LAW&ORDER:クリミナル・インテント (aka.LAW & ORDER:犯罪心理捜査班) シーズン2 Law & Order: Criminal Intent

May 11, 2003
第21話 一族と名誉のために Graansha

脚本／Rene Balcer、Joe Gannon
監督／Darnell Martin
--------------------------------------------------------
アン・ローソンはマルコム・ブライスを一族の集まりの場に
連れて行きアンは彼を兄のカイル・デブリンに紹介する。
マルコムは高校の新任教師だとすると、あなたはプロテスタント
なのかと問われる。しかし無神論者である事を告げるマルコム。
彼は地理と歴史を教えているのだという。アンは姪のフィオナ
がドレスで着飾っているのを見るとかわいさのあまり感動する。
マルコムはデブリン家のこと観察していた。アンに対して
色々と質問する。エイデンはパティとメアリーの息子だろうと
問うと、エイデンは幼い頃馬に蹴られて睾丸を失ってしまう
未婚なのだという。

アン・ローソンはニュージャージー州のウエストバーナー警察
署のウォレック刑事に呼び出されて向かう。そこにはレーン
が娘・フィオナと共に逮捕され、アンが身元引き受け人として
会いに行ったのである。アンはレーンに対して、フィオナを
巻き込まないようつげ、初犯だから許されたのであり、こんな
事は良くないと告げる。しかしレーンはアンに対して、私の
心配よりも自分の心配をした方が良いとし、あんたの事は
兄にバレている事を告げる。
それを聞いたアンはマルコムとカフェで会うと、この件から
手を引くことを告げる。失望させてごめんと告げる。
そんなアンは、駐車場で車にひき殺されて亡くなって発見される
のだった。

エイムズとゴーレンは現場にいく。
被害者はアン・ローソン。マンハッタンの児童保護観察官
で、遺体は車で三度は轢かれているものだという。
アンが車に乗ろうとしたところで轢かれており、恐らくその
相手は知人なので逃げなかったのだろうという。ゴーレンは遺体
の手のにおいをかぐと、トウガラシとブルーチーズのにおいが
する事に気がつく。エイムズはバッファローウィングを食べた
のか?と問うと、左手からにおいがするので恐らく親しい人物
だろうという。
近くのレストランの女性店員から話を聞くと、年上の男性と
一緒に来て男性がバッファローウィングを食べていたという。
女性はコートも脱がずに彼女は来てから30分もしないウチに
店から出て行ったという。彼もその数分後に出て行ったが
また戻ってきて、突然駅への道を尋ねていったという。
車が盗まれたのかもしれない事を告げ、盗難届を出している
か調べようと告げる。

4月5日(金)・ブライスの事務所、ヨーク大学
ゴーレンたちはマルコムに会いに行く。車はレストランの向かい
に留めていたが盗まれた事を告げる。ゴーレンはデスクにある
家族写真わ目を通すと息子のポールだという。妻のジャネット
とは離婚したのだとつげる。レストランでアンと会っていたの
ではないかと尋ね彼女が駐車場で殺害された事を語る。
どこで出会ったのかと問うと、未成年者の非行に関する会議で
出会ったのだという。マルコムは人類学と社会学の博士号を
取っていて、室内には南アメリカのヤノマモ族を調べた
ものやジューク一族の書籍など、彼が執筆した作品があった。
どれもベストセラーになっている事が分かる。

ゴーレンたちはディーキンスに事件の概要を説明に行くが、
女性に振られてひき殺して車を捨てて盗難届を出したというには
ちょっと不自然ではないのか?と問う。
エイムズはアンが児童保護観察官として担当していたのは43件
有るが、違反者は一人として居ない事を告げる。自動車局による
と三ヶ月前にブライスの車で事故を起こしている事が分かる
が、運転手は息子のポールだった。ポールは過去逮捕された
経歴が有り非行少年である事が分かる。
そんな中、ディーキンスの元にブライスの車が発見されたとの
連絡が入る。アンは以前ポールの保護観察官であり、6週間前に
別の担当者に替わっている事を知る。理由は書かれては居ない
との事だった。

ゴーレンたちは発見された車を調べに行くが、わざと盗難され
たように細工されているのが分かる。明らかに素人の仕業だ
とし、盗難届を出して車を洗って盗難に見せかけたのだろう
という。しかしマルコムの身長は2m弱という高身長に対して
座席は155cm程度に設置してある事が分かる。

4月8日(月)・ジャルット・ブライスの自宅
4月9日(火)・マルコムのアパート
4月11日(木)・ウエストバーナー警察署・ニュージャージー州ホボケン
4月12日(金)・レーンの自宅、ニューヨーク、ロックランドカントリー
4月15日(月)・カイルの自宅
4月17日(水)・テッドの写真館
4月19日(金)・児童保護局
4月21日(日)・カイルの自宅
--------------------------------------------------------


児童保護観察官の女性アンがレストラン駐車場が殺害される。
車で三度ひき殺されていることから、相当な恨みがあることが
想像され、アンと関係していたとする長身で人類学の大学教授
マルコム・ブライスの名前が浮上する。彼が事件当日現場
近くで食事をしていることや、車が都合良く盗難されている
という事から、マルコムの周囲で起きてる殺害動機を探って
いくと、息子のポールが過去に保護観察官のアンの世話になって
居ることが分かる。保護観察官に恋する男児は多く、父親が
アンと付き合っていた事から、恋愛感情のもつれを疑っていく
が・・・

アン自身が何らかの犯罪の橋渡しをしているのかと思わせるよう
な冒頭のやりとりが有り、マルコムが限りなくクロに近い事件
かと思われた。

教授の研究によると、デブリン一族が遊牧民のようにして移動
している暮らしていること。漂泊者と呼ばれる部族のようにして
暮らしている人物でシェルダという独自の言語を使ってコミュニ
ケーションを図り独特の価値観で生活している人物が居ることが分かる。

民族の結束・絆というのは相当なもので、それをどう崩していく
のかが今回のゴーレンに課せられたようなもので、事件の大体
の概要自体は教授が解き明かしていた感じ。絆を裏切ったものは
逆に刃となって向かってきてしまうというのがちょっぴり
皮肉でもある。

また教授も自分の研究の為にアンを死なせてしまったことを見る
と大変なことをしてしまった感じがするし、他の部族に関する
調査をするがあまり、自分の家庭が壊れてしまっているあたりは
これまた皮肉としか言いようがない。

教授の息子・ポールもまた限りなく怪しかったけど、あの教授
が2m近い身長に対して息子が156cmくらいしかないというのは
ちょっぴり違和感がある。車の座席の座高が容疑者を特定して
いく一つのヒントにもなったけど、車盗難の偽装をしていることを
考えれば座席なんかもいじっていてもおかしくはないのでは
ないのかという感じもする。

元々はこの一族はアイルランドからの移民なのかな。
全米各地で屋根の修理と称して詐欺を働いては移動している一群
だけど、定住地もまた持っているようで、インディアナ州に
一族の住宅地が並んでいたよね。

今回ゴーレンが行ったのは犯罪のロジックを解いたというよりも
如何に一族の結束が一族を守るという事とは無縁のところで
動いていて、族長のエゴを説いた感じで、アン一人がまともに家族
を守ろうとしていたことを上手く説得していった。

相変わらずこのドラマ、上司と検事局は要らないよなぁ。