ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル
(2006年CBS) Numb3rs シーズン2





4 Nov. 2005
第6話 狙いやすい標的 Soft Target

脚本/Don McGill 監督/Andy Wolk
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通信傍受2万8350件、ソフトターゲット1万5千カ所、テロ対策
訓練11回、ミス1件。

ノースハリウッドの地下鉄の駅ではテロ対策訓練が行われる。
本番さながらのもので、テロリスト犯がサリンを持ち込んだ
ところを押さえ込むというもの。警報機が鳴ると同時にテロ
犯は電車に逃げ込もうとするところを捜査官が抑えるハズだ
ったが、犯人を射殺するというシミュレーションを立てて
しまう。それを見た国土安保省のジェームズ・グレースは、
覆面の警察官は射殺してはダメだと告げ、犯人は生け捕りに
するようにしないと相手から情報は手に入らないのだと語る。
もう一度訓練し直しだと告げる中、電車の中では本当に煙り
が立ちこめると警報機が鳴る。急いでドアを開けて乗客役の
ものたちを外に出す。

ドンとメーガンは現場検証のためにやってくると、国土安保省
のグレースに挨拶する。テロ対策訓練中で生物化学兵器に備えて
訓練していた所、終了後にホントに警報機がなったという
説明を受ける。何者かが有毒物質を放出したもので、捜査官に
よると塩素系のホスゲン・ガスだったという。乗客役は全て
交通局職員と警察官だったが、6人が病院に運ばれたが何れも
命に別状は無いと語る。
そんな中ハウスマンがやってくる。国土安保省の訓練の総監督
をしているという彼は、この先一週間、同様の訓練を10カ所の
拠点で行う事を告げる。
ドンたちはハウスマンに対して原因がハッキリするまでは訓練
を延期させたらどうかと問うが、ハウスマンは一年かけて計画
したものを容易には変更できないと語る。空港や病院、港など
でも同様に訓練を行うのだという。これは清掃員のミスだろう
として政府としてはテロリストによる仕業だとは思っていない
のだという。テロは最大の被害者を求めるハズで訓練現場を
狙うハズはないというものだった。ハウスマンはFBIのドン
たちに捜査するならば自由にしてもらって構わないが訓練計画
を止めることはしないと語る。

ドンはチャーリーを探しに実家に来ると、週末の件で父・アラン
がせわしなく電話しているのを目にする。あずまやの注文を
している姿に不思議そうに見ているドンの前には高校時代の
同級生だったヴァル・エンが来ていた。久しぶりの再会で高校
以来だという。事情を聞くと、なんとエプス家にヴァルの結婚
式を行うというものだった。急に彼氏がロンドンに転勤になり
母はパニックを起こしていたので、アランに助けてもらった
という。両親は既に家を売ってしまったので、この家を使う
ようアランから提案されたというものだった。
ヴァルは現在小児科医をしており、ドンはFBI捜査官をしている
ことを語る。昔悪さをして償いをしているのさというドン。
チャーリーは数学者として活躍していることを耳にしていると
いうヴァル。アランはヴァルをプロムに誘う際にドンとチャーリー
がケンカをしていた時のことを話題に出す。弟は13才だったのに
ケンカするハズはないとドンは告げるが・・・ドンに対して
結婚式に出席して欲しいと頼む。

チャーリーはラリーと共にガレージの外で金曜日のロボットコ
ンテストの為にロボットを作っていた。物理学部と工学部の
決勝戦で、物理学部としては5年間屈辱を期しているのだという
ラリー。しかし今年はチャーリーが協力してくれているので
勝てるとして興奮していた。ファラデーの誘導の法則を使えば
電流を3倍に引き出せるのだとして、車を引っ張るロボットを
作っていた。
ドンはチャーリーに対してヴァルと遭ったかと問う。3人とも
高校生で同じクラスだったという。5才も違う兄弟が同じクラス
だったということやヴァルという女性を巡って争っていたこと
にラリーは興味を持つ。

そんな中、ドンはチャーリーにホスゲン・ガスについて知って
いるかと問う。ラリーは一般には染料や農薬の製造に使われる
ものだろうとし、毒性の強い物質だという。ドンは先日の訓練
に置いてホスゲンが清掃員によって間違えて洗剤として使用
されたことを語ると、ラリーはある種の洗剤を偶然混ぜれば
理論的にホスゲンが発生することはあるが、先ずあり得ないと
語る。チャーリーは噴出方法はどうなっているかと問うと、
ガスは消えるときに痕が残るので、それを辿れば放出場所を
特定出来るのだという。

