刑事ジョー パリ犯罪捜査班
(2013年・フランス Le Grand / Jo)





10 Dec. 2013
第8話 カタコンブの怪 Catacombs

監督/Sheree Folkson 脚本/Rene Balcer、Diana Son
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妊娠検査薬の結果を見て陽性反応があることを知り、激怒する
女性は、検査薬を思い切り踏みつぶす。

一方ジョーは内務調査部・エゲールからの聞き取り調査を受けていた。
不正に盗難車両登録をしたのかどうか。ジョーは素直に認め
それがヤニックの為だったと語る。彼が証人として呼ばれるのは
後で知ったことなのかと問うとそれも認める。シャルリーは
長年の友達なのか。デュロック刑事に不当な要求をしたのかと
問われる中、殺人事件の知らせが入ると、調査中にもかかわらず
ジョーは部屋から出て行く。

遺体は立入禁止区域とされている地下墓地(カタコンブ)の中で
見つかる。遺体は壁に顔を打ち付けられており、足跡が残されて
いるが何かを靴にかぶせていたであろう形跡があった。
死体を引きずっている跡があること。
ノルマンは10歳の頃に父親に連れられてここに来たことがある
事を告げ、トラウマになっている事を語る。ここには600万以上
の白骨遺体が眠っていた。
アンジェリクによると遺体は口の中に血があふれて窒息死した
ようだという。傷が気管に達しており穴が開いているとのこと。
窒息死するまで胸を踏みつけられたのだろうとのこと。
背中に傷が有り、悪魔崇拝のマークが傷として被害者の背中に
刻まれていた。最近悪魔崇拝をしている連中がこの地下墓地で
目撃されているというバヤール。
ジョーは不気味に感じているノルマンに対して、入り口には
「止まれ この先は死の帝国だ」と書かれているだろうと告げる。

悪魔崇拝をしている男の元に行くと、少年少女たちに絵本の
読み聞かせをしている男だった。彼はあの地下墓地に足を踏み
入れているのは女性にモテる為のことだという。
遺体の写真を見せ何か知っているか訊ねる。男がタトゥーとして
刻んでいるものと同じマークの刻印が背中に刻まれているのだと
語る。しかし男は殺人を否定し、俺の印をまねたヤツの仕業だと
し、火曜日の夜に女性と散歩していたら人が出てくるのを見た
という。ゴミ箱に何か白っぽいシーツのようなものを捨てていた
という。調べてみるとゴミ箱の中から防護服が見つかる。

検死官のアンジェリクによると死亡推定時刻は火曜日の夜10時
から12時だという。性交渉の跡はあるが精液はなくコンドーム
も使っていないという。陰唇にすったような傷跡があるとのこと。
股に結び目を作っているとのことで、何か犯人は苦痛を与えて
いたのか?と疑う。または誰かの命令によってやられていたのか。
そうだとすればご主人様が居たはずだという。
脊椎の傷はラジオペンチによるものだという。

アデルに対してジョーは密かに警護を付けるが、アデルはすぐに
発見してそれを止める。
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女性の遺体が地下墓地・カタコンブから発見される。
女性の体に付着した傷から悪魔崇拝している狂信者による
犯行に思われたがそれが違うと分かる。
地下墓地に埋められている遺体は、元はサンニイノサン墓地
から移されたもので、遺体はペストにかかりパリ市民の半数が
亡くなったとする500年前の遺骨だった。
その遺骨から歯が抜き取られていることが分かり、被害者の
女性シルヴィが微生物学者・細菌遺伝学を専攻していた事から
昔の遺体からペスト菌を取り出し培養して生物兵器に転用
しようとしていたのではないかとする疑惑が浮かび上がって
くる。果たして真相を如何に!?

