韓国版 「魔王」

監督/パク・チャンホン
脚本/キム・ジウ

http://www.so-net.ne.jp/adtv/DevilEmpress/


第26話 ラッパが止み 夜が明けた時 地獄の門は自ら閉じる


いよいよ最終回。
なんとなく慌ただしく展開が運んでしまったことと、中途半端な
ままでドラマが終了してはいないかと、なんとなく心配する様な
流れだった。

ドラマ全体を通して上手いのは、負の苦しみを加害者と被害者の
間で上手く共有しているという点だ。
そして加害者は被害者であり、被害者は加害者である側面を
上手く作り、どちらが真の悪者なのかを分からせなくしている
点だと思う。

スンハの計画の最終形は、オスによって殺される事だった。
日本版では描かれていたが、殺害したことで自らもあらゆる意味
で絶望し、オスを自殺に追い込んでこそ、一連の計画の完成形
だった。
一連の流れの中で唯一スンハの計画を邪魔したのが、このオス
の自制した行動だった。他人の感情ばかりは決して操れない
事を示唆しているのか、面白い結末だったと思う。
ただ日本版では直前まで感情にまかせてオスはスンハの事を
殺そうとしているのに対して、韓国版では何処か銃を手にしな
がらも最初から殺す意図が無かったように見える。この辺は
不本意ながら不自然な気がした。

結果的にスンハはみんなの期待を裏切ったことになる。
グァンドゥにしてもヘインにしても最後は温かい視線で彼の
暗闇のトンネルから抜け出ることを期待していたが、やっぱり
出てこられなかった。
そしてオスにしても、絶対に証拠を見つけて捕まえてみせると
言ったが、結局何の証拠も見つけられぬまま終わってしまった
事になる。

日本版では上手く処理したが、ヨンチョルだけが一人何の罪も
背負わずにいることの不自然さは否めない。日本版ではスンハ
を誤ってナイフで刺してしまうことで加害者の苦しみを味合わ
せた。

最後のタロットカードが来てから殺人に至る流れだったり、
オスの父・ドンヒョンが急に亡くなってしまう流れはやや
ドラマとしての完成度をやや削ぐ結果となった。

一番の被害者はやはりヘインという事になるのか。
オスにしてもスンハにしても利用するだけ利用したな。

カン・オス ……… オム・テウン (刑事)
オ・スンハ ……… チュ・ジフン (弁護士)
ソ・ヘイン ……… シン・ミナ (図書館勤務)

チャ・グァンドゥ ……… キム・ギュチョル (スンハの事務所)
クォン・ヒョンテ ……… イ・ドリョン (弁護士)
チョ・ドンソプ ……… ユ・ヨンス (日雇い労働者)
カン・ドンヒョン ……… チョン・ドンファン (国会議員/実業家)
カン・ヒス ……… チェ・ドクムン (オスの兄。ホテル社長)
チェ・ナヒ ……… ユン・ヘギョン (カン・ヒスの妻)
ナ・ソクジン ……… キム・ヨンジェ (秘書。ナヒと不倫)

キム・スンギ (高校時代の友人/)
キム・ヨンチョル (高校時代の友人/出版社)
ユン・デソク (高校時代の友人/高利貸)

パン・チャンホ (刑事/上司)
イ・ミンジェ (刑事)
シン・ジェミン (刑事)

ヨ・スンオク (農場オーナー)
ユン・ジュヒ (ヘインの母)
ファン・スゴン (タロットカードカフェ)
ソラ (人形の少女)
ジョンヨン (ソラの母。デソク殺害)
ソン・ジュンピョ (イシュー&イシュー記者)
モ・イノ (当時の担任教師)
オ・スンヒ (スンハの姉。)

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system