ミディアム 霊能者アリソン・デュボア
Medium (シーズン2)





第9話 絵画に宿る魂 Still Life

脚本/David Folwell、Craig Sweeny 監督/Robert Duncan McNeill
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アリソンには芸術家としての才能はなかったが、絵を見ることで
絵を描いている対象者の事が分かるのだという。かつて有名な
画家のゴッホは二度恋に落ちるが、二度失恋し、その後精神病院
を行き来して36歳に自殺した経歴を持つ。生前には売れた絵は
わずか一点だったとのこと。

朝、相変わらずブリジットとアリエルが言い争う中、ジョーは
上司・アンドリューと会うために珍しく正装姿でネクタイを
着用していた。アリソンはその姿を見て、ジョーにナプキンを
させるが、ジョーは露骨に嫌がる。一本しかないネクタイが
コーヒーのシミになる可能性が有ることを告げ、ナプキンをす
べきだとするが、断った結果、案の定彼女が言うとおり、ジョー
はコーヒーの中にネクタイを浸してしまう。

洗面所で彼のネクタイを洗っていると、突然アリソンの前に
ジョーの父親が現れる。息子のことが心配だという父は、息子は
大人の判断が出来ないのだという。生前息子のしていることを
全て無関心で否定してきた父親が死んでから突然アドバイスを
するのかと問う。
そんな中スキャンロンから電話が鳴り、アリソンは現場に向かう
事になる。

現場は町の公園のトイレだった。
辺りは血だらけであり、推定3リットル程度の血が辺りに散乱
していた。この血液型が0型プラスである事と、夕べ男女が
言い争いのを聞いていた人が居るくらいでその他の証拠が見つ
からないという。アリソンは壁に
ジャックスギャルと書かれて
いるのを目にする。

ジョーは上司のアンドリューと食事をする。
そこでアンドリューは独立して起業することを考えており、是非
ジョーに共同経営者をして欲しいのだという。

ジョーはその件をアリソンに相談するためにダウンタウンに
彼女を呼び出す。融資の関係で三日以内に返事をして欲しいとの
事だが、嬉しい誘いだが、会社からの社会保障など安定した
基盤を失いかねないことに懸念を示す。
そんな中、アリソンの目に飛び込んできたのは、町のギャラリー
であり、そこではジャックスギャラリーとして、ジェイソン・
モロー
の作品が掲示されていた。アリソンは一枚の女性の後ろ
向きの絵画に目がとまる。とても美人の女性が寂しそうに書か
れているもの。しかしアリソン以外の人には、絵は後ろ姿で
表情など見えるはずもなかった。しかしその女性は強盗によって
襲われ、出刃包丁で背中から刺されて殺されてしまう幻視が
見える。

アリソンは帰宅して寝ていると子供の泣き声で目覚める。
気になって見に行こうとすると、そこにはジョーの父親の霊が
現れる。アリソンと話をするまでは絶対に消えないという霊。
決して息子の夢を邪魔しようとする意図はないとした上で、
今回の企業ではうまくいかないと語る。アリソンが余計なお世話
だとしてはねのけようとすると、せめて息子には
ベルサイユは
ガス欠寸前である
事を話して欲しいと頼む。

トイレに残れされていた血液はグロリア・ソト(34歳)のものだと
判明する。不安移民のメキシコ人で、過去にエルパソで売春を
している際に捕まった記録があるという。その顔写真を見ると
アリソンは夕べ見た女性である事を告げ、この女性の絵が、
ジェイソン・モローの絵の中に書かれているという。

スキャンロンと共にアリソンはジェイソンの画廊を尋ねる。
写真を見せるが彼はグロリアの事を知らないと語る。
しかし包装された絵の中からはグロリアをモデルにしたと思わ
れる絵が多数出てくるのだった。

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芸術のことは分からないアリソンだが、それでも絵を見るだけ
でその絵のモデルの背景が見えてきてしまう。
アリソンが見た絵は、悲劇的にもナイフで強盗によって殺害さ
れるもので、公園のトイレで大量の血痕が見つかった女性と
同一人物だと判明していく。

市長からの圧力がある中での事件と言うことで、検事の選択には
ある程度の勇気と決断が居る感じだったけど、検事の正義感や
信念は圧力によって揺らぐことはないし、アリソンという人物の
存在によって実に心強いものが有るね。

今回は完全にアリソンの能力頼みの展開が続く。
絵を見て幻視を見てそこから容疑者を絞っていく訳だから、
当然証拠が見つからない。
容疑者だと感じているジェイソンだが、父親のデービッドは
なくなった妻が資産家で2億5千万ドルも所持していること。
その関係なのか市長とも知り合いであり、息子のジェイソンの
早期釈放を求めてくるものが有った。

途中から容疑がジェイソンではなく父親側にあるなというものが
分かっていくけれど、皮肉なことに、ジェイソンがデービッド
の息子ではなく、彼によって殺害された息子・トマスであった
こと。

デービッドの妻と息子はエイズだった訳だけど、一体何処でそ
んな病気をうつされてしまったのだろうか。
冷静に考えれば、デービッドこそそんな病気を持っていそうだ
けどね。

アリソンが見た幻視はグロリア本人ではなく、その母親である
イネスだった。あまりに似すぎていてその区別は付かないわけ
だけど、ジェイソンが幼いときに潜在的に見た映像が、芸術家か
としての才能を引き出していたり、覚えているのかどうかも
分からない絵として浮かび上がってくる所など、芸術家も霊能者
も似たような所が有るのではないかと。

しかしあの靴の吊された絵は、この町の高校のフットボールクラブ
の電灯とは言えかなり不気味だね。

ジェイソン演じたKevin Alejandroは、海外ドラマ「True Blood」
でジーザス・ベラスケス役で出演。2011年度のゲイが選ぶセクシ
ーな男の43位に選ばれてしまった男優さんだ。
アグリー・ベティでもシーズン1でベティと関係を持つ
サントス役として登場する。
父・デービッド役のJohn Sheaは、色んな役で見かけるけど、
ゴシップ・ガールでのハロルド役とか、SFアクションドラマ
「ミュータントX」でアダム・ケイン役として、ミュータント
を生み出した研究者役で出演している。

アリソン・デュボア (Patricia Arquette) 能力者
ジョー・デュボア(Jake Weber)(アリソンの夫、数学者)
マニュエル・デヴァロス (Miguel Sandoval) 検事アリソン上司
アリエル・デュボア (Sofia Vassilieva)(アリソンの長女)
ブリジット・デュボア (Maria Lark)(アリソンの次女)
リー・スキャンロン (David Cubitt) 刑事アリソン同僚
リン・ディノヴィ (ティナ・ディジョセフ)(市長の連絡係)
マリー・デュボア (Madison Carabello) 娘
ソンドラ (Kendahl King) 検事局スタッフ

デービッド・モロー (John Shea) 父親、過去に逮捕歴有り、
ジェイソン・モロー (Kevin Alejandro) 息子。実はイネスの息子
アンドリュー (Harry Groener) ジョーのボス
--- (Bruce Gray) ジョーの父の霊
ヴィンセント・ファン・ゴッホ (Ed Baccari) 芸術家役
グロリア・ソト (Susan Santiago) イネス・アヴィラ
--- (Rod Serling) 本人の登場
--- (Mark Silverman) ロッドの声
--- (Ian Patrick Williams) Professor
--- (Arne Starr) 刑事

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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