LAW & ORDER
(LAW & ORDER) シーズン18





May 7, 2008
第16話 ルビローサの挑戦 Strike

監督/Marisol Torres 脚本/William N. Fordes、David Slack
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裁判所の前で人がプラカードを持って集まっていた。
"法律扶助協会・スト継続中"。2週間も続いているもので、
フランクは妻のライラに送られてくる。フランクも弁護士助手
をしておりデモの参加を扇動する一人だった。仲間の中には
ストなんてホントして殺したくなるというものも居た。弁護士
の女性は例え弁護士が必要になっても私もスト中だと語る。
そんな中、一人の男性が、フランクに対して上層部連中は
裏門からオフィスに入って居るので裏口を守り固めて欲しいと
言われる。そんな中裏口にいたフランクは車のひき逃げ事故に
有って死亡する。

ピケを貼っていた際に車に轢かれたという。
被害者はフランク・ドレズナー・弁護士助手で、関係者の話だ
と一人で裏門を守っていたという。ストに反感を持っていた人
はいるかと尋ねると、黒のBMWの男が通る度に侮辱していたとし
携帯電話でその写真を撮ったという。現場にはタイヤ痕も残って
いた。裏口にも防犯カメラが設置されていたが、ストの連中が
破壊していた事が分かる。
その光景を見たルーポはストは嫌いだとして、仕事をしている
方が安全だと皮肉る。

防犯カメラ映像を見ると、車の持ち主と確かに口論している
姿が有った。しかしカメラを壊していたのは被害者本人だった。

1月29日(火)・裁判所駐車場
フランクと争っていた弁護士から話を聞きに行く。
こっちは毎日マジメに働いているのだという男性。ケビンは
彼の車のタイヤが新品になっていることに気が付き尋ねると、
昨日裁判所の前で釘を踏んだのだという。ストのやつらがばらま
いていたもので、トランクの中にそのタイヤは残っているという。
ルーポたちは車を押収して調べるとのこと。

ロジャース検死官によると、被害者がBMWに轢かれたとすれば、
ボンネットを超えてフロントガラスに突っ込んでいるハズだと
いう。もっと大きな車で、SUVか小型トラックだろうという。
傷口からは潤滑油と砂が付着しているとのことだった。

ケビンの元に電話が鳴る。フランクの妻・ライラからのものだった。
ライラに逢って話を聞くと、彼はストにのめり込んでいた事を
告げ、本来夫はストなんかしたくはなかったのだという。でも市の
医療費の補助や生活費調整で削減しようとしていたのだという。
体調を悪化させていたので必要に迫られていたとのことだった。
しかしこの日は体調が良いとして写真を送ってきたとのこと。
一人でピケラインを守っている画像だった。
現場のタイヤ痕からはブレーキを踏んだ形跡はなく、傷口に付着
していた砂は珪砂だという。ケビンによると、ゴルフ場のもの
ではないかとすると、ルーポは落とし穴に落ちたときに入って居る
場所だろうと語る。あれはバンカーというのだと語ると、コースで
作業するトラックなのかもしれない事を告げ、防犯カメラ
映像からそれを見つけ出して欲しいと言われる。

1月30日(水)・コンピュータ犯罪捜査班
二人は被害が有った3日前からの防犯の映像を見てトラックがない
かを調べると、白いトラックを発見。そこにはサフォークカウンティ
パークスゴルフのトラックと書かれていた。

すぐにゴルフ場にいきオーナーから事情を聞く。
するとグラウンドキーパーが社用トラックを乗って帰ることも有る
のかとルーポは尋ねる。翌朝の仕事によってはそれも有りだろう
とのこと。ケビンはルーポにグラウンドキーパーではなくグリーン
キーパーと言うのだと語ると、「ありがとうタイガーウッズ」と
ケビンに語る。
ケビンは近くにいた従業員の中に知っている顔が有ったので
雑談するついでに色々と探ろうとする。

署に戻ると、ケビンはアソコにいたのは、テッド・サンダーソン
妻殺しで9年服役していた人物で、DNA検査の結果によって昨年
彼の嫌疑が晴れて釈放されたというもの。妻は頭を殴打され
殺されていたとし、本人は帰宅後に発見したと主張していたのだ
という。爪の間に有ったDNAは夫のものとは一致しなかった。
テッドが裁かれたのは、今回の事件が有った裁判所だとし、ドレズ
ナーは当時の裁判に関わっているのかと問う。

