LAW & ORDER
(LAW & ORDER) シーズン17





January 12, 2007
第12話 善意か売名か Charity Case

監督/Michael Pressman 脚本/Nicholas Wootton
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女優ソフィア・アーチャーはアフリカの子を養子にしたことで
マスコミからは色々と非難の声が上がっていた。
夫のショーンやベビーシッターのメアリー、そして実子のアガサ
や養子にした息子のクリストファーを連れて初めて赤ちゃんを
外に出す。近所のアイスクリーム店で子供達にアイスを買う
中、店員のトーニャはあの有名人のソフィアが来たことに感激
する。しかしそんな中、店の外ではクリストファーを抱えて待
っていたが突然外では何者かと口論する声が聞こえたかと思う
と突然ショーンは発砲されてしまう。

捜査官のベニテスは現場にやってきたニーナとエドに事件の
概要を説明する。目撃者たちは撃たれる直前に口論するような
声を聞くが、発砲した瞬間に誰が発砲したのかまでは目にして
いなかった。
シッターのメアリーによると赤ちゃんを連れての外出は初めて
だという。
人権団体が宣伝や寄付を狙って私がアフリカの子を養子にする
際にマスコミの前で騒いでいたが、人権団体が発言を辞めた
以降はマスコミの騒動も一段落していたという。養子はキャリア
の為に売名行為だと言われていたが、正規の手続きをして、マム
ノ大統領
から書面で許可をもらい、実の父からも同意を得ている
という。撃ち殺されたショーンは誰かから恨まれていたことは
ないか?と問うと、もしかするとジョン・ブロディかも知れない
事を語る。
ショーンが映画の仕事で海外ロケに6週間行っていたが、その間に
ブロディの妻・ダーラと不倫したのだという。私たちの間では
解決していた問題だったが、ブロディはかなり怒っていたこと
だという。

11月15日(水)・スカイラインモーテル。
ブロディから話を聞くと、ショーンが殺害したことに対して
「ツイてないな」と吐き捨てる。ニーナは人が殺されたのだ
と告げるが、妻を寝取ったヤツになんといえばいいのか?と
反論する。アイツのせいで別居中なのだという。エドは朝7時
頃のアリバイを尋ねると、俺は脚本家であり、ずっとモーテル
にいたという。ソフィアに電話して浮気のことを話したが、
まるで気にも留めていない感じで電話を切られたのだという。
人道主義の女王などと言われているが、あの夫婦は最低だと
いう。ブロディのホテルを探すが銃も見つからず、また硝煙反応
もなかった

ニーナによると弾道検査の結果、ショーンを殺害した銃はマーロン
クーパー弁護士
の銃と一致していることが分かる。昨年警察官に
暴行の罪で捕まりそうになった人物だという。

クーパーから話を聞くと、あの事件は不起訴になったのだと語る。
私服で集会に混ざっていたもので、扇動役をしていたのだという。
ダルフールの難民問題の集会で国連の怠慢さによって子供たちが
亡くなっている現状を訴えたものだった。ソフィアのことをどう
思っているのかと問うと、あれはスターだから特別に許可されて
いることを告げ非難する。銃について尋ねると、2年前に無くした
事を告げる。しかし警察への届けがないと指摘する。
事件当日のアリバイを尋ねると、ボビー・スアレスという依頼人
といた事を語る。
エドは室内に国際子供人権連盟のチラシがあるのを知る。

スタングからクーパーについて尋ねると、確かに協力関係に有った
こともあるが、ソフィアの養子の件で付き合いを辞めたのだという。
彼がリークした記事で関係を絶ったのだとし、彼はソフィアの
ことしか頭に無かったのだという。
「あの国には養子に関して3つの法律が有るが、養子を取る親は
最低マムノに一年は住まないといけない決まりになっている」
のだという。しかし彼女は僅か3日しか滞在していなかったのに
金で養子を買い取ったのだという。彼女の前で抗議活動をしようと
し、彼女は赤ちゃん泥棒だと主張していたが、私たちの団体は
形はどうであれソフィアのアピールによって恵まれない子たちへ
寄付金が多数集まったのでソフィアの件には拘っていなかった
のだという。

しかしソフィアは何故24000kmも旅して黒人の子を養子にしたのか。
国内にだって親の居ない子はいるという。
最近の有名人が売名の為に利用する小道具は、服を着せられた
チワワではなくエイズで親を亡くした貧しいアフリカ人を養子に
することだとし、相手国も外資獲得の為に喜んで送り出すのだ
という。誘拐事件を起こせば養子問題に一石投じられるとでも
思ったのか?
しかしクーパーにはアリバイがあることが分かる。
そんな中ソフィアのアパートの先週の写真にクーパーが写って
いるのを目にする。

11月21日(火)・ソフィア・アーチャーのアパート
11月21日(火)・マーロン・クーパーのアパート
11月21日(火)・フェスタス・レペチェのアパート
12月7日(水)・高位裁判所・申し立て審理
12月12日(月)・ベットフォードヒルズ刑務所
1月17日(火)・高位裁判所
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芸能人のショーンとソフィアは恵まれない子供が多数存在する
アフリカの子供を養子として迎える。しかしマスコミからは、
違法な養子取引ではないのか・・芸能人の売名行為による偽善
的行動ではないかとの騒ぎも起きており、暫く公衆の面前から
避けてきたものの、初めて子供と共に外に出た矢先に赤ちゃん
を連れていた夫のショーンが銃で撃たれて亡くなる。
犯人はすぐに見つかり、ソフィアたちに引き取られた赤ちゃんの
父親だと判明するが、被疑者は供述書にサインする変わり
にひと目で良いので赤ちゃんを見せて欲しいと告げる。

