LAW & ORDER
(LAW & ORDER) シーズン17





April 27, 2007
第19話 異国の毒 Fallout

監督/Constantine Makris 脚本/Sonny Postiglione
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消防局救急救命士(FDNY EMT)は通報を受けてロストフ家へと
やってくる。胃腸炎で嘔吐したらしいとのこと。
息子のジョーイは早くパパを助けてと告げる中、救命士は
患者のピーターを見ると、胃腸炎ではないと語る。
すぐに病院に運ぶが亡くなってしまう。臓器不全で亡くなった
というもの。炭疽菌、エボラなどのウィルスは検出されなかっ
たので毒殺の可能性が高いという。現在血液を疾病対策センター
に送ったという医師のカプラン脱水と肝壊死が起きている
状況なので、そんな症状は見た事が無いという。
そんな中、ウィルソン捜査官と共にハズマットの職員たちが
防護服でやってくる。エドとニーナはどういうことなのかを
ウィルソンに尋ねると、ピーターの死因はリシン中毒だという
ことだった。リシンならば容易に手に入るものではないかと
するニーナに対して、これは兵器級のレベルに生成されている
ものだという。致死量の4倍だとのことだった。

FBIは背後関係を調べており、合同テロ対策班も協力するという。
ニーナは一人の被害者に対してテロの可能性は大げさではないか
とするが、過去にはイスラム過激派がリシンで実験をしたこと
があるという。被害者はロシアから移住し永住許可を持っている
アメリカ人で、彼の会社はロシア・モスクワでも商売している
のだという。マフィアなのか?と問うが、組織犯罪課が彼を
マークしている形跡は無いとのことだった。

検死官によると、毒物摂取は死亡の12時間から15時間前・・・
金曜日の夜だろうとのこと。通話記録を調べているというニーナ。
自宅には危険物は何も無かった。
ピーターの妻のレネから話を聞くが、当日は夫は出張から帰宅
し、自分は帰宅時には寝ていたのでよく分からないという。
2時半頃気分が悪いとして起こされたのだという。
夫の仕事の取引先相手の中で軍需企業や化学薬品会社の取引は
ないか?と問うが、夫の仕事に関しては何も知らないのだという。
毎月一週間は出張していた事を告げ、ピーターはロシアは安全
ではないので同行したことはないという。

2月27日(月)、ロストフ・コンサルタンツinc.
秘書の女性に話を聞くと、ピーターは空港から会社に直接来た
事を告げ、すぐにメールチェックをしていたという。何時頃
会社に戻ってきたのかと問うと朝9時の便で帰国ししたのだという。
妻は深夜便で帰ったと言っていた事を告げる。機内で女性と
知り合っていた様だと告げ、アンナ・サカロフという人の搭乗券
が目に入ったという。空港に迎えに行ったのはアレックス
いう運転手だという。

アレックスから話を聞く。仕事上のトラブルについて尋ねると、
ロシア語の「商売敵」は「死人」と同じ意味だと言われる。

秘書によるとアレックスは二週間前から銃を携帯するようになっ
ていたという。アレックスに確認するとピーターの命令で携帯
していたのだという。女性を車に乗せたのかと問うと、
英語がかたことのロシア人を乗せていたという。ソーホーに
住むピーターの弟・カールの家に送って別れたという。

2月27日(月)、カール・ロストフの家

2月28日(火)、ウエストサイド不動産
2月28日(火)、技術捜査協力班(TARU)
3月8日(水)、ロシア総領事館
3月10日(金)、罪状認否
4月19日(月)、NGO女性センター
4月20日(火)、ライカーズ島の拘置所
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ロシア系アメリカ人のロストフ家の父・ピーターが突然腹痛を
訴えて病院に運ばれ死亡する。検査の結果、なんと兵器級
に生成されたリシンによる中毒死だと分かり、過去にイスラム
過激派組織が同様の実験を行ったことが有るので、テロによる
犯行を警戒するが・・・

冒頭での幸せ家族構成のロストフ家の事情を見ると、その幸せ
が同じ国の女性たちの犠牲の下で成り立っているという意味で
は実に腹立たしいものがある事件だった。
助けてという少年の言葉は寧ろ、ロシアから連れてこられる
少女たちの叫びと対比されるものがあるというところか。

ロストフとニコライはかつては仲間だったのにどうして食い物にする
んだろうね。

ロシアの犯罪事情と外交問題、そして汚職・恐喝される警察機構
と言った未だに残る冷戦時代のロシアの問題がくすぶっている
ことが伺える。
ドラマなどを見ていると東欧系の人たちが被害者となる案件に於
いて、警察組織を信用していないのでアメリカの警察を避ける
とする事情も多いし、このドラマに於いても同様のものが有った。

