名探偵モンク
Monk




 

Jul. 12, 2002
第2話 狙われた市長候補 Mr.MONK and the CANDIDATE: Part 2

脚本/Andy Breckman 監督/Dean Parisot
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アパートでニコール・バスケスが殺害された後、今度は市長候
補のワレンがビジネス街で演説をしていた際に、狙撃事件が

起こり、警備をしていたジェイソンが殺害される。
モンクはニコールの件で選挙事務所のジェイクに何か気がつい
た事が有れば知らせて欲しいと話していたが、彼から繋がり
が分かったとする電話が有った直後にジェイクは車ごと崖から
転落してしまう。
そんな折り、モンクのアシスタントをしていたシャローナが
カールとデートしている現場にモンクは現れ、彼は素性を誤魔
化していると告げた事で、シャローナは激怒し、モンクのアシ
スタントは辞めると言い出してしまう。


***
モンクは目覚めるといつもと全く同じ行動を取って外出する。

その頃、ランドールは警部のリーランドに対して、ジェイク
車から証拠品が見つかった事が報告される。
証拠品に関して、当時モンクが指摘していたもので、見逃して
いたことに警部はショックを受ける。無関係だと思われていた
自宅で刺殺されたニコールワレン候補
選挙事務所にボランティアとして2ヶ月間だけ働いていた実績
が有ったのである。警部はモンクの能力の高さを指摘し、
自分とは何が違うのかと落ち込む中で、ランドールはモンクに
出来ない事を警部は出来るとし、警察組織の人間としては、
モンクとは比べものにならない程優秀であることを告げる。
しかし警部はモンクが居なければ困るというのも事実である
事を告げる。

市長の助役のシェルドンはシャローナの元にいくと、モンクと
共にまた捜査に戻って欲しいと頼む。
サンフランシスコ市
してちゃんとお礼はするという彼に対して、シャローナはとり
あえず貸しということで、モンクを見つけて捜査に加わる事
を告げる。モンクはその頃、亡き妻、トゥルーディの墓の前で
彼女が好んでいた音楽を自ら奏でていた。妻が亡くなってから
4年。シャローナはモンクの元に近づくと、二つの事件(ニコー
ルの死と選挙候補者狙撃事件)にはやっぱり繋がりが有った事を
語る。ニコールはあの事務所でボランティアをしていたのだ
と告げる。しかしモンクは解決する自信はないとして、捜査に
加わるのを躊躇おうとするがシャローナは後押しする。

ニコールが事務所で担当して居たのは経理の仕事だったという。
しかしモンクは狙撃事件のVTRを繰り返し見つめていた。
ロイドは一体
何故こんな場所を選んでワレンに演説させたのか
理解出来なかった。
更にシャローナによると選挙参謀をしているロイドは凄腕で
有名だが最近はかつて
不正に事務所費を使い込んでいた過去
(ノースカロライナ上院選の時)が有る
ので長い事雇用されてい
なかった事を知る。
そんな中、モンクは一人町中を歩いていると、モンクをひき殺
そうとして近づいてくる車が有った。

シャローナと合流すると車の件を話す。
二人は一緒に選挙事務所にいきロイドと話をする。
二人はロイドにニコールの事を尋ね、彼女が辞める前にあなた
とニコールが話し込んでいたという証言を得ている事を問い詰
めるが、私は毎日100人以上の相手をしているので覚えていない
という。更に先週にはボランティアの一人が強盗に襲われて
いる事を告げ、事務所の人間を狙った犯行だとするのは無理が
あることを語る。オフィス街で演説した理由を尋ねる中、
モンクはシュレッダーにかけられていた紙のゴミをつなぎ合わ
せていた。そこにはワレンの妻で有るミランダ
シカゴ行きの
航空券を取っていたとする証拠が出てくる。

モンクたちはワレンと一緒に働いているジェシーの元を尋ねる。
ワレンの会社に9年居るという彼。パートナーになりたいの
ではないか?とするが、ジェシーはそれを否定する。
旅行鞄があることに気がつき週末に何処かにいったのか尋ねる
と、北のロッカウェイに旅行に行ったのだという。しかし
モンクはそれはウソだと見抜く。時計の時差を見る限り、北
ではなく東に行っているであろうこと。そしてそれがミランダ
の居るシカゴであるということ。するとミランダとの浮気を
認めつつ、夕べ関係を終わりにしたことを語る。ワレンに
精神的苦痛を与えたかっただけだという。

