ハチミツとクローバー(2006)

監督/高田雅博
脚本/河原雅彦、高田雅博

[ドラマ版]


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花本研究室三年合同親睦会。略して花本会がこの日も開催され
る。竹本は何処か健康的すぎて美大生に見えないと女生徒たち
の噂になっていた。ビールを取りに行く生徒達。二階で見知ら
ぬ生徒が居ることに驚きを見せる。花本修司からその子は親戚
の子で美大生の一人・花本はぐみであるという。竹本は彼女を
一目見た瞬間、恋に落ちたのだった。

翌日、商店街で花本先生と偶然会った竹本ははぐみの面倒を
見て欲しいと頼まれる。はぐみは一人で食事をするのが苦手
だとの事。竹本はまたとないチャンスに喜び、食事する彼女
の姿を静かに眺めていた。食事が終わるとはぐみを研究室へ
と連れて行く。すると研究室には見慣れない生徒が居た。
芸術のための放浪の旅に出ていた森田が帰国していたので有る。
森田ははぐみが描いた絵を褒める。人一倍人見知りするはぐみ
は竹本の背中に隠れる。そして隙を見て絵を奪い取り何処かに
逃げ去ってしまう。
森田が他人を褒めるのは始めて聞いたという竹本。
帰る途中のはぐみの姿を山田は見かけて声を掛ける。
一方竹本は森田を部屋に泊める事になった。森田が持ってきた
絵を眺めてやっぱり凄いと感じる竹本だった。
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先日までドラマ版を放送していたので気になって映画版も
見てみた。
ドラマ版を見た映画版のファンにとってドラマ版の出来の悪さを
嘆いているけど、個人的にはドラマ版の方が見応え有る内容
だった。
2時間で6人の物語をそれぞれ完結させるのはちょっと厳しい
感じがするね。

ドラマ版は芸大生の将来に対する展望や現実、希望など色濃く
描かれた部分が多いが、映画版は殆ど恋愛要素ばかりの抽出され
た内容。しかも片思いの切なさばかりを描いた話になっている。
壊滅的なのははぐみの描く絵がドラマ版と比べ、映画版では
正直お世辞にも目を惹くような作品ではなくなっている点か。

学科の違うメンツが花本教授という軸を頼りに集うというのは
実に面白いが、あんまり友人と言うほどの関係に見えないところ
はマイナス点。
竹本の見どころである自転車での旅の中から将来に対する展望
を見出す所などさらりと描かれ過ぎているし、山田と真山と
原田理花の三角関係はあまり深いところまで物語が突っ込んだ
気がしない。

唯一のドラマは森田とはぐみの関係か。
中途半端な作品を出品し、それが500万円という大金の値を付け
て落札されている点。芸術に対する価値の評価の難しさを感じ
るが、森田が納得いかないのを承知でこれを個展に出したのを
知っているだけあり、このエピソードに着眼点を持ってきたのは
面白いと思う。ただしこの作品を燃やしたことが、即はぐみの
悩みの一端で、解消されるというのもまた変な流れだった。

大体どのメンバーもキャラクターとしてはハマっていたと思う。
ただドラマ版の真山役を演じた向井理が格好良すぎたことも
有り、映画版はストーカー要素も相まってちょっと魅力が落ちる
気がする。

櫻井翔 ……… 竹本祐太 (建築家)
伊勢谷友介 ……… 森田忍 (彫刻科)
蒼井優 ……… 花本はぐみ (油絵科)
加瀬亮 ……… 真山巧
関めぐみ ……… 山田あゆみ (陶芸科)
堺雅人 ……… 花本修司 (教師)
西田尚美 ……… 原田理花 (デザイナー)
堀部圭亮 ……… 藤原ルイジ(兄)
宮崎吐夢 ……… 藤原マリオ(弟)
銀粉蝶 ……… 幸田先生
中村獅童 ……… 修復士
利重剛 ……… 喫茶店「風待ち通り」マスター
春田純一 ……… 刑事
清水ゆみ ……… TVレポーター“イケメンハンター”
池田鉄洋 ……… デザイナー
真島啓 ……… 美術評論家
浜野謙太 ……… 学生
田辺誠一 ……… 原田

ジェイ・ウエスト、岩崎裕司、内野兼太、ともさと衣
尼子永実、ティアラ、平野靖幸、滝直希、浜野謙太、ナジード
佐々木一平、川口寛、岡部尚、小林健一

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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