いま、会いにゆきます (2004)

監督/土井裕泰  脚本/岡田惠和
出演竹内結子、中村獅童、武井証、美山加恋、浅利陽介
平岡祐太、大塚ちひろ、中村嘉葎雄、市川実日子、YOU
松尾スズキ、小日向文世

2005年の夏クールに放送していたドラマ版。今読み返すと
結構酷評している感じもするのだが、映画版ではドラマ版での
欠点が全て補われた格好になっている。
映画版の方が先に公開されているので補うという表現は可笑しい
かもしれないが、ドラマで退屈だった人にも映画版は面白く
見ることが出来るかもしれない。

ドラマ版は、あらゆる意味での尺の取り方に失敗した感じがする
が、映画版は演出、編集、映像共に全てが上手く表現されている。

2時間のドラマの中で、出会えば何度でも好きになってしまう相手
との恋愛模様が上手い感じに演出されているし、このまま側に
いたいと願う竹内結子の気持ちにも納得できる出来。また子供
である武井証が自分の責任で母親を亡くしてしまったと負い目に
感じている点も、上手い形でフォローしているし、なんといっても
母親を亡くして落胆している家族に、彼女の出現によって再び
幸せの火が灯った事が上手く演出されているのだ。

ドラマとして上手いと感じる点は、学生時代の出会いから結婚に
至るエピソードを記憶を無くしている竹内結子に語って聞かせる
展開の中で、中村獅童が不安に思っていた相手の気持ちや不可解
なエピソードを、最後の日記を読むことによって、全貌が明らかに
なる展開を用意している点だ。
一つの物語を別の側面から捉えることによって、とても深みの
あるドラマになっている。相手側の気持ちを中心に描く事だけでも
これだけ違った感じにドラマが見えるものだなぁと感心させられた。

やや不自然さが残る所は、市川実日子に家族のことを託そうと
する点か。
竹内結子が再び居なくなる事への無念さと、彼女の内心を描く
為の演出とはいえ、竹内結子と市川実日子の接点はかなり弱いし、
この行動は出来過ぎている感じもする。とても良いシーンだけに
ちょっと残念だ。

この辺の繋がりの弱さを補うために、ドラマ版では二人の関係
を学生時代からの親友という事にしたのかもしれない。

庭にひまわりが沢山咲いている演出もとても良くできていたと
思う。ケーキ屋がつぶれたのは時間の経過を感じさせる演出でも
有りちょっと寂しかった。

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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