コルビーとデビッドは駅の近くのゴミ箱から交通局のジャケット
が捨ててあるのを知る。メーガンはカフェラテの缶に細工が
してあることを告げる。
カフェラテは缶内部で加熱できる様な仕様になっているものだ
った。チャーリーによると水と生石灰が混ざって加熱されるとし
約60度まで上昇するのだという。十分噴出装置として利用出来る
という。ホスゲンは8度までは安定的な液体だが、それを超える
と有毒なガスに変わってしまうのだという。
列車をカウスプルームモデルとして描き、拡散パターンを調べ
ようと語る。すると車両の中央部から噴出されたことが分かる。
そして無害の添加剤で薄めて、ホスゲンの致死性を下げていると
語る。プロによる仕業だろうとし、殺せたのに敢えて殺して
いないのだという。メーガンはプロファイルの観点から、
ハイリスクスリルを味わうアドレナリン依存症の人物による
仕業で、また同様のことを繰り返すだろうと語る。
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対テロリストの訓練中不可解な事件が起きる。
地下鉄が標的にされた事件を想定しての訓練の中で、突然
本当にテロ事件が起きたようにして、塩素系・ホスゲンが
電車内にまかれたのである。しかし致死量には至らず、
捜査官たちが死ぬ事はなかったが、FBI捜査官たちは、
犯人はいつでも殺せるのに殺さなかったことは、難しい
セキュリティに対する挑戦の意味が有るのではないかとして
標的が分からない状況の中、より難しいセキュリティが
標的とされるのではないかと考え対策を練っていくが・・
そんな中、ホスゲンがまかれた現場付近の防犯カメラに
制服を捨てた男性の姿がカメラ映像に映っており、彼は元陸軍
の特殊部隊にいたロジャー・ホルスタインだと分かる。陸軍を
除隊後に民間でも同じような仕事を受け持っており、最後に
ミラボー研究所に於いてもそれを実行していることが判明
する。共犯者が居ることは防犯カメラ映像でイヤホンをして
いることからも明らかで、ミラボー研究所のテロ対策チーム
でも一緒に働いていたグレン・ナッシュの捜索を行っていく。

あんまり数字とは関係無いところで動いているのは相変わらず
なところ。数学者が必要というよりも行動分析官による
仕事だろうとするシーンが多いし、数式やモデリングの名前
を出すばかりで結局のところ、あんまり捜査に役に立って
いないのではないかとする感じもしないでもない。

更には今回ヴァルという女性を通して、高校時代のエップス
兄弟の苦悩というものが描かれた。
確かにヴァルを巡って兄弟が争ったというのは分かるにしても
その彼女とは特に深くは付き合っていない様だし、結婚式
の会場に自宅を貸すほどの関係に見えない所が有った。

13歳と18歳の兄弟が一緒のクラスにいるというのもどうなんだ
ろうね。越境入学の利点ばかりでなく欠点が示され、周り
が年上ばかりで友達など出来るハズもない状況の中で、
チャーリーの高校時代がつまらなかったとする事情も頷ける
ものが有ったかも。
卒業写真の一言には「永遠の無も正装で迎え撃とう」と
書かれていたことで、お前はウディ・アレンかと突っ込まれて
いたけど、寧ろドンは何を書いたのか。

さて事件では経歴が全てだった気がする。
CTチームたちの経歴を調べるとどの人物も取るに足らない
仕事をしているが、実際には爆弾を作る為の道具を集める
為にアルバイトしていたという。しかし結果的に爆弾が
しようされることもなく、今回の案件に於いてはハウスマン
に対してのみ該当するのではなく、訓練といえどももっと
今回のFBI捜査のように真剣に働いてこそテロリストを
未然に防ぐ事が出来ると言いたかったのだろうね。


ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
ミーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官

ジェームズ・グレース (Scott Cohen) 国土安全保障省
ヴァル・エン (Christina Chang) ドンとチャーリーの同級生
ブリー・エン (Lynn Chen) ヴァルの従姉妹
グレン・ナッシュ (Scott William Winters) 元特殊部隊
ジェニファー・ナッシュ (Melinda Page Hamilton) グレンの妹
ピーター・ハウスマン (John Heard) 国土安全保障省
ロジャー・ホルステイン (Dylan Kenin) 元特殊部隊
--- (Channing Swift) Pedestrian
--- (Greg Williams) Detective



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