ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル (2006年CBS) Numb3rs シーズン2 4 Nov. 2005 第10話 所有権争い Bones of Contention 脚本／Ruth Fletcher、Jim Sterling、Christos N. Gage 監督／Jeannot Szwarc -------------------------------------------------------- アメリカ先住民、1492年・1800万人、1900年・35万人、 人骨206個、真実2つ。 博物館の研究員であるジェニファー・アバナシーは深夜の博物 館にいる中、人影を見る。恐くなった彼女は急いで逃げようと するが階段のところでもみ合いになり殺害される。 博物館は連邦政府の土地で99年間リース契約されているものだ という。ドンとメーガンは保安官から現状を聞き、そして 遺体現場を調べる。外傷は頭部だけで、手すりに血が付着。 靴が片方だけ無くなっているという。 第一発見者は夜勤の警備員のフランク・ロペスだった。 フランクの話では見回りしていて見つけたという。 閉館した後館内を一斉点検し、11時頃清掃員が帰って私だけに なったという。メーガンはフランクに対して制服を提出して 欲しいとし、一応捜査対象者である事を告げる。 デビッドは監視カメラを見た限りでは閉館後にビルに人が 入った形跡は無いという。被害者からサイフやID、カードが 抜き取られた後もなく、一体何が目的だったのか。被害者の 持ち物の中には何かの計算式のような手帳が発見される。 チャーリーとアランはラリーの引っ越し前のディナーに招待 され、チャーリーは喜んで出席すると語る。 そんな中ドンが二人の元にやってくる。トーストとトーリ (トーラスの複数形・ドーナツ形のこと)を食べているという チャーリーに対してドンは長方形のをもらうとしてパンを 食べる。低カロリーの食事は長生きするんだぞというドン。 チャーリーは今度は何の依頼で来たのかと問うと、民族博物館の 研究員が殺害されたが、その人物が持っていたメモを見て 欲しいのだという。ラリーは目を通すと、これは計量考古学 の方程式だよと語る。炭素年代測定法をしていたのだろうと し、対象物の年代を調べる為の公式が書かれているという。 あらゆる生き物にはC14という放射性炭素を吸収しているが、 生物は光合成により、動物は食物連鎖によって、C14のような 放射原子は一定の割合で崩壊し、生きている間には無くなった 分だけ吸収するのだという。そこから年代を割り出すことが 出来るのだという。被害者は何かの年代を突き止めようとしてた がそれが何か分からないという。調査の変数は解明出来ると いうチャーリーに全てを任せるというドン。ラリーはドンに 対して週末に夕食会をするので正体するという。家を売ったので サヨナラパーティーだと。また白い食べ物を出すのかという ドン。 検視官によるとクビの骨折があり、階段から落ちたときの傷だと いう。また腕と手に抵抗した跡があるという。しかし意図的に 階段から突き落としたかどうかは分からないとのこと。 性的暴行の跡はないが、その日に性交渉を行っているという。 避妊ゼリーが体内から見つかったという。 民族博物館・ソロモン館長から被害者について尋ねる。 ジェニファーはこの施設のあらゆる設備を利用出来る立場だが 炭素年代測定には専門技師がいるので彼女が測定することはない という。彼女は普段目録を作り、測定の依頼をする役割りを 果たしているとのこと。私の元には測定する依頼の報告書は 届いていないという。最後に装置が利用されたのは午前1時34分 になっており、殺害時刻に近い時間に装置を稼働していたこと を知る。 チャーリーは地下ガレージから本を探していると、そこには 処分したハズの母の遺品が残されていた。アランがやってくる と、そのことを告げるが、アランは忙しくてチャーリーに 出し忘れただけだとして突然不機嫌になる。 ジェニファーのアパートの管理人・コナーによると一年前から ここには住んでいた事を告げ、シャワーを浴びる時にはよく 歌声が聞こえてきたという。彼女は博物館にこもってばかり いたという。恋人は居たのかと問うミーガンとデビッドに対して、 上司・ケネス・ヒルがよく車で送ってきていたが彼は既婚者 だという。 ミーガンとデビッドはケネスから話を聞くと、当初は否定する が、協力しないと奥さんにアリバイを確認行く際にジェニファー との関係に言及する事を告げる。彼女は何を調べていたのか と問うと、たまに個人の持ち物を鑑定依頼されることがある のでそれを調べていたのだろうという。私有地で見つかったもの で、発掘の権利を主張するものがいるのだという。1990年に 出来た法律によって発掘品は土地の部族に返されることになって いるのだという。 民族の権利を訴えては、発掘したものを持っていってしまうが、 先住民の団体は、発掘品の年代が部族の歴史よりも古いと土地の 所有権を失うことになり彼らの主張の正当性が無くなるので 持って行ってしまうのだとするが・・・ -------------------------------------------------------- 民族博物館で女性職員のジェニファーが撮影される。 