悪夢の破片 (1998年) Shattered Image

監督/ラウル・ルイス
出演/ウィリアム・ボールドウィン、アンヌ・パリロー、
グラハム・グリーン、リザンナ・フォーク、ビュル・オジエ

暴行を受けた女性がその後遺症によって夢と現実の二面性を現し、2つが
交錯しながら一連の事件の真相を解明していく映画。

能動的な側面を持ち 殺し屋として男性を追いつめる女性を演じる一方で、
受動的な性格を持ち 被害に怯えて暮らす姿形の似た女性が登場する。

この2つがそれぞれのアプローチの仕方で正反対の側面から近づいてくる
自分に対して、どのような意図を持っているのかを探りながら、混乱して
いる自己を一本化し確立していく。

視聴者は殺し屋という非現実的な姿を見て、自ずと受動的な女性の方を
現実の姿とし、他方の女性を思考の中で生きる架空の人物として捉えて
その行動を見守る。

非常に面白い要素は有ると思うのだが、ジャマイカという土地を舞台に、
その情景に調和仕切れていない不自然な4人のアメリカ人を登場させる
ことで、事件に対して先行きの狭狭しさを感じてしまう。

現実と非現実の絡みがもう少し互いの領域にまで踏み込み、自然に溶け
込み合うと面白いのだが、独立した中で2つが進行するために、区別が
はっきりとし、視聴者自身を混乱させるのが難しかった。

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