芙蓉鎮 (1987年)

出演/劉暁慶(リウ・シャオチン)、姜文(チアン・ウェン)、
鄭在石、徐松子(シュイ・ソンツ)

映画のタイトルになっているこの漢字(芙蓉鎮)、なんて読むのだろ
うか。
検索してみると"ふようちん"。中国語読みで"Fu Rong Zhen"
英語のタイトルはハイビスカスタウン。
中国の湖南省にある小さな村の名称。
芙蓉が地名で、鎮は日本で言うところの行政区のようなものらしい。
映画の主人公は米豆腐店を営むが、決して琉球料理の"とうふよう"
とのタイトルと語源の関連性は無さそうだ(´ω`=)


映画は1966年、中国に吹き荒れた10年間に渡る文化革命の粛正に巻き
込まれた市民たちの悲劇を描いた作品。

この映画を見ていれば、如何に文化革命が愚かな事で、
歴史的な汚点を残してきたのかその一端を知ることになる。

裁判という名の下で思想・政策を公衆の面前で教育し、徹底した
階級制度と戸籍制度によって人民の手足の自由・思想の自由を縛り
付ける、それはもう恐ろしい状況がそこには有る(`皿´;)

"富農"という言葉を聞けば資本主義の価値観からすると、成功者を
イメージするが、ここでは当然にブルジョアの象徴でしかない。
そんな富農に認定された女性と反革命派分子として認定を受ける男性。
時には猛烈な左派の権力者が、右派の人物として罰を受けるという
苦楽の入れ替わりが激しい映画だった。

時の権力者の裁量によって、意図も簡単に一人の人生を左右し、
まるで国全体による虐めの構図・国の認可を受けて罰という名の虐めを
見ているようで気分が悪い映画なのだが、不幸続きの主人公の幸せを
祈願をしつつも、政権の交代により価値観の120%変わった時の権力者の
転覆した姿とその周囲のリアクションが、映画としての見所である。

この映画が好きな人は、朴鐘元監督の韓国映画"我らの歪んだ英雄"
(1992年)がお奨め。恋愛要素は全くないが、墜落した権力者のその後の
姿に注目が集まる映画d(゚ー゚*)

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