そんな中シャローナの元に電話が鳴り、殺害に使用された銃を
購入したのがイアン・サイクスという人物だったと聞かされる
のだった。

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モンクは妻を失って以来精神的な疾患を抱えて刑事としての
活動が出来ずにいた。しかし彼の犯行を見破る観察力・洞察力
を現場では必要としており、市長候補議員の襲撃事件に
対して市長自らモンクに捜査を依頼してくる。
潔癖、高所恐怖、強迫性障害など様々な疾患を抱えるモンク
の事をシャローナが上手く操縦して事件を解決に導いていく。

前編でシャローナがアシスタントを下りたことで捜査の継続が
難しくなることが予想され、日常生活だってままならなくなる
のではないかとする不安がある中、どのようにまた戦列に復帰
していくのか。

強迫神経症の欠点を上手く能力・スキルという形に置き換えて
いるところは上手く出来ているし、何よりも気むずかしくなり
がちな疾患部に於ける描写を"危ないもの"として描かず、
寧ろチャップリンばりのコメディ的描写でピンチなり、チャンス
を悉く本人の意思とは無関係の所で潰していくところが
このドラマの面白さなのだろう。

今回のモンクの鋭さは、

● ジェシーが旅行だと称してミランダと不倫しにシカゴに
行っていたことを見抜いたこと。
● 車いすのサイクスの靴の皺を見て、歩行が出来ると見破った
こと。
● 反響音のあるビジネス街のビル群の中で、ロイドのウソを
見破ったこと。


また滑稽な描写としては、

● 強迫性神経症故に、車に轢かれるのを無意識に防いだこと。
● 逮捕出来そうなところだが、高所恐怖故に犯人と非常階段で
隣り合わせになり逃げられたこと。
● 潔癖症な彼に地下の下水道に向かわせて、はしごにハンカチ
をぶら下げさせたこと。


犯行のロジックはちょっぴり普通の人では難しかった。
ニコールが帳簿で経理の不正を見つけて、ニコールを殺害させる
為にボディガードのジェイソンに依頼したけど断られたという
部分は相当見破るのは難しいと思われ、反響音からロイドが
分かるハズもない容疑者の狙撃位置を特定したという描写に
於いてもそれを証明したからと言って直接犯行の証拠にはならない
という欠点が有ったのも確かだった。

絶体絶命の中で、市長の助役のシェルトンを使う辺りのシャロ
ーナのアシスタントぶりも絶妙だったな。

しかしこんな状態で果たして捜査なんてできるんでしょうか。
そして妻の事件に於いて迷宮化している事件を解決出来るのか。

エイドリアン・モンク (Tony Shalhoub) コンサルタント
シャローナ・フレミング (Bitty Schram) モンクのアシスタント
ランドール・ディッシャー (Jason Gray-Stanford) 警部補
リーランド・ストットルマイヤー (Ted Levine) 警部
ベンジー・フレミング (Kane Ritchotte) シャローナの息子

ワレン・St.クレア (Michael Hogan) 市長候補
ギャビン・ロイド (Ben Bass) 選挙参謀
シェルドン・バーガー (Rob LaBelle) 市の助役
ジェシー・グッドマン (Vincent Gale) ワレンの会社の副社長
ミランダ・St.クレア (Gail O'Grady) 妻
Dr.チャールズ・クローガー (Stanley Kamel) 精神分析医
ジェイク (Fred Ewanuick) 選挙事務所
イアン・サイクス (Shawn Reis) 狙撃手
ジトマー (Dion Johnstone) 刑事
カール (Christopher Shyer) 偽弁護士、シャローナとデート
--- (Edmond Kato Wong) Cop at Kindergarten
--- (Alexis Ioannidis) Elevator Gal
--- (J.B. Bivens) First Cop
--- (Dax Belanger) Second Cop
--- (Esme Lambert) Angry Old Lady
トルーディ・モンク (Stellina Rusich) 4年前駐車場で爆死
--- (Carmen Aguirre) Uniform Cop
--- (Ray Galletti) Cop at Rally
--- (Doris Chillcott) Jason's Mother
ニコール・バスケス (Michelle Addison) 25歳、刺殺される
--- (Dean Marshall) Cop in Lobby
ジェイソン・ロンシュタット (John Sampson) 殺害された警備員
--- (Guyle Fraizer) Detective
Mrs.ストリート (Mary Black)
ボニー (Janet Wright)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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