奥さまは首相
〜ミセス・プリチャードの挑戦〜
The Amazing Mrs Pritchard

http://www3.nhk.or.jp/kaigai/mrspritchard/


第6話


脚本/Sally Wainwright 監督/Catherine Morshead

いよいよ夫・イアンの15年前に起こした不正・資金洗浄の件が
ロズに伝わってしまう。国民の前で決して嘘は付かないと約束
した彼女にとってどんな決断をするのか。

過去の全ての顛末が語られ、この事件を知る者達、そして隠蔽
しようとする流れが全て露わになる。

更にこの流れに便乗し政治を利用して利己のために動くモノの
存在が描かれる。

政治と利己的な感情は切り離すことが出来ないのか。

印象的なのはあれ程国民の前で嘘を付かないと言っていたロズ
でさえ、見てみなかった振りを決断する流れだ。
彼女はなんとか過去の首相も不正をしているものだと思う事で
自分に突き詰められた問題を回避しようとしている。

罪を冒したという事実を受けつつも辞任しないという矛盾した
流れ。その流れを正当化するに値する主張が何処にもなく、
結局グダグダと物語を引きずってしまう流れだった。

こう言っては何だがこの茶番劇に近いドラマの中でも、誠実さ
だけが生命線となっていた中で、この決断は流石に不味いの
では無いか。

夫を失いたくない、家族を失いたくない。
一応首相を降りることで社会的な責任を負うことにはなるが、
肝心の夫が何の罰も与えられず見過ごされてしまうというのが
辛いところか。

キャサリンの流れも実に難しい決断を迫られた。
最後までどの様に彼との関係を詰めていくのか解らないような
展開ではあるが、結局愛してはいるが人前では公言できず、
そのままの流れで独身を貫いてしまった。

一番のサプライズは、キャサリンの本命はあのポール・クリッ
チリーだったという事実か。3年間くらい付き合っていたが、
浮気していた彼女に子供が出来たために別れたという。

しかしキティはくせ者だね。
綺麗事だけでは政治は動かせない様な事を知らしめる為のキャ
ラクターだったのか。

ドラマを見て日本もイギリスも政治に抱えている問題、国民の
期待感・失望感が似たような流れを持っているところが興味
深いところだね。アメリカに何も言えないのは日本もイギリス
も変わらないって事で。

第2シーズン突入かと思わせる中、最後にテロップが出てその
後の顛末を語って終了。なんともスッキリしない終わり方だっ
た。

Jane Horrocks (ロズ・プリチャード) 英国首相。パープル同盟党
Steven Mackintosh (イアン・プリチャード) ハットン社の経理
Jemma McKenzie-Brown (ジョージーナ・プリチャード) 次女
Carey Mulligan (エミリー・プリチャード) ロズの長女
Jodhi May (ミランダ・レノックス) 報道官。元新聞記者
Siobhan Finneran (ビバリー・クラーク) 保健省政務次官。元弁護士
Frances Tomelty (キティ・ポーター) 'グリーンゲイジズ'
ジェラルディーン・ジェームズ (ヒラリー・リーズ・ベンソン)
サリー・フィリップス (メグ・ベイリス) 個人秘書。
ベン・シックススミス (トム・マイソン) スピーチライター
Janet McTeer (キャサリン・ウォーカー) 財務相兼副首相
ジョナサン・エイリス (リチャード・リービス) 主席秘書官
セリーナ・キャデル (ドロシー・クラウザー) 外相。
ミーラ・サイアル (リズ・シャノン) パープル同盟党議員
ロバート・ポータル (ポール・クリッチリー) 保守党党首。

Tom Mison (ベン・シックスミス) キャサリンと恋仲
Sylvestra Le Touzel (ニーナ・モーガス) 財務相職員

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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