映画 「武士の一分」

監督/山田洋次
脚本/山田洋次、平松恵美子、山本一郎
出演/木村拓哉、壇れい、笹野高史、緒形拳、岡本信人
左時枝、綾田俊樹、桃井かおり、赤塚真人、近藤公園
歌澤寅右衛門、大地康雄、小林稔侍、坂東三津五郎
北山雅康、前田淳、高木稟、小豆畑雅一、佐藤亮太
五十畑迅人、ささの貴斗、那須佐代子、名取幸政、福田賢二
坂口進也、夏坂祐輝、佐藤照男、土井雅(アキ?)、後藤康之介
渡部将之、岡本裕輝、横堀悦夫、山路誠、植村喜八郎
石原誠、猪瀬悟朗、山岸快、菅野司、佐藤良太、若林久弥
白石義人、浜野道人、坂上祐哉、泉晶子、久松夕子、中村良平
田井弘子、吉田一都、高義治、瓜生まどか、平子哲充
筒井巧、前田こうしん、藤井佳代子、井上ユカリ、長尾澪
瓜生ちひろ、鈴木翔吾、栩野幸知

http://www.ichibun.jp/

東北の小藩の下級武士である主人公・三村新之丞。
毒味係として城内で仕えていた彼は、ある時突然毒によって
倒れる。3日3晩熱に魘されるもなんとか一命を取り留める。
病状は回復していく中で、視力だけはなかなか回復していか
なかった。

山田洋次監督による「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」
に続く藤沢周平原作時代劇の第3弾。

2006年度日本アカデミー賞に12部門ノミネート。
その中で笹野高史さんが助演男優賞獲得し、その他撮影賞と
照明賞を獲得した。

映画は倹しくも仲の良い夫婦の稼ぎ頭の夫が失明してしまう。
町の権力者であり武士である男に、生活のための助けを求めるが
その対価に妻がダマされその身を汚されてしまう。それを知った
盲目の夫が復讐を誓い、相手に決闘を挑むというもの。

主人公の盲目の男を演じるのが木村拓哉ということで、賛否が
分かれる所だと思うが、正直ドラマでみる彼の姿よりも全然
良かった。
失明したことによる絶望感。韓国ドラマでも時々見られる展開
だが、韓国ドラマではそんな事実を心穏やかに受け入れてしまう
のに対して、ここでは人間的な行動が包み隠さず描かれている。

勿論不自然な部分が多いのは事実だ。
立ち直りが早いこと、そして訓練次第で確かに相手との間合い
などは極められると思うが、それにしてはあっさりとそれを
身に付けてしまう。

更に一瞬で決まるべき決闘の場面も、見せ場とばかりに引き
延ばす演出はちょっと残念。一瞬の勝負だからこそ瞬きせず
全ての瞬間を見守りたくなるような内容にして欲しかった。

もう一つ難を言わせて貰えば、島田藤弥を決闘の場に引きずり
出すとき、あれくらいの事で島田藤弥自らがやってくるもの
だろうか?三村加世をダシに使っておびき出すくらいの狡賢さ
が無いとこの人は来ない気がする。

一度は浮気の事実を知って離縁してしまう。
しかし徳平の機転によって上手いこと全てが片付いた後に
再び二人を引き合わせる。
食べ物の味で相手のことを覚えているというのは如何にも
日本的な演出だね。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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