韓国ドラマ「クッキ(菊煕)」全21話

脚本/チョン・ソンヒ
出演/キム・ヘス(成人クッキ)、チョン・ソンギョン(成人シニョン)
ソン・チャンミン(ミングォン)、チョン・ウンイン(サンフン兄)
パク・チミ(幼少クッキ)、キム・チェヨン(幼少シニョン)
キム・ジョンウ(幼少サンフン)、チョン・ドンファン(クッキの父)
パク・ヨンギュ(シニョンの父)、キム・ヒョンジャ(シニョン母)
チョン・ムソン(テファ主人)

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http://www.koretame.com/gukki/

1999年韓国MBCで放送された作品。
90年代の韓国ドラマは、信じられないほど高い視聴率を誇っていた
ドラマが多いのだけど、このドラマもその一つで、なんと最高視聴
率53%を獲得したという化け物ドラマ。

常に正直で前向きに生きるクッキという人物が数々の困難に立ち
向かいながら、戦後の混乱期を生き抜き、成功を収めていくドラマ
だ。日本のドラマでもそうなんだけど、この混乱期の中を逞しく
生きる女性にスポットが当たる事って結構多いですね。

韓国ドラマにしては恋愛要素がメインではなく、復讐がメイン
でもなく、いつものワンパターンな演出とは違うドラマだったかな。

時代背景として日本植民地時代から開放の時代を描いているだけに、
日本に対する描写が酷いものになるかと思っていたが、意外にも
あっさりとしており、敵は日本にあるのではなく、自らの心の中に
あるという作り。それ故にNHKもこのドラマを輸入したと思うんだ
けどね。

韓国ドラマらしい演出は勿論数多くの場面で見ることが出来る。
不幸な境遇に晒される女性と裕福な家庭に育つ女性。二人が同時に
同じ男性を愛してしまうところなどは、典型的な韓国ドラマの
構図。しかも99%は貧乏な女性を男性は支えていくことになるん
だよね。

また二人の境遇の違いは、本来有るべき姿とは逆の形で存在して
おり、そんな不幸をもたらしたのは戦争の悲劇が一因として挙げ
られており、どちらの人間もあまり嫌みなところばかりを抽出して
いない作りが良かったと思う。

最後の裁判は証言ばかりで進行してしまう所にやや難があるのだが
悪を裁くのと同時に、ミングォンの無実を晴らす展開で、作りと
しては上手かった。

それにしてもシニョンの母親のキャラクターはとても強烈だった。
現在見ている韓国ドラマ「新・貴公子」の中でも、パク・ヨンギュと
キム・ヒョンジャ二人とも出演して居るんだけど、ここでも
キム・ヒョンジャは口うるさい役。
このドラマの中で、シニョンの父が捕まってしまう時に、クッキに
八つ当たりする場面があるんだけど、この時の彼女のテンションの
高さはもの凄いものが有った。

また90年代のドラマらしく、ハッピーエンドで終わる。
2000年以降の韓国ドラマって、男女が結ばれないことの方が多いし、
それどころか死んでしまうことも多いしね。

個人的に残念なのは、クッキを演じたのがキム・ヘスさん。
韓国ではこのドラマで随分と評価が上がったみたいだけど、
私的に顔が好みではなく、あんまり感情移入できなかったです。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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