華麗なるペテン師たち2
hustle

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第6話 今世紀最高の大泥棒
Eye of the Beholder

脚本/Tony Jordan 監督/John Strickland

英国王室の歴史ある宝石"アフリカの一番星"に目を付ける
のはミッキー・ストーン。王笏の柄にはめられており、
普段はロンドン塔に保管されているが、この度アフリカ展の
目玉として美術館で展示される事になる。
成功すれば後世に語り継がれる世紀の大犯罪だとしてミッキー
はこの宝石を盗むことを提案するが、王室の宝を盗むのは
非国民であるし、何より失敗すれば一生刑務所暮らしが待って
いるとして、ミッキー以外は乗り気ではなかった。
今まで培ってきた詐欺師としての知識やテクニックはこの日の
為にあると説得するが、誰も首を縦には振らず、一人エディの
店で酒を飲むミッキー。しかしダニーが彼の元に歩み寄り
彼の話に耳を傾ける。こんな大それた事は誰もやって事が
無い、犯罪史上最高のスケールの事。その言葉に感化された
ダニーは自分もその計画に乗ると言い出す。すると後から
やってきたステイシーやアッシュ、アルバートも参加を表明
する。これだけの宝ならば買う人も多いはず。ミッキーは
早速盗品を売買しているベニーに、極秘入札に参加するメンバー
を集めて欲しいと頼む。
今回展示されるのは、ギルドホール美術館。
その清掃会社を調べるとアッシュは職員として潜り込む。
すぐに美術館の職員の一人・リリーと仲良くなり、掃除を
しながら美術館のセキュリティについて調べていく。
ベニーから入札に参加したいという富豪が5人見つかったと
知らせを受けるが、その直後ベニーの悪事が何者かのタレコミ
によってバレ、店で盗品を売買しているのを警察に見つかって
しまう。このままだと刑期は15年。素直に犯罪を認めても13
年の刑務所暮らしが待っているという。そこでベニーは
ミッキーらを裏切り、警察と無罪にする変わりにアフリカの
一番星を狙っている者が居ることを話してしまうのだった。

いよいよ第2シーズン最後の話し。
第1シーズンの第1話「チーム結成」で刑期を終えて出所する
ミッキーの事を監視している刑事役として出てきたホッジスが
今回復讐とばかりにミッキーたちを監視し、捕まえようとする。
厳しい美術館のセキュリティと同時に警察からマークされて
いるという気難しい状況の中、ミッキーたちは世紀の犯罪を
成功させることが出来るのか。

綺麗にまとまる話ではあるが、色々とツッコミ処が満載の話し
でもある。
今回の一連のドラマの中に警察官を加えなくても、それなりに
成立しそうな犯罪計画であること。面倒くさいことをしなく
ても、彼らならば偽物ダイヤを使いそれなりの商売が出来そうな
話しなのだ。
勿論警察官を加える意図は存在していて、本当はダイヤは盗ま
れたものだが警察は対面のために偽物を展示しているという事
を知らせる為に色々と画策しているのだが、この作戦がリスク
の割りに効果的に見えないのが残念だ。

さて今回ドラマは、このドラマを見ている人にとって、最初から
疑問だらけのものが有る。
アフリカの一番星は王室のもので有り、その価値は計り知れない
ものが有っても、悪徳な人物意外からは決して金を巻き上げない
というミッキーらの犯罪哲学からは外れる案件なのだ。
一連の展開の中で、どの辺に悪徳人物を挿入するのかというのが
今回のポイントだと思う。

警察の存在はエディの存在と同じくして、ミッキーらの玩具
同然の役柄だ。彼らがミッキーらを捕まえることなど有り得ない
事は百も承知であり、どのように利用されるのかがドラマとして
興味の示すところ。

ベニーという仲間の存在が実にくせ者で、何処まで信用して
良い人物なのか分からない所がドラマを面白くさせた。

今回は美術館から宝を盗むシーンをふんだんに盛り込んだ。
警察に動きを察知されるという事で、それなりの緊迫感を
演出したわけだが、ビルの屋上に行ってからのミッキーらと
警察官との距離感が不自然極まりなかったのは残念なところ。

冒頭の何気ないエピソードの中でエディの時計を狂わせるシーン
が有ったが、あれが練習台となっていたという所が面白かった。

今回ダニーの役割は限りなく小さいものだったが、あの水に
落ちるシーンがアリバイ工作のために使われるなど、なかなか
面白く演出された話しだと思う。

ミッキー・ストーン :エイドリアン・レスター “ブリックス”
ダニー・ブルー :マーク・ウォーレン 新入り詐欺師
アッシュ・モーガン :ロバート・グレニスター 「当たり屋」
ステイシー・モンロー :ジェイミー・マリー 。「女性」を武器
アルバート・ストローラー :ロバート・ヴォーン ミッキーの師

Rob Jarvis (エディ) バーの主人
Liz May Brice (テリー・ホッジス) 刑事
Vincent Regan (ウェルズ)
Paul Brooke (ベニー) 盗品売買
Shirley King (リリー) 美術館職員
Jenny Tarren (ジョイス・マーティン)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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