またまた凄いネタが飛び出しましたって感じだったけど、
前回の貧困層に於ける医療従事者の犯罪と同様に、偽善であれ
行動を起こすことで多数の寄付が集まってしまうとする皮肉な
展開として描かれた。

不謹慎ながら心に響いたのは、今時の芸能人が注目を浴びる
為のアイテムとして服を着せたチワワではなく、"人間"で有りなが
らも、現実的には人間扱いされていない養子が、芸能人のツール
として利用されてしまう点だ。

金持ちならば養子に関しても例外的に優遇されるとする点では、
前回の医療システムでの指摘に似ている部分があるけど、
本当に親になる覚悟もないのに容易にペット感覚で引き取る
辺りの問題があるんだろうね。

刑事ドラマ編では、ソフィアを付け狙っていたクーパー弁護士は
何故そこまでソフィア一人に固執していたのか気になる。
父・モガエの従兄弟のレペチェが依頼人だっただけというところなの
かも知れないけど、容疑の目を向けさせようとする意図が有ったのか、
存在感が大きかったし、父親であるモガエ自身もなんだかんだ言って
子供を手放すサインをしていることを考えると、滞在期間はどうで
あれ、ちょっぴり安易に子供を手放している割りには連れ戻そうと
してアメリカにまで不法な手引きで滞在しているところなど、
違和感は存在した。

裁判に於いても癖のある展開だった。
三人の親(実父、養母、ベビーシッター)の言い分がそれぞれ違って
いるという辺りは凄く単純そうで複雑なものが有った。
子供のDNA鑑定に関して、家庭裁判所法第532条を持ち出して、
子供のDNA鑑定をする権利を唱えたかに思えば、ファーマー弁護士
は実の親子だということを確認する為に求められた法律で、親子で
ないことを確認する為の法ではなく拒否出来た判例があるとする
指摘をしていた。ただ上述した二つの主張は全く正反対のように
見えて実際には同じようなものだけどね。

凄い所はいざ子育てしようとしたら失敗し、死なせてしまった
為に別の子供を用意して体裁を整えようとしている点だ。
その証明の仕方も容易ではなく、どの場面に於いても金に纏わる
ものが有ったり名声の問題が有ったりして、最後までどちらが
犯人なのか分からない作りは見事だった。

皮肉さが富んでいるのは、子供はアメリカの貧しい地域で育った
が為に栄養失調だったけど、母親は役作りの為に痩せる必要が
有るという展開だったこと。リメイク版「黒水仙」のクローダー
役候補になったので役作りだとしていたけど、子供が口にして
しまう薬が、必要な抗マラリア剤のメフロキンではなく、食欲抑
制剤だったという辺りがまた凄かった。

ドラマ終盤の紫のセーターを着たルビローサタイムが有り、
彼女は過去に8人のシッターを経験したとして、子育てのルール
と称してマッコイが「子供は目を離してはいけないこと。床に
落ちているものをすぐに口にする」ということ。
それに加えてアリバイ工作として利用したことが結果として
殺害を証明してしまうところなど面白く出来ていた話だった。



エド・グリーン (Jesse L. Martin) NY市警
ニーナ・キャサディ (Milena Govich) 27分署に着任
アニタ・ヴァン・ビューレン (S. Epatha Merkerson) NY市警・警部補
ジャック・マッコイ (Sam Waterston) 地方検事補
コニー・ルビローサ (Alana De La Garza) 地方検事補
アーサー・ブランチ (Fred Dalton Thompson) 地方検事
--- (Steven Zirnkilton) Narrator (voice) (archive footage)

メアリー・カルヴィン (Anna Chlumsky) ベビーシッター
ラションダ・ハリス (Aliya Campbell) 麻薬密輸で逮捕
ファーマー (Billy Burke) ソフィアの弁護士
ソフィア・アーチャー (Jennifer Beals) 女優、売名行為?で養子
エフラム・モガエ (Kola Ogundiran) クリストファーの父親
マーロン・クーパー (Brian Avers) 自称・人権弁護士、ソフィアに固執
ドウェイン・マクレディ (Tim Barker) ソフィアのアパートのドアマン
フェスタス・レペチェ (John Livingstone Rolle) モガエの従兄弟
ルイーズ・アインホーン (Carmen Roman) 判事
ショーン・アーチャー (Josh Casaubon) ソフィアの夫、殺される
ジョン・ブロディ (Aaron Lohr) ダーラの夫、脚本家、ショーンに・・
マルタ・スタング (Jenny Sheffer Stevens) 国債子供人権連盟
ローレンス・ストラスニック (David Dollase) 判事・高位、申し立て
トーニャ (Lily Corvo) アイスクリーム店
アガサ・アーチャー (Sophie Nyweide) ソフィアの実子
ペトレスコ (Jakob Von Eichel) クーパーのアパートの管理人
リズ・プラサー (Diana Henry)
ベニテス (Karim Sioud) 捜査官
--- (Daniel Morgan Shelley) ESU Officer
--- (Jeannette Gould) Juror
--- (Vincent Petrosini) Reporter
デービス (Aaron Stephens) 弁護士
マックス (Ron Vitalia)


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