70年代下関を舞台とした女性4人の青春映画。

結構評判が良い映画のようだが、私的には滅茶苦茶睡眠効果の
高い映画だった。

70年当時の国民感情を反映し、むき出しにした反日、嫌韓感情が
終始ドラマを覆い、そのような中でも友情・愛情を育もうとする
日本人女性と韓国人男性の姿を描いたドラマ。家柄の違いによって
引き裂かれようとする「ロミオとジュリエット」と、1年に一度
七夕の日にしか会うことの出来ない男女の切ない関係を描いた
「織姫と彦星」をミックスして仕上げた現代版といった感じだ。

ドラマとしては青春回顧的な内容と同時に、愛や友情には言葉や
国境など関係ないことを知らせてくれる作品。

海をまたいでいるものの韓国に隣接している下関や福岡なんかの
地域では、このドラマのように反韓感情が強かったのかな。
埼玉県に住んでいると朝鮮差別なんて言葉は全くの無縁。
耳を傾けていないだけなのかもしれないが、そのような偏見に
満ちた視線で朝鮮半島を眺めている人を今までに見たことがない。

睡眠効果の高かった理由は何だろう。
素材的にはもの凄く面白くなりそうなドラマだし、出演している
女優陣も魅力に溢れる人ばかりだ。

男性の監督・脚本家が女性視点の青春映画を作った故の弊害だろうか。
一番の理由は、物語が淡々とし過ぎて妙味に欠ける話だった事。
まるでダシを入れ忘れた味噌汁のような薄味さ。

また70年代の描写と日韓に於ける表面的な摩擦ばかりをベタベタと
貼り付けた印象が残る。
恋愛そのものを楽しませるよりも、当時の情勢を知らせるばかり
の映画になってしまった。

もう少し物語に興味を引かせる為の演出をしたらどうだろうか。
粋が良いように現代劇と回想シーンを組み合わせたり、ラストで
の再会を活かすためにも、2度目の再会は寧ろ省いてしまった方が
ドラマとしては成立すると思う。

当時の日本人と韓国人の意識レベルの違いを見せるシーンなどは
なかなか良かったと思う。
ただ南北関係にまで言及したのは、ちょっと行き過ぎか。

それとやたらと着替えのシーンが多かったのは監督の趣味なんで
しょうか?(+_+

不思議と夏の映画、スポーツ題材という割りには、汗や暑さを感じ
ない作品だったと思う。

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)