最終話らしくもの凄く難敵を用意した格好だったけど、結果と
して難敵過ぎて何も解決しなかったというオチが用意された。
娘・アデルとジョーの関係こそ修復されたという感じだけど、
それ以外の要素に関しては全て投げっぱなしの状態であり、
ジョーの内務調査の結果も知らされなければ、ジョーが抱えている
病気のこと、幼なじみとして育ったシャルリーとの関係とか
シスターとの関係なんかもかなり中途半端のままだった。

今回の事件単体としても一筋縄ではいかないものがあり、
殺されてしまった女性は、ご主人様の妊娠の事実に怒りを覚えて
いた様だけど、犯人の性格自体がウソにウソを重ねて捜査を
混乱させるという人物像だっただけに、この女性と犯人との間にも
主従関係が有ったのかどうか謎である。
単純にペスト菌の研究をしているというだけで狙われてしまった
のかもしれないけど、この女性はレズだったのだろうか?

容疑者として、次々と別人へと推移していく。
冒頭では悪魔崇拝者、シルヴィの研究所の上司・ローラン・ペロー
博士、ペパン外務次官etc...

オーストラリアでもタイでもアメリカでも犯罪を犯してきた
指名手配犯という設定は、アメリカのドラマでも同様のケースを
見た事が有る。最後に強制送還か自供かの選択で終われば良いのに
何故わざわざ歯切れの悪いオチで締めくくろうとしたのかが
よく分からない。

彼女の口ずさんでいた鼻歌から名前の由来、そして動機を掴んで
いくというのは悪くはないんだけどね。

被害者が幼少期から性的虐待を受けて来たという事情があるに
せよ、何で高齢者のペパン外務次官などをターゲットにして家庭
を持とうと考えたのか。政治家・官僚が馬鹿な人物だとする
主張はよく伝わるものがあるけど、せめてペパン外務大臣の
家族には事実を知らせた方が良かったのではないかという感じ
だよね。結局彼女を釈放すればペパンの家族は殺されるということ
なのかな。

最後にジョーがシスターをうつろな目で見ていたけど、どういう
心情で見ていたのかよく分からなかった。


ジョアシャン“ジョー”・サン=クレール (Jean Reno) パリ警視庁犯罪捜査班
キャリン (Jill Hennessy) シスター・売春婦更正施設
マーク・バヤール (Tom Austen) ジョーの相棒
ベアトリス・ドルモン (Orla Brady) 犯罪捜査班チーフ
アデル (Heida Reed) ジョーの娘。看護師
ニコラ・ノルマン (Celyn Jones) 鑑識担当・髭
アンジェリク・アラサン (Wunmi Mosaku) 女性検死官・黒人
ヤニック・モラン (Chris Brazier) アデルの彼・ドラッグの売人
シャルリー (Sean Pertwee) バーのオーナー、ジョーの弱みを握る

シルヴィ・フェリエ (Aurelie Bancilhon) 被害者、微生物学者・細菌遺伝学
エディ (Hugo Becker)
--- (Jerome Charvet) Pastry Assistant
マドレーヌ・エインス (Olivia d'Abo) ニュージーランド出身、画廊
アマドー (Eriq Ebouaney) ジョーの協力者
--- (John Flanders) DCRI Agent 1
エド・デュロック (Joe Tucker) 麻薬捜査班
フレドリック (Stephen SHAGOV)
エゲール (Colin McFARLAN) 内務調査室・警部
Lise Foucher (Lexie KENDRICK)
ローラン・ペロー (William ARMSTRONG) 博士、シルヴィの上司
Denis Allard (Will BLISS)
キャサリーン (Jane WYMARK) シルヴィの母
Madge (Sahra DAUGREILH) ランジェリー店の人?
Josee (Mirabelle KIRKLAND)
Mrs.アルバート (Judith BURNETT) タイ製の壷の気にする老人
Sabine (Diveen HENRY) 介護士
アデルの主治医 (Jonathan WAITE)
--- (Kellie DELKESKAMP) Nursing Supervisor
--- (Jerome CHARVET) Pastry Assistant


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)


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