ロシアとの外交問題が絡むだけでなく、今回の案件に於いては
ロシアの国家に尽くした人物(ニコライ)が殺人の容疑者だったと
いうことも有るので容易に取引が成立するハズもないなと感じたけど、
皮肉だけど、マッコイが語る様に、アメリカの司法制度は
優秀な弁護士が付けば釈放されるとしたように、寧ろ警察組織を
恐喝したピーターとカールなどロストフ家の検挙の方を優先した
ようだ。
例え犯罪人引き渡し条約が締結していなくても利害が一致すれ
ばロシア外交官も取引はしてくれるのね。

ルビローサの登場が今回は意外と早かった。
カールとピーターが違法ビジネスに於いて見解の相違から
殺害したのではないかと疑う際には「カインとアベル」の例を
引き合いに出していた。

ノヴィンキと呼ばれるロシアンスラングっぽい言葉が飛び出した
けど、冒頭でエドがロシア語を話していたので、喋ることが
出来るのかと思いきや、単にナンパする時の言葉だけは知っている
様だ。

事件番号は98382 ニコラス・ブレジン 第二級殺人だった。
問題の争点は、ニコラスが殺害に及んだ際に娘の死を知っていた
のかどうかということだった。殺害する意図があるかどうか、
計画性が有ったかどうかで量刑には雲泥の差が出てしまうものが
有るので、これを証明するのは難しいかなと思わせたし、
ニコラスの取った行動はある意味では父親として間違いない行動
で、これで罪に問うのはかなり酷な話だなと思って見ていた。

プロビディーニャ・・・神の摂理だとする主張に同意したくなる
ものがあったけど、実際には裏が有ったというのは、このドラマ
らしい反転の仕方だった。
当時二人の娘のウチ、どちらか一方を人質として差し出さねばなら
なかった事情が有り、そこでナディアを差し出していた事情がある
ところなど、最後まで気が抜けない。
ただそれでも娘本人としたら憤り感が有るのかも知れないけど
端から見ると、仕方が無い措置だったと見えなくもない。

起訴に持つ込む際のアーサーの主張がまた彼の小ささを物語る。
「私が無罪の可能性を指摘してたことを忘れるな」と。
完全に責任の転嫁だな。

そして忘れてはならないマッコイ家の事情。
シーズン17の冒頭から、マッコイ家の娘との間で何らかの問題が
あるということは何度か指摘されてきたことなので、どんな
事情が有るのかなと思っていたけど、今回初めてにして最後の
登場になる娘・レベッカの姿が有った。
ジャックの作り笑いのような笑顔。今回の事件の被疑者の親子関係
と形は違えど、娘を見捨てて仕事を優先してきたとする家庭内の
事情が存在するのかな。
ジャックの娘にしてはかなりの美人さんだったぞ。


エド・グリーン (Jesse L. Martin) NY市警
ニーナ・キャサディ (Milena Govich) 27分署に着任
アニータ・ヴァン・ビューレン (S. Epatha Merkerson) NY市警・警部補
ジャック・マッコイ (Sam Waterston) 地方検事補
コニー・ルビノーサ (Alana De La Garza) 地方検事補
アーサー・ブランチ (Fred Dalton Thompson) 地方検事
--- (Steven Zirnkilton) Narrator (voice) (archive footage)
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視官

ニコラス・ブレジン (Mark Ivanir) 元KGB、現ロシア警察
ナディア・ブレジン (Margarita Malayeva) ニコラスの娘、長女
アンドレイ・カルポビッチ (Daniel Oreskes) ロシア領事館
ダンバース (Eisa Davis) 弁護士
カール・ロストフ (Michael Aronov) ピーターの弟、イベント企画
レネ・ロストフ (Sayra Player) ピーターの妻
ジョーイ・ロストフ (Raum-Aron) ピーターの息子
ピーター・ロストフ (Michael Kaplan) 売春、リシンで殺される
アレックス・チャンバース (Rene Ifrah) ピーターの運転手
ヴァレリ (Jane O'Hara) 売春を強要
マーク・ウィルソン (Matt Pepper) 捜査官
スタンリー・ウェバー (Dylan Chalfy)
チャールズ・シーハン (Matthew Conlon) Under Secretary of Staff
Dr.ボブ・カプラン (Jim Yorio) 冒頭でピーターを治療した医師
トリシャ・サマーズ (Faryn Einhorn)
メリッサ・ビッドル (Gabra Zackman) ウエストサイド不動産
ベックウェイ (Jared Miller) TARU Tech
ゴードン・ホフマン (Al DeChristo) 判事
レベッカ・マッコイ (Jamie Schofield) ジャックの娘
フィスク (Sean Kenin)
アンナ・サカロフ (Jennifer Missoni) ピーターと共にアメリカへ
サマンサ (Rachel Fowler) EMT
アルトゥーロ (Chris LaPanta) EMT
ジャックソン (Shaun Kevlin) Sgt
--- (Billie Jean King) Judge
--- (Oksana Lada) Woman
--- (David Ross) Security Guard
--- (Lawrence Winslow) Hazmat Tech
--- (Clark Carmichael) Arraignment Court Clerk
マックス (Ron Vitalia)
--- (Quinton Aaron) Bouncer


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