相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜

監督: 和泉聖治 
製作: 神山郁雄、鈴木武幸、水谷晴夫、大西豊、脇阪聰史 
岩本孝一、佐藤庄平
プロデューサー:松本基弘、上田めぐみ、伊東仁、香月純一
西平敦郎、土田真通 
エグゼクティブプロデューサー: 平城隆司
製作総指揮:早河洋
脚本: 輿水泰弘、戸田山雅司 
監督補:東伸児





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船内で公安部外事第三課捜査員たちは中国系マフィアと銃撃戦
を行うが爆弾が爆発し、マフィア三人と一人の捜査員が殉職
する。

警視庁に
八重樫哲也がやってきて朝比奈圭子と逢う。
神戸は大河内と共にワインを賭けて剣道の試合。
陣川は警視庁内にも防犯の為に掲示をする。

そんな中、11階の会議室で上層部たちの定例会議が行われる。
松下伊知郎、鈴木光彦、井手実篤、原子嘉和、内村完爾、
寺門宗佑、田中靖、鶴岡小太郎、三宅貞男、川上博康、
長谷川宗男、田丸寿三郎
の12名。全て部長以上の役職。

エレベーターで神戸は、八重樫が圭子に対して銃を向けている
事を受けて、圭子を彼の手から離して、エレベーターの中に
乗り込むとすぐに警備に告げ、11階に侵入者がいることを語る。
八重樫は会議室にはいると12人の刑事達を人質に取り、籠城す
る。

特殊班SITと第一機動隊が招集される中、警視庁内では突然
各階の防犯ベルがなり始める。火災報知器が反応したものだと
判明し、発煙筒が見つかる。

すぐに警察庁にも籠城事件の事が報告され、警察庁長官の
金子と官房長官の小野田もそれを知る。しかし一体何が目的
なのか。

捜査本部では
中園が指揮を執ることになるが、すぐに小野田
から電話が鳴る。

神戸は右京に事の顛末を語る。女性から情報を聞き出せれば
すぐに犯人像が分かったのにと、右京は神戸のミスを指摘。
右京は米沢たちに避難用のロープを用意させると、階上から
11階に窓の外から接近し、右京は持っていたカメラで籠城事件
内部の撮影を行う。犯人は八重樫哲也(34歳)、元巡査部長で
平成16年に依願退職している事が発覚する。

入庁者リストを調べると、八重樫と共に入庁しているのは、
朝比奈圭子だと判明する。圭子の元に話を聞きに行くと、彼は
警察学校時代の同期だが、その後は全く逢っていなかったと
告げる。

そんな中、突入が開始される。
右京はその選択は誤りだとして止めに走るが、もみ合いの末、
犯人は射殺され人質は全員無事救出される。

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警視庁内で突然人質籠城事件が発生する。
すぐに犯人を射殺して事件は解決するが、容疑者・八重樫を
調べていくウチに、7年前に起きた中国系反米テロリスト事件
以降、彼の様子がおかしくなっている事に気がつく。
そして八重樫を警視庁内に引き入れた朝比奈圭子との接点を
調べていく。

頭脳派の右京にアクションをやらせるのは反則だろうといわん
ばかりの冒頭のシーンだったけど、何処か右京の動きが真面目
すぎて滑稽に見えてしまう所が有ったな。

今回は劇場版ということで、やっぱりメインは小野田の死
か。下手にアクションで盛り上げるドラマでは無いだけに、
劇場版には不向きで、内部抗争なり主要人物の生死に関わる
物語を描かない限り、スペシャル感がなかなか出せないのは
仕方がないのかも。

「相棒」をテレビで見たことがある人ならば、楽しみの一つに
なっていた右京と小野田のそれぞれの正義感のぶつけ合いで
有り、立場の違いによって正義など変わるとした小野田の主張
が全てを物語っている感じがする。

この正義感に対する論議も、刑事ドラマにはありがちなもの
なので、官僚とノンキャリアの対立関係を面白く取り入れたり、
久しぶりに警察庁と警視庁の争いの構図を持ち込んだりして
色んな葛藤を味わせている。

中国系を犯人として仕立て上げようとするも、実際には
警視庁内部によるテロリストをでっち上げた事件だった。
この設定にも正直目新しさを感じずありがちなものだと感じる
が、相棒の面白さは、事件を解決に導く段取りの中に、納得
出来るだけの材料を持ち込み、それを上手く右京が視聴者より
一歩先を進んで解いていく楽しさに尽きる。解法提示後の
納得感がこのドラマの全てだね。

とてもその辺の流れは丁寧に描かれていたし、冒頭から
12人の上層部を登場させることで複雑な人物関係が描かれる
のかと思えば、キャリアの中でも東大のセーリング部に上手く
絞り、分かりやすい物語としている。

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
神戸尊 …… 及川光博 (警部補・特命係)
宮部たまき …… 益戸育江 (小料理屋"花の里"。元右京の妻)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
三浦信輔 …… 大谷亮介 (警視庁刑事部捜査第一課員)
米沢守 …… 六角精児 (鑑識課)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長)
中園照生 …… 小野了 (警視正)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (警察庁/警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警察庁長官官房室長)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)


朝比奈圭子 …… 小西真奈美 (警視庁総務部装備課・警部補)
八重樫哲也 …… 小澤征悦 (警視庁人質籠城事件の犯人)
三宅貞男 …… 石倉三郎 (警視庁生活安全部長・警視長)
磯村栄吾 …… 葛山信吾 (公安部外事第三課捜査員)
松下伊知郎 …… 名高達男 (警視庁通信部長・警視長、東大)
鈴木光彦 …… 大森博史 (警視庁地域部長・警視長、東大)
原子嘉和 …… 大出俊 (警視庁公安部長・警視監)
寺門宗佑 …… 佐々木勝彦 (警視庁警察学校長・警視長)
井手実篤 …… 井上高志 (警視庁警備部長・警視監)
鶴岡小太郎 …… 佐渡稔 (警視庁交通部長・警視長)
田中靖 …… 五王四郎 (警視庁総務部長・警視監)
川上博康 …… 重松収 (警視庁組織犯罪対策部長・警視長)
丸山英明 …… 平岳大 (警察庁長官官房室・警部)
曹良明 …… 本宮泰風 (潜入捜査)
飯島政史 …… 小木茂光 (警視庁警備部警備第一課課長・警視)
磯村幸恵 …… 丘みつ子 (母)
李華来 …… 江波杏子 (福建省)
田丸寿三郎 …… 品川徹 (警視総監)
金子文郎 …… 宇津井健 (警察庁長官)
長谷川宗男 …… 國村隼 (警視庁副総監・警務部長、東大)

金井シゲル、日向丈、藤井びん、田口主将、窪園純一、光岡湧太郎 
瀬戸口剛、大久保綾乃、江藤大我、重村佳伸、宮崎敦吉
高嶋寛、山本直輝、若狭勝也、池野浩子、鬼塚俊秀、前田一世 
田中昌宏、竹内和彦、八巻博史、新虎幸明、所博昭
午躍、ジェット・シー、斎藤幸男、倉迫偉世、長木昭親
アヒメット・タラット、岡本正仁、浜田大介、北岡龍貴
西沢智治、白井雅士、矢島悠子、Mikio Makino、Yutaka Yamagawa
Archie Ledesma、Mark Dolorito、Jessie Chua、Eiau Imperial


評価:★★★★★★★★☆☆ (8.0)

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