オークションハウス  Auction House (2007年MBC) 演出:ソン・ヒョンソク、キム・デジン、イ・ジョンヒョ カン・デソン 脚本:キム・ナムギョン、チン・ホンス、クォン・キギョン キム・ミヒョン

第9話 アンダービッダーの秋
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イ・ジョンチョル画伯の"引き潮"がオークションに掛けられる
事になる。それに伴い記者会見が開かれることになる。
2005年にも出品を打診したが断られたもの。記者達は何故今回
成功したのかと問われる。ユンジェに尋ねるとミン理事の力
だと言っていたという。そんなミンは体調が悪く、思わずトイレ
に駆け込む。

ユンジェがサザビーズのバーグナーと面会しているのを目撃
するミン。会社を移るのか?とナギョンはミンに尋ねる。
バーグナーはミンにも面会を求め、彼女にサザビーズのアジア
支社長を要請してくる。ユンジェにも接触したが彼にも断られ
たという。彼はミンの方が適任だと言っていたとの事。それを
聞いて彼の変わりなんてとミンは話を突っぱねる。

ミンはユンジェに逢うと先程記者会見の場で記者達に言われた
事を尋ねる。何故入院している間に契約が取れた"引き潮"の絵
が私の功績なのか?と。すると入院しているときに所有者から
連絡が有ったのだという。会見の時以来ピリピリしているなと
言われるミン。ユンジェがサザビーズにミンの事を推薦した事に
ついても尋ねると、ユンジェは自分には相応しくない事。何より
君のお陰で職場に復帰できた事に感謝しているという。
そんなミンの元に絵の所有者から手紙が届き、貴方の誠実さに
負けたとして、少しでも高く売ってくれることを望むと書かれて
いた。ミンはユンジェに再会すると、感情的になって悪かった
と謝罪する。私が居なくなっても会社が回っていると思ったら
苛ついた事を告げる。
ユンジェはオレは最高の競売人になりたかったが諦めたこと。
全ては貴方が居るからだと告げる。
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★今回はそれぞれに抱えるコンプレックスを描き出した話

ヨンスは美大を出ていないことで肩身の狭い思いをしている事。
ユンジェは仕事にかまける余り、妻のスジンの事を疎かにして
しまった事。
ミンはユンジェとのライバル関係に於ける優劣にややコンプレ
ックスを持っているようだ。
ナギョンは両親が美術史に於ける国内の有力者な為に、仕事に
於いては常に彼らの影が付きまとうこと。
そしてドヨンは美術大学卒業の際に父親が倒れたために、美術の
道を諦めオークションで働き始めたこと。

★それぞれの主人公の視線で物語が展開する。

技巧派の映画では時々観られる手法で、違った角度から見られる
ので一見意味の無さそうな行動が別の角度から見たときに重要
な要素として浮かび上がってきたりする。
まぁこんな形で描く必要が有るのかという内容では有るのだが、
実験的で挑戦的な表現法として面白い趣向では有る。

★ヨンスの利点と欠点

ある意味美術に長けていない為に常識に捕らわれない発想が
出来る。美術を紹介する際にも素人には伝わりやすい表現が
使われるために、逆に斬新だと捉えられる。

★ユンジェには結婚していた過去が有った

スジンとは出会って10年になるようだ。
しかし向き合って2年、結婚して背中を見続けた3年、彼を忘れる
為にフランス留学していた5年と言うことで10年経つ。
スジンの方はまだ好きな気持ちがあり、ユンジェにもその気持ち
が有るみたいだけど、また同じ事を繰り返すのが嫌だったのだろ
うか?

★ナギョンの努力はなかなか認められない

どんなに努力して仕事をとっても全ては両親のお陰だと見られて
しまう。ヨンスとナギョンは事ある毎に対峙する役目だけど、
今回は互いの心情と境遇を暴露し有って本当の仲間に近づけた
感じだ。

★ドヨンは再び絵を始める。

大学時代のドヨンは誰よりも絵が評価されていた。しかし
父親が倒れたことで、留学も取りやめになり今の道を進むこと
になった。逆に次点で留学が決まっていた人たちが評価を
受けている現実にちょっぴり切なくなる話だね。

★アンダービッダー

落札者ではなく、次点者の事をオークション用語でそのように
言うらしい。

チャ・ヨンス …… ユン・ソイ (主人公)
オ・ユンジェ …… チョン・チャン (メガネの人)
ミン・ソリン …… キム・ヘリ (理事)
チョン・ナギョン …… イ・ユジョン (宝石、アンティーク担当)
ナ・ドヨン …… チョン・ソンウン (ワイン、美術担当)
キム・ウンテ …… チャン・ヨン (ウィルオークション社長)
ホ・ミョンファン …… チェ・ジョンウォン (復元作業)
ユ・ミニョン …… オク・チヨン (記者)
チャ・マンヒ …… チョン・インテク (ヨンスの父・現猟師)

スジン …… オム・スジョン (ユンジェの元妻。)
キム・ドゥチョル …… パク・チュンソン (マンヒの後輩・画家)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)