな人物だったのか
知りたい欲求と共に、思っていた人物とは違う事での失望感
たるや相当なものが有ったのだろう。

ナチスドイツ時代のユダヤ人への大量虐殺を考えると、
今回ショア記念館で正確な情報が記載されているとのこと
だったけど、どれだけの情報が判明しているのだろうか?

やはり何処に行っても金の臭いはつきまとっていた。
デロワ家に於いても、マリーが探し出していたハヌカの燭台
は正当な所有者ではない事を考えれば、手放したいだろう
し、フランス警察をファシスト扱いしていたジフキンもどの
段階で自分自身のことを知っていたのか気になるところ。

また事件以外ではアデルとヤニックの件で動きがあった。
ヤニックはジョーの機転を利かせた作戦で助かったかに思われた
が残念ながらシャルリーの部下によって襲われてしまったで
あろうこと。ジョーを怨んでいるのであれば、アデルなんか
も相当ヤバそうだけどね。


ジョアシャン“ジョー”・サン=クレール (Jean Reno) パリ警視庁犯罪捜査班
キャリン (Jill Hennessy) シスター・売春婦更正施設
マーク・バヤール (Tom Austen) ジョーの相棒
ベアトリス・ドルモン (Orla Brady) 犯罪捜査班チーフ
アデル (Heida Reed) ジョーの娘。看護師
ニコラ・ノルマン (Celyn Jones) 鑑識担当・髭
アンジェリク・アラサン (Wunmi Mosaku) 女性検死官・黒人
ヤニック・モラン (Chris Brazier) アデルの彼・ドラッグの売人
シャルリー (Sean Pertwee) バーのオーナー、ジョーの弱みを握る

ダヴィッド・ジフキン (Sam Waterston) 弁護士
--- (Charlotte Cornwell)
ジョセット・レノア (Leslie Caron)
フレドリック (Stephen Shagov) バーでドラッグを売る?
アマドー (Eriq Ebouaney) ジョーの協力者
デュロック (Joe Tucker) 麻薬捜査班
ハイバート (Doug Rand) Hibert
シャロン (Julie Cox) ジフキンの娘
パトリック・デロワ (David Coburn) アニエスの夫
アニエス・デロワ (Susannah Wise) 娘
パスカル (Antoine Coloma)
マリー=エーヴ・ランバート (Xenia Buravsky) 被害者、骨董品
ピエール・ランバート (John Light) 夫、教師
(Gwendal Anglade) Bill le serveur
デデ (Stephane Cornicard) 客の一人
--- (Tony Vanaria) Archiviste
デヤン (Samir Trabelsi)
(Nezar Zraidi) Rade
(Nigel Hollidge) Technicien CSU
ジュリアン (Peter Silverleaf)
モーリス・ルデュク (Martin Turner) 骨董収集家
--- (Alan Fairbairn) Commissaire-priseur
ダニー (Rupert Simonian) ジフキンの孫


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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