LAW & ORDER : 性犯罪特捜班 (Law & Order: Special Victims Unit) シーズン2 http://www.nbc.com/law-and-order-special-victims-unit/

Mar. 2, 2001
第16話 居場所を失った子供たち Runaway

脚本／David J. Burke、Nick Kendrick
監督／Richard Dobbs
--------------------------------------------------------
麻薬課・巡査部長フランク・フォスターは、ネットマガジンの
配信会社のティトの会社に押し入り、家出した娘のジルのことを
聞く為に銃で脅して監禁していたことを受けて、クレイゲンは
同僚のフランクを捕まえに行く。フランクは娘のジルが家出し
ている為に、ティトがネット配信でジルの様子を撮影していた
為に居場所を知っていると考えていたのである。ティトは家出
する子供たちを取材していただけであり、たまたまそこに
ジルがいたというだけだった。しかしティトはインタビューを
通して、父親がジルのことを虐待しているので家出したのだと
告げる。父親は家庭でも警察官を演じているのだという証言を
ジル本人がカメラの前で話しているのが撮影されていた。
家出の原因は父親であるとティトは語る。

ティトはジル捜索に協力を申し出る。
一緒にインタビュー時に写っていたのは、レイヴというパーテ
ィーを主催するランス・カニックという男性だった。土曜日に
レイヴがある事を語っていて、撮影したのは工場地跡だという。
フランクは友人であるクレイゲンに、失踪者捜索班にはこの件
を任せないで欲しいと頼む。

クレイゲンはフランスを逮捕した際に、不正な捜査・規則違反
が有ったのではないかとして、内務調査部IABによって取り調べ
を受けていた。クレイゲンはたまたま交渉人の当番を任されて
いただけで、午後にネットマガジンの配給会社"INTER GOTHAM
ONLINE"社の方で人質事件が起きたので向かったのだという。
フランクが犯人だと知ったのは現場に到着した時だと語る。
フランクの事は30年前の警察学校時代から知っており、銃の
所持を認めたのも彼が発砲しないという事を確信していたから
だという。しかしIAB捜査官は、交渉の規則を逸脱していると
してクレイゲンに鋭く問い詰める。しかしフランクは娘・ジル
が家出して混乱しているだけだと語る。IABは友人の情で
規則を破るのであればこの捜査からは外れるべきだとするが、
それを否定する。
ジル・フォスター(14歳)は、家出人であり、性犯罪者の前科者
と一緒にいるのだとして、我々が扱うべき案件だと語る。
捜査としては風紀課から元部下のジェフリーズを招き、フィン
を覆面捜査として潜入させるという。通常の捜査手順ではない
事を指摘されるが、警察官の娘が巻き込まれているのだと語る。

クレイゲンはSVUの部下達に今回の捜査の事を話す。
ジルと一緒に居るであろうランス・カニックは、表向きレイヴ
の主催者だが、87年に売春クラブを経営し、ビジネスマン
相手に薬物と売春婦を扱っていたという。その際、売春婦の一人
を撲殺していて、本来は終身刑だが、証拠不十分で7年の刑期
になったのだという。レイヴはヤクの売人には天国のような
場所だというフィン。特にエクスタシーの販売が盛んとの事
だった。クレイゲンはフィンにレイブの関係者と接触させ、
ティトには協力を仰ぎ、ジェフリーズには調整役を頼むという。
ティトは黒人の刑事(ジェフリーズ)にし協力しないというが
説得すると、取材用カメラを使って色々と話を聞き出すことを
約束する。

10月24日(火)・ライカーズ刑務所
クレイゲンとフランスが接触。

10月24日(火)・スタントンアパート
カニックが私書箱に住所登録している事を知る。ケイマン諸島
に口座有り。

10月24日(火)・西19丁目385番地
少女の遺体が倉庫街に発見

10月25日(水)・テッド・ボルジャーの事務所
弁護士テッドからカニックの電話番号を聞き出す

10月25日(水)・ダンボ地区・FLFA MARKET
ジルの目撃情報。ローナ・フランクルの家に居るとのこと。

10月27日(金)・16分署
ローナを逮捕、キャボットが取引を持ちかけるが・・・
--------------------------------------------------------

娘のジルが家出し、更には性犯罪歴の男性と一緒に写っている
映像を見た麻薬課のベテラン刑事は、娘の身を案じるあまり
常軌を逸した捜査をしてしまう。30年来の友人だったクレイゲン
は、フランクに同情して捜査規則を破ってしまうと、たちまち
内務調査局のものたちが、クレイゲンの責任について聞き取り
調査を行ってくる。果たしてクレイゲンは責任を負わされて
しまうのか。

アメリカではよく有る現場の職員と内務部の対立という構図
だった。それだけアメリカでは、昔から警察が犯罪者に対して
人権を無視した捜査とも言えない過去が有るからなんだろう
けど、とにかく正直IABの存在がうざったらしいものが有る。

ただシーズン2に入ってから、責任問題に発展するケースが
結構終始SVU内でくすぶり続けていて、いつ処分されてもおかしく
ない状況が造成されていた感じはするね。

ジェフリーズだって、シーズン1のラストでそれに巻き込まれた
ようなものだったし、つい最近のエピソードではエリオット
の暴走が有ったので、SVUという部署が如何に危険と背合わせに
存在しているのかということなのだろう。

なんと言ってもジェフリーズが久しぶりの登場。
現在彼女は風紀課に所属しているようで、黒人の情報提供者と
SVUの仲介役を担っていた。ジェフリーズって雇用差別で
訴えていたし(s2-7話)、クレイゲンに対してもあまりいい顔を
見せていなかったけど、結局和解はしたのだろうか?
今回の登場がジェフリーズにとってはSVU最後のエピソード
という面でかなり寂しいものがある。

事件としては、常にIABの存在がつきまとっていた。
事件が起きると日本でも加害者の人権を守って被害者の気持ち
というものが置き去りにされるという訴えは至るところで
聞かれるけど、このドラマでも警察のキャリア、家族の崩壊、
そして娘の死に関しては、IABが何の誠意も見せずに淡々と
調査しているところがいやらしく写るモノが有ったね。

まさかIABの聞き取り調査がキャボットにまで及ぶとは思わな
かった。

複雑なのは犯罪者を逮捕した後に司法取引を行うのかどうか
で、検事局と警察SVUとの間で見解の違いが現れた点か。
キャボットは取引はしないとしていたけど、将来のことよりも
今ある命を助けたいとするSVUの主張が伝わってくる所が
大きかった。

フィンが力任せで被疑者からジルの事を聞き出したりしていた
けど、ジルもまたなんでこんな馬鹿なことしたのだろうね。

レイヴに潜入する際みんなの格好が面白かった。
フィンは一見すれば売人側の人間にも見えなくないし、
マンチの事をユダヤ人の相棒だと語っていたことで、マンチ
はちょっぴり不満だったみたいだけど、そんなに常軌を逸した
捜査には見えなかったぞ。

■メモ
・