害虫 (2002年)

監督/塩田明彦
脚本/清野弥生

http://www.nikkatsu.com/oldmovie/gaichu/

未成熟で不安定な一人の女の子の心情を察して相談出来る大人が居ない状況が、
如何に恐ろしい顛末を生むのかを永遠と残酷なまでに突き放して描いた作品。

意図的に非常に台詞の少ない演出で構成され、そんな舌足らずな演出から次第に
全体像を浮かび上がらせていく構成は斬新と言えば斬新なのだが、映画は
あまり面白くなかった(´−`;)

何故こんなにも不幸なのかという憤りにも似た感情と共に、普通ならばそんな
逆境に立ち向かうべき方向性を最後に確立するものだと思うが、映画は徹底的に
突き放して、自らもそんな逸機を放棄しようとする。

やはり苦しいときには苦しいと叫ぶのが人間ではないだろうか。
過去に決別を付ける直前には、そんな不満が噴出し、その捌け口をどこかに
求めるものだと思うが、変に大人子供してしまい感情を表に出さず、自分の境遇
の苦しさを相談する機会があるにも関わらず最後まで誰にも語ろうとはしない。

一体何を言いたい映画なのかよく分からなかった。
同情に値する境遇だとは思うが、同情のされづらい描かれ方をしているので、
なんとも消化不良を起こす。

そんな冷酷な評価を付ける自分がまた嫌になってくる不快感さを味わせてくれる
映画だったΣ(・o・;)

そんな中でもカル鴨の親子のように人の後ろをついていく宮崎あおいがイジらしく、
常に友人の気を使う蒼井優の可愛さに救われる( ´△`)

評価:★★☆☆☆


宮崎あおい....主人公
田辺誠一......小学校時代の先生
沢木哲........途中で出会う青年
天宮良........りょうの恋人
石川浩司......謎の浮浪者
蒼井優........同級生
りょう........母親
伊勢谷友介....コーヒーショップで出会う怪しげな人

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