1月30日(水)・テッド・サンダーソン宅
テッドの元に行くとトラックを調べさせて欲しいと告げる。
ボンネットの傷について尋ねると、元々傷ついていたものだという。
スチーム洗浄をしていた形跡が有る事を指摘すると、社長から
清潔にするよう言われているのだという。出所後に一番気に入って
いる仕事なのでクビにはなりたくないのだという。一昨日の8時半
は何処に居たかと問うと通勤中だという。しかしその日君は9時
45分に出勤しており遅刻していることを指摘する。ダウンタウン
に行ったのではないかとするが、裁判所には近づきたくはないと
いう。しかしケビンはタイヤに釘が刺さっている事を告げ、トラッド
タイヤ故に埋まってパンクにはなっていないが、これは裁判所前で
ストのものたちが当日まいたものだという。テッドは記憶が
混乱していた事を告げ、確かにダウンタウンには行ったが、単に
道に迷っただけだと語る。署に来て詳しく話して欲しいとして
任意で同行を求める。ルーポはケビンに釘を外すのはよくない
とするが、これはBMWに付いていた釘で、トラックのタイヤには
刺さっていなかったという。簡易嘘発見器だと語る。

1月31日(木)・スーザン・バルデラ判事の執務室
1月31日(木)・ドレズナー宅
2月4日(月)・ライカーズ島の拘置所
2月5日(火)・ファースト合同銀行
4月9日(水)・高位裁判所
4月10日(金)・ノーマン・バークリー判事の執務室
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法律扶助協会のストに参加していた男性・フランクが弁護士
が出勤するのを阻止する為に裏口で警備していたところ、
何者かによって車でひき殺される。現場にはタイヤ痕が有り
最近黒のBMWの男から通る度に侮辱されていたとすることから
容疑者かと思われた。防犯カメラは数日前ストが始まった
3日前頃に破壊されていることが分かる。
被害者のギズ口から、大型の車で轢かれていること。そして
珪砂の痕から、ゴルフ場に出入りする車ではないかとして、
最近の防犯カメラ映像から確認していく。そこでテッド・サン
ダーソンという男性が、ゴルフ場に勤務しており、妻殺し
の容疑で9年服役していたが、最近冤罪事件だったとして、釈放
されている人物がいる事が分かる。

犯人を追い詰める検察側の人間が法律扶助協会のストによって
弁護士が不足している為に、ウォレン判事がルビローサに対して
形式的なもので良いので弁護側として罪状認否の立ち会いだけを行って
欲しいといわれたことが、悪夢の始まりだったというエピソード。
カッターと共にこの件の事件を担当しているので不適任ではないと
するが・・・

「私はラブ・リーガル」でもS3-6「検事ジェーン・ビンガム」
弁護士として在籍しつつ検察側検事として活躍する姿が有った。
「グッド・ワイフ」「続ハリーズロー 裏通り法律事務所」
ではそれぞれケイリー弁護士が弁護士を辞めて州検事局を行ったり
来たりしたり、後者ではキャシー・レイノルズが元検事として
弁護士としてやってくる姿が有った。
検事よりも弁護士の方が金が儲かるので引き抜きに合うという
パターンは多いけど、現役の検事補が弁護側に回るということで
同僚のカッターと夢の対決になるというところが興味深いエピソー
ドだった。
法曹界に於いては、医療界と同様にインターン時代はどちらの
分野に進むのかは気分次第で科間を行き来できたりするのだろうか。
まぁ検事になるには、それなりの期間インターンとして働く
べき必要があるということは、「私はラブ・リーガル」でも
語られている姿が有ったけど、判事の一言によってルビローサ
としては大変な事態に有った格好だった。

「刑事法体系には等しく重要な二つの独立した組織がある。
犯罪を捜査する警察、そして容疑者を起訴する検察。これは彼らの
物語だ。」

そんな刑事が証拠集めに躍起になり、起訴に持ち込むまでを
担当する訳だけど、法を少しでも逸脱した方法で容疑者を捕まえ
ると途端にそのネタが起訴した検察側には負担あるものとして
証拠排除の申し立てに繋がるところがこのドラマのパターンだ。

今回のケビンは現場に容疑者がいたであろうことをデッチ上げる
為にほんの些細なウソを使って突破口を開いて、視聴者的には
上手い作戦だと思わせるけど、「LAW&ORDER」を一シーズン
見続ければ、確実にそれはシナリオ上のトラップとして存在して
いくことは明らか。これまではルーポがその役割りを担うこと
が多かったけど、ちょっぴり重箱の隅を突きすぎては居ないか
という感じもする。