物取りの犯行ではないとされる中、果たして犯人は何を取ろう としていたのか。そして彼女が調査してた案件と何か関係が 有るのか。 アメリカ先住民も400年の間に人口の減り方が相当減少している 事からも当時入植者たちによって迫害を受けて、残虐されたことが 分かる事実。 西部劇に見るドラマの構図では常に原住民が悪者のような扱い を受けるも、プロパガンダとまでは言わないけど、印象的には 原住民が恐いという印象を植え付けたことは確かなのではないか。 1990年に制定された法律によって遺骨・遺品の権利などが定め られたけど、検査をすることもできず、無条件に遺骨を渡さなけ ればならないとする流れを見る限りでは、現在の日韓関係に 於ける、河野談話の是非を巡る慰安婦問題・植民地支配の 外交的・人道的問題と似ているのかも知れない。 アメリカに於いて原住民にはカジノ経営などの権利があることは ドキュメンタリー番組で何度か目にしたことがある。 既得権益を守るために奔走するものがいたり、それを破ろうとする ものがいたりで大変なものが有るけど、巨額が生み出されたこと で、同じ民族間でも争いに発展してしまうとする流れを見る 限りでは、特定の民族に限らず、人間の欲望の犠牲になっている ようで切なさを感じる。 メモの数式を見ただけで、それがどんなことを意味する数字なの かを見破っていく辺りは流石という感じ。 室内が汚れている事に関して、ラリーは「カオスが抱く調和に よるもの」だとしたり、それに反論する形で「散らかっている の詩的表現なの?」とアミタが突っ込む辺りが面白かった。 アランが妻の死に対して未だに抜け出せずにいる状況を見ると 切ないものがあるし、子供たちの提言に対して、父親は結婚して いないヤツラにその気持ちは分からないとしていたけど、母親を 失う辛さというのは分かっている訳だから、そんなに怒らない でという気がした。 ウィーヤーナ族が最古の先住民であり権利があるとする主張に 対してそれを覆す考古学的事実が出てしまった時には、果たして どう対応すれば良いのか。宗教が科学を超えることなどあり得ないと して一蹴していたけど、なかなか難しい問題だった。 アメリカ先住民の顔を復元していくとアジア系に分類されると していたけど、アジア人が多かったのか?それともこのカリフォルニア の自治区の場所だけを特定してそう主張していたのかな。 ボロノイ図を使って古代の水源を基点に昔の集落の構図を考え出し ていくのに対して、先住民の埋葬地を探そうという流れが有った けど、そんなのチャーリーたちが言うまでもなく、とっくの昔から 分かっている事実のような気がする。 宗教が家族を超えることはない。事実を受け入れて認めるべきだ というラリー。骨って人間の本質でも魂の源でもないという やりとりもまた今回のドラマの締めくくりにはピッタリだった。 「お兄たま〜」と最後にチャーリーがドンに抱きつく姿にほほえま しさを感じるね。 しかしラリーは何処に引っ越しするんだろうか? そういえばコルビーの姿が今回無く、捜査のメインはデビッドと ミーガンだったな。 ・Apple Trees & TangerinesのCan You Save Me ・Neko CaseのMagpie to the morning ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官 チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者 アラン・エップス (Judd Hirsch) 父 デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官 ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者 アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生 ミーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官 コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官 Dr.ケネス・ヒル (Reed Diamond) 民族博物館・主任 --- (Kate Burton) Anthropologist トーマス・モリス (Michael Greyeyes) 首長の顧問弁護士 --- (Clyde Kusatsu) Antiquities Dealer ソロモン (Jane Carr) Museum Director コナー (Liz Sheridan) アパート管理人 フランク・ロペス (Mark D. Espinoza) 民族博物館の警備 --- (Lorraine Toussaint) Medical Examiner ジェームズ・クリアウォーター (Graham Greene) ウィーヤーナ族首長 ジェニファー・アバナシー (Sarah Bloom) 研究員 --- (Ryan Shively) Deputy Sheriff --- (Lisa Rosier) Secretary