ケイゾク / 映画 Beautiful Dreamer
(2000年3月4日公開)

脚本:西荻弓絵
監督:堤幸彦 
製作:児玉守弘、阿部忠道、大月俊倫 
プロデューサー:田中筋朗、濱名一哉 
プロデュース:植田博樹 
企画:原田俊明

http://www.tbs.co.jp/drama_archive/keizoku/index-j.html


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壺坂は斑目の前にやってくる。指紋を調べさせて貰ったと言う
と壺坂は斑目の片手を握る。そしてもう一方の手で手榴弾を
取り出すと手を握ったまま栓を抜いて自爆する。

"貴方に会えて良かった。もう一度で良いから笑顔に逢いたい"
純は真山の病室で目が覚める。彩もやってくると、純が書いた
詩がベッドの近くに落ちている事を知り拾い上げる。純に好き
な男が出来たのか?と騒ぐ。
真山と彩は射撃に行く。

一方定年まで残り10日の野々村。まさか生きて定年を迎えると
は・・・しかも結婚する目処も立ったという。野々村は退職金
の3千万円で、妻の昭子も離婚に合意してくれるのだという。
そんな中、塩川正義が2係にやってくると、新しい人事の発令を
する。今日新しい係長がやってくるという。野々村はアテにし
ていた退職金が満額もらえない事にショック。そこに純がやっ
てくると、彼女が新しい係長であることを知る。
"みんなのハートを逮捕しちゃうぞ!"
新しく係長になった彼女の第一声だった。野々村は教会の牧師
の元に行くと、悲劇を嘆く。そして雅の前に行き、妻と別れる
為の条件が揃わなくなったと告げる。

そんな中、15年前に沈没した豪華客船・第七神竜丸の生き残り
であるという磯山早苗とその娘の章子(23歳)がやってくる。
母はあの事故で生き残った7人のウチの1人だという。
1985年3月24日、厄神島に向かう9人のウチ2人だけが亡くなった
という事件。その原因は分かっていなかった。章子は、あの島
には言い伝えがあり、時に消えるという噂が有るという。
過去にも33件の船舶と7件の飛行機が消息を絶っているとし、
30年前には島民の全てが消え、島自体も消えるのだという。
そんな中、ウチに一通の手紙が届いたという。

手紙には生き残りの家族である霧島七海(22歳)からのもの。
22歳の誕生日を機に事件のことは忘れて前向きに生きたいという。
そこで古くからの友人や事件の関係者を招いてパーティーを
開きたいという。あの事故で亡くなった2人とは、七海の父・
慈朗と妻の直子だけだったという。あの事故以来、早苗の様子が
おかしくなったとの事。是非とも警察にも帯同して欲しいと
告げる。くじ引きで厄神島に行く人が決定する。

翌日、章子は母は倒れたので変わりに自分が行くという。
島に行く船に乗るのは、

エッセイストの長谷川裕子
不動産業をしている栗原宏悦
弁護士をしている瀧山吉弘
かつての豪華客船の乗組員の仁平智
建築家で現在アルコール中毒の内藤亜希雄
そしてSMクラブ"食物連鎖"で奴隷をしている喜多一尋はかつて
慈朗の下についていたものだという。

その頃東京放送に足を運ぶ野々村。彼は妻の昭子に事情を話し
離婚の際の金が満額払えなくなった事を告げ、136万円まけて
欲しいと頼む。何せ妻の年収は1億4千万円。しかし妻は残り
は200万円にアップするという。

厄神島に到着する。宿泊する城へと足を運ぶと、招待した主の
七海がヴァイオリンの演奏で迎える。すぐに食事の用意をする
とし、食事になるが、何か楽しいイベントでも無いのか?と
招待客が不満を告げる。すると七海は今から余興を始めるとい
う。今から予言をすると告げ、今からカードを配るという。
その際真山と純には遠慮して欲しいという。この島は色んなもの
が消えると告げ、全ての時を刻むものが消えたり、渡り鳥が
消えたり、そしてまもなく一人の命が消えるのだという。
一番大きな数字を引いた者が亡くなるという。大きな数字を
引いた栗原は、口から血を吐いて亡くなる。まさか夕食に食べた
豚足に毒が入っていたのか?七海は島の神が起こしたことである
事を告げる。
しかしそのやりとりを見ていた純は、トランプのトリックを
暴いていく。用意されたトランプのカードはどれも象徴的な
数字だけであり、このトランプは裏にしていても数字が分かる
様なマジック用のトランプだという。予め毒を飲ませられていた
栗原が一番大きな数字を引いていたのを知って、そのような予言
を出したのだという。
しかし七海は臆する様子もなく、犯罪は立証できないと罪では
無いという。

七海はここにみんなを読んだ訳を語り始める。
私の両親は当時救命ボートに乗せられずに死んだのだという。
それを聞いた生き残りの人たちは7人乗りの救命ボートなので
乗せられなかったという。自分で犠牲になると言ったのだと
告げると、本当の事を言ってくれと七海は訴える。それまで
一人一人に死んで貰い、純には証明になってもらうという。
招待客はバカバカしいとして、すぐに島から出ていこうとする
が沖に停泊していた船は消えて無くなっていた。取りあえず
皆各部屋に戻ることにする。