シーズン18はとかくテーマは「犬」と「宗教」かって感じで、
至る所、そのキーワードが散りばめられていることが多いな。
エドと交代してやってきたバーナードは名前からして、あだ名が
犬だとされていたし、ルーポは虐待されていた犬を飼うことに
なったし、かつて犬が殺害された際には、人権よりも犬の方が
大きいのではないかとするエピソード(S18-12)も有った。今回は
犬を轢いたことがアリバイとして利用されようとしていたところ
が有り、容疑者の男性もしおらしいことを言って、人の命よりも
犬の命を殺したことに罪悪感を唱えているのではないかと思わせる
ところも有った。

死体の犬を一人で探しに行くルビローサのたくましさ。
彼女を敵にしたくはないというカッターと、私の弟子だから当然
だとしたり顔のマッコイのやりとりは久しぶりにルビローサの能力
を示すところに繋がって居る。

そんな証拠のねつ造で自供を引き出したことで、ルピローサは
ケビンに対して「道義心を疑う!」として証拠の排除を求めた。

逆に現場近くにある銀行の防犯カメラを証拠として採用する
際、ルピローサは検察官のバッヂをちらつかせて証拠を受け取る
など、「倍返しだ」とばかりにカッターから「道義心を疑う!」
としてやられてしまうところは切ないけど、上手いやりとり
に繋がってしまった。

ルビローサが有利になれば、検事局の仲間たちからは、
「悪人の為に働くなんて・・」と思わず陰口をたたかれたりも
したけど、「ルビローサは倫理規範を外れぬよう自らを律し、
依頼人の為に可能な限り力を尽くしているのだ」とするマッコイ
のフォローの言葉がまた暖かいものとして写った。

ルビローサは警察側のウィークポイントがケビンにあると踏んで
集中砲火を浴びせていた。
ケビンって内務調査部で働いていた人なので、もう少し肝の据わった
人物に思えるけど、法廷に於いては場慣れしていないらしい。
画像解析に使った際には、望遠レンズを使った証拠であり、
人の目には見えないものだとして証拠の排除を求める姿が有った。

しかし口は災いの元。証拠の排除が決まれば勝てると思った際
に容疑者が口にしたベリーズ沖ターネフ島の珊瑚礁のことを
口にしたことから、検索してみると、そこで容疑者と被害者の
接点が発見された。弁護士としての守秘義務・秘匿特権によって
守られるべき問題として直面したルビローサがマッコイに相談
した際には「法に従え!」という結論をもって、今回のドラマ全体
に及ぼす正義の指針というものを改めて訴えかけたものが
有ったのだろう。

最後にルビローサはバーナードにビールを奢ると言っていたけど、
仲直り出来るんでしょうかね。


ケビン・バーナード (Anthony Anderson) 27分署NY市警
アニータ・ヴァン・ビューレン (S. Epatha Merkerson) NY市警・警部補
ジャック・マッコイ (Sam Waterston) 地方検事
コニー・ルビローサ (Alana De La Garza) 地方検事補
--- (Steven Zirnkilton) Narrator (voice) (archive footage)
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視医
マイケル・カッター (Linus Roache) 地方検事補
サイラス・ルーポ (Jeremy Sisto) 捜査官

ジョー・コーマック (Joe Forbrich) 捜査官

テッド・サンダーソン (Brad William Henke) 9年前の妻殺し冤罪
ノーマン・バークレイ (Wayne Duvall) 判事
フランク・ドレスナー (Justin Hagan) 弁護士助手
スーザン・バルデラ (Leslie Ayvazian) 判事
ハーバート・ウォレン (Jeff Talbott) 判事
ライラ・ドレスナー (Kelly Demaret) フランクの妻
マイク・ドルシー (Michael Medeiros)
ジム・マシューズ (Happy Anderson)
--- (Shawn Andrew) Courthouse Guard
ゲイブ (Adam Dannheisser)
エレン (Sarah Ireland)
コールドウェル (Andrew Polk) Bank Manager ファースト合同銀行
--- (Elizabeth Rich) Woman in Gallery
--- (Mark Gerrard) Court Clerk
--- (Karen Walsh) Young Female A.D.A.
--- (Darien Sills-Evans) Young Male A.D.A.
ドン・ナルドッチ (Bruce-Robert Serafin)
--- (Timothy J. Cox) Legal Aid Protester
--- (Anne Lockhart) Policewoman
--- (Hector Rodriguez Jr.) Assistant D.A.
--- (Julia Zgoda) Assistant



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