「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」
(2009年“鑑識・米沢守の事件簿”パートナーズ)
▽地上波初驚がくの事実に挑む!

原作/ハセベバクシンオー
監督/長谷部安春
脚本/飯田武(櫻井武晴)
音楽/池頼広
製作/上松道夫、鈴木武幸、水谷晴夫、亀井修、水野文英、吉田鏡
企画/梅澤道彦、中曽根千治
エグゼクティブプロデューサー/亀山慶二
プロデューサー/松本基弘・上田めぐみ(テレビ朝日)、香月純一・西平敦郎(東映)



「私も「相棒」をみつけました」
「私が今、亡き妻にしてやれることは、<真相>を暴くことだけです」

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東京ビッグシティマラソンの捜査が無事終わる。
新しく導入された
顔認証システムによって、主犯を突き止め、
逮捕に大いに貢献する。

そんな中、マラソン参加者の中に米沢の元妻・
知子の姿が映っ
て居ることを目にする。
8年前に離婚届を残して出て行った妻。
すぐに米沢は片付けをしている東京シティマラソンの事務局に
いき、問い合わせるも個人情報だからとして渋られる。
しかしランナー11852番を検索してもらうと、名前は
真鍋知子
である事を知る。まさか再婚して名字が変わっているのか!?
住所をメモる中、彼女は
青少年防犯協会に勤務している事を知
る。警察の外郭団体だった。
米沢はメモした住所に足を運ぶも、部屋の窓から電気の光が
見えるのを確認しただけで、訪ねることは出来なかった。

その夜、米沢は知子の夢を見る。
そろそろ戻っても良いか?という夢の中の知子は、米沢の事を
マー君と呼ぶ。
米沢は携帯の音で目覚めると、竜泉のアパートで女性の遺体が
見つかったとの報告を受ける。
現場に行くと、同じ鑑識仲間の
早乙女美穂が既に調査していた。
ドアにはピッキングの跡は無く、遺体の女性は
青酸化合物特有
のアーモンド臭がすることから、服毒自殺を図ったのではない
か?という。部屋にはメモ書きが残されており、
"悔しい、こんな結果に終わって残念だ"。と書かれていた。

被害者は米沢の元妻・知子に思われた。

調査中に一人の男性・
相原誠が飛び込んでくる。彼は被害者の
元夫との事。近所の人の話によると、知子は一人暮らしだった
との証言を得る。

一体どういう事なのか。
米沢は肩口にホクロが無いことに気がつくと、外傷が無いか
調べるとして頭部を調べるフリをして髪の毛を採取する。
個人的に髪の毛から血液型を調べると、被害者はO型である事
が分かり、逃げた知子と自分は共にB型だった事を呟く。
更に文章班からは、遺書は本人のものであることが確認され、
自殺の線が強くなる。しかし自殺するほど、何が悔しかった
のだろうか。

米沢は空しい心を癒すために、路上で一人ギターを片手にライ
ブを行う。

翌日出社すると、米沢の元に
千束署刑事課の相原誠が訪ねてくる。
米沢が知子について調べていた事を知って、どういう理由から
か訪ねに来たのである。米沢は全ての経緯を語り、逃げた女房
と似ていた事が捜査する発端となった事を告げる。
被害者が亡くなった晩、自分はあの部屋に彼女が居るのを確認
しにいった事を告げ、あの時会っていればもしかすると彼女は
なくならずに済んだかも知れない事を吐露する。

相原は鑑識の米沢に本当に彼女は自殺したのか訪ねる。
枕元にあったペットボトル、そして青酸カリを購入したと思わ
れる封筒が冷蔵庫の扉に貼ってあったこと。恐らくインターネ
ットで購入したもので、パソコンからは購入履歴は無かった
ものの、ネットカフェなど何処でも買えることを告げる。
また自殺した事を裏付ける遺書のメモ書きは彼女本人のものだ
と確認された事を告げる。しかし遺書をこんなノートの切れ端
に書くものだろうか?とし、相原の元に数日前に相談したい事が
有るとして電話が鳴ったことを告げる。米沢は物証でしか物は
言えないとして、現状では限りなく自殺に近い事を告げる。

米沢は特命係に相談しようとするが、右京らはデカいヤマに
発展しそうな事件の捜査で、部屋には居なかった。近くにいた
角田にネットで購入した際に、誰から購入したのか特定できる
か?と訪ねるが、難しいことを聞かされる。
そんな中、米沢の元に相原から電話が鳴り、これから自殺では
無い事を証明するとし、青防協に直接話を聞きに行く事を告げる。

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東京ビッグシティマラソンでの事件を解決した矢先、米沢は
8年前に突然離婚届を残して家を出て行った知子と似ている
人物をマラソンの参加者の中に見つけ、私的に消息を調べて
いくと、翌日にはその人物が毒薬を飲んで亡くなって発見され
る。米沢の妻とは名前が同じ物の別人である事が判明する中、
被害者の元夫・相原は、彼女が自殺するような人ではないこと
を訴え、捜査をしていく。米沢も人ごとには思えず捜査に加わ
って行くことになるが・・・

ドラマとしては、米沢の私生活を少し掘り下げていく物で、
全体的なテーマとしては、官僚の天下りによる無駄遣いの体質
を皮肉り、そこから派生する事件を扱ったものだった。

興味深いといえば興味深い内容だが、相棒の持つ圧倒的な世界
観が有ってこその内容で、相棒とは関係なくこの案件だけが
抽出されれば、多分あんまり面白くない。

元々特命係の右京との捜査色の違いを描くためなのか、米沢
自身に右京ほどの直感や推理の組み立てが無く、全ての可能性
を言及して一つずつ潰していく事で、似たような展開の繰り
返しになった。

個人的にドラマとして一番光っていたのは、内村&中園コンビ
だと思う。天下りを悪いものだと認識しつつも、自分たちの
将来の為にそんな組織を守ろうとしている姿が、堂々としすぎ
ていて、逆に清々しい。

鑑識の早乙女美穂さんとか殆ど出る機会が無いけど、圧倒的
な美しさで、湿っぽい男性的職場に華を持たせているなと思う。

米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
相原誠 …… 萩原聖人 (千束署・刑事課)
真鍋知子/米沢知子 …… 紺野まひる (青少年防犯協会・経理課)
高橋早苗 …… 片桐はいり (青少年防犯協会・経理課・先輩)
天野達之 …… 市川染五郎 (青少年防犯協会・経理課・課長)
設楽光治朗 …… 伊武雅刀 (青少年防犯協会・理事長)
早乙女美穂 …… 奥田恵梨華 (鑑識)
広田努 …… 半海一晃 (鑑識)


杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (警視庁・特命係)
奥寺美和子 …… 鈴木砂羽 (帝都新聞社会部記者)
宮部たまき …… 高樹沙耶 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)

大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部) 


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