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亡くなったかと思っていた真山も生きている事が分かり、純も
八王子西署署長から、2係の係長の座を得て舞い戻ってくる。
そんな中、15年前の沈没船の関係者の元に一通の手紙が届く。
関係者同士のパーティーが開かれるとのことで、純と真山は
依頼され警護のために付いていくが、その島は何でも消えると
噂される厄神島。しかもそこは死の世界である黄泉の国とも
通じているとの噂が有った。

今回の沈没船騒ぎの話が終わった後に30分程度、朝倉話が
絡んでくる。
純や真山の内面的な心の傷の部分を抽出して描いてのことなの
か、それとも本当に目の前に敵がいるのか。
島に発生するガスの力によって単なる幻覚を見ているだけの
ような感じもするし、その様な状況の中から発生する純と
父の対面はこれまでに描かれたことの無かった部分だ。

パーティーの招待客として、15年前の事件の真相を知る当事者
が集められるという設定はありがちな感じもするが、みんなが
みんな仕事も生活もあるだろうに、よく集まったね。
当時豪華客船が沈没したとしながらも、乗客がたったの9人だ
ったり、七海と厄神島の関係など、イマイチよく変わらない
設定もある。

内容が「トリック」に最も近づいてきたような話で、まさか
二つの同じホテルが建設されているとは思いもつかなかった。
想像できるだけの余地が少なく、純の謎解きを待つばかりの
展開だったが、わざわざホテルからホテルへと部屋の物を運ん
でいく辺りの設定は少々強引かも知れない。予め全く同じ内装に
しておけば良かったのではないか。

犯人は霧島七海が主導しているものであるが、徐々に
共犯者の存在が明らかになる。それが磯山章子であろう事は
想像に難くないが、二卵性双生児故に比較されて育ってきた
姉妹の切ない境遇が描かれた。ただ憎んでいたとしも、殺害
にまで及ぶ辺りは、理解しがたい物がある。

結局15年前の事件は、金絡みという事で良かったのか?
最後には誰が生き残っていたのか良く分からないものが有ったし、
夢オチにしては、何処までが夢で現実なのかも良く解らない。

真山自身、最初から存在していないのではないかと思う部分
も有ったが、流石にそれはなかったみたいだ。


柴田純 …… 中谷美紀 (24歳・警部補。東大卒のキャリア組)
真山徹 …… 渡部篤郎 (32歳・警部補。捜査一課弐係・主任)
野々村光太郎 …… 竜雷太 (59歳・警部。捜査一課弐係係長)
近藤昭男 …… 徳井優 (39歳・巡査。捜査一課弐係・機械好き)
谷口剛 …… 長江英和 (40歳・巡査部長。捜査一課弐係・長身)

木戸彩 …… 鈴木紗理奈 (22歳・捜査一課一係の庶務)
壺坂邦夫 …… 泉谷しげる (60歳・警部補。"タンツボ")
林田誠一 …… 矢島健一 (40歳・早乙女管理官の腰巾着)
長尾昇 …… 有福正志 (46歳・早乙女管理官の部下)

斑目重友 …… 村井克行 (公安時代の真山の部下)
朝倉裕人 …… 高木将大 (22歳・真山の妹を輪姦)
真山沙織 …… 多田亜沙美 (17歳・真山の妹)
今井夏紀 …… 峯村リエ、今井夏木 (婦人警官)
大沢麻衣子 …… 西尾まり (25歳・世田谷区役所勤務)

遠山金太郎 …… 生瀬勝久 (柴田の後任、京大卒のキャリア組)
塩川正義 …… 伊丹幸雄 (管理官)

霧島七海 …… 小雪 (15年前に亡くなった慈朗と直子の娘)
長谷川裕子 …… 片桐はいり (エッセイスト)
瀧山吉弘 …… 田口トモロヲ (弁護士)
喜多一尋 …… 酒井敏也 (SMクラブ"食物連鎖"で奴隷)
内藤亜希雄 …… 三角八朗 (元建築家)
栗原宏悦 …… 大川浩樹 (不動産業)
仁平智 …… 野添義弘 (船長)
磯山早苗 …… 津田延代 (章子の母)
磯山章子 …… 大河内奈々子 (養子として出される)
醍醐雅 …… 永田杏奈 (野々村の彼女)
柴田純成 …… 梨本謙次郎 (純の父)
野々村昭子 …… 泉ピン子 (光太郎の妻)
金魚売りの男 …… 天本英世

少女時代の柴田 …… 小島莉子
少女時代の七海 …… 後閑まや
少女時代の章子(美空) …… 小西舞
柴田の母 …… 華月ともこ
的おやじ …… 谷津勲
船長 …… モッコリ・ブロンソン
路地裏の舞踏者 …… 山本光洋、藍義啓
女王様 …… 凜龍
霧島慈朗 …… 高杉航大 (父)
霧島直子 …… 今村明美 (母)
看護師 …… 重水直人、徳井広基
神父 …… トニー・セテラ
桟橋の男 …… ゲーリー・モーガン
長谷川の運転手 …… サムエル・ポップエニング
壺坂の妻 …… 清水みち子
春日井順三 …… 横村直子
佐野珠美 …… 石川敬三
藤岡大樹 …… 鈴木浩明
池田幹 …… 小泉みほ

デビット伊東、Bro.KORN、KERA、犬山犬子、徳山秀典


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