オークションハウス  Auction House (2007年MBC) 演出:ソン・ヒョンソク、キム・デジン、イ・ジョンヒョ カン・デソン 脚本:キム・ナムギョン、チン・ホンス、クォン・キギョン キム・ミヒョン

第6話 呪いのダイヤ
--------------------------------------------------------
ナギョンは度重なるヨンスの功績に、運が良いから何度も手柄
を挙げているとドヨンに愚痴る。幸運も実力のウチで、君だっ
てコネを使って仕事をしているだろうと告げ、新人相手に嫉妬
するなと告げる。それをヨンスは聞いていた。
品物を委託したいという客から連絡があった事をナギョンに告
げる。
ウィルオークションではチャリティーオークションに出品する
宝石を探して回る。

依頼してきたのは女優のシン・グムドン。映画「長煩悶」(チャ
ンハンモン)で使用したときの指輪を監督からもらったという
もの。現在入院していた。元々は日本の小説家・小崎藤洋の
もので映画はその小説家の小説「恨色馬車」をリメイクした
作品だという。
一方ヨンスは出品するというカンジュエリーの社長・カン社長
と逢う。2200個ものダイヤが散りばめられたティアラを出品する
というが、出品の条件としてはこの品をメインとして扱うこと
だった。

会社に戻るとミン理事は社長からドイツのアートフェアに出席
しろとの命令で暫くドイツに渡るという。その間、今回の
チャリティーオークションをユンジェとナギョンに一任すると
いう。しかしユンジェは自分は進行役はやらない事を告げると
全てはナギョンに仕事が回ってくる。

ナギョンは誰も居なくなった社長室の椅子に座り、新人で生意
気なヨンスを首を言い渡すフリをして自己満足する。そんな中
人影が見えたことで驚くがやってきたのはユンジェだった。
彼女は病室で薄紅色をした着物を着た女性を見ていたので
霊にカンして敏感になっていたのである。

ユンジェは日本のディーラーから話しを聞く。
すると小崎藤洋の小説「恨色馬車」は、作者の体験談を綴った
ものだと知る。それを聞いてナギョンはそれに纏わる指輪を
今回のオークションのメインに添える事を告げる。
その為には先ずはその指輪が本物なのかどうか鑑定するとして
日本から小崎藤洋の娘・ミヤと逢うことにする。ミヤは代理人
の男性・コ・サンウォンを引き連れてやってくる。ミヤはその
指輪を見ると突然10億で買いたいと訴える。しかしナギョン
は原則として競売に掛けると告げる。
--------------------------------------------------------

★ホラー風味の演出で趣のある話

韓国風のホラーというよりも日本が関わっている物語である為
に日本風のホラーにしか見えないものだった。

★今回題材になったもの。

尾崎紅葉の"金色夜叉"が題材となったものだ。
主人公は婚約していたが、ある時資産家に女性を奪われる。
女性は一時の迷いで金を選んでしまった事で、主人公は女性の
事を恨み辛みで小説に書き殴る。その小説が人気を博したこと
で女性は身の上を知られてしまい資産家の夫に暴力を受け、
夫を殺して自殺するというもの。
韓国でも趙重恒という作家が"長恨夢"という作品を書いて国民
的作品となっているが、実際には日本の作品が元になっている。
"金色夜叉"自身も近年アメリカの作家の小説・Weaker Thana Wo
man(女より弱き者)が題材になったものだと判明している。
「恨色馬車」と付けているのは、恐らくアメリカ版を意識した
題名の付け方なんでしょうな。

★またしても怪しげな日本語が飛び交う

この辺のチープさがなんとも言えない味わい。
ドラマの中では1800年代後半から1900年代前半の日本の姿が
描かれる訳だけど、着物の着付けがなっていない所が笑える。
ただアメリカ人が描く日本よりは良くできているな。

★ナギョンのヨンスに対する嫉妬・ライバル視

女性同士の戦いということだけど、あんまり濃い絡みにはならず。
ただ熱い視線が飛び交うのは確かだ。

★指輪に呪いは存在するのか。

まさかオークションでこんな話になるとは思わなかったけど
物に込められた思いというものを面白く描き出した。
韓国の事だから悪徳ディーラーは日本人という設定にするのかと
思ったけど、このドラマって明らかに日本販売向けに作られて
いるような内容だから配慮した感じを受けるな。


チャ・ヨンス …… ユン・ソイ (主人公)
オ・ユンジェ …… チョン・チャン (メガネの人)
ミン・ソリン …… キム・ヘリ (理事)
チョン・ナギョン …… イ・ユジョン (宝石、アンティーク担当)
ナ・ドヨン …… チョン・ソンウン (ワイン、美術担当)
キム・ウンテ …… チャン・ヨン (ウィルオークション社長)
ホ・ミョンファン …… チェ・ジョンウォン (復元作業)
ユ・ミニョン …… オク・チヨン (記者)
チャ・マンヒ …… チョン・インテク (ヨンスの父・現猟師)

コ・サンウォン …… チョン・ホビン (悪徳ブローカー)
カン社長 …… キム・ビョンギ (ティアラを出品)
尾崎ミヤ …… チェ・ソンジャ (小説家・小崎藤洋の娘)
シン・グムドン …… イ・スナ (女優・指輪の持ち主)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)