きっと忘れない (1994年)

監督/アレック・ケシシアン
出演/ジョー・ペシ、ブレンダン・フレイザー、モイラ・ケリー
パトリック・デンプシー、ジョシュ・ハミルトン、ゴア・ヴィダル

先日見た「フィッシャー・キング」のロビン・ウィリアムズと、人物描写
に関して類似する点が多い所に驚いた。多分途中で入れ替わっても
"吹き替え"版ならば違和感が無いかも知れない(´▽`)

未来有望なハーバードの大学生と社会からドロップアウトしたホームレスと
いう対称的な姿に加えて、親から捨てられて苦学生として今の地位まで
上り詰めた男と、片や子供を捨てる形で今の立場に居るという、徹底した
相反する設定をぶつけて演出したという不思議な交流の映画。

名門ハーバード大学で 卒業を5ヶ月後に控えた4人の級友の元に、有る意味
一つの"縁結び"の神様が舞い降りたかのように、互いの溝・微妙な隙間を
埋めていく。

ホームレスを演じているジョー・ペシが数々の苦境を、得意の弁才を活か
して切り抜けていく様が楽しい映画だが、その演技の表現が相変わらず
突出していて、ジョー・ペシ一人が全てを牽引し過ぎている。それは
まるで独り舞台だ(゚□゚)

互いに欠けている部分というのは上述した中でも見られるとおり、父親
を憎んでいたり、子供に後悔の念を持つ身として、補い合う部分が有る
にも関わらず、最大の見せ場である"息子との対面"では、詰られるだけ
詰られて、現状を打開した感じがしないのがなんともいただけない(´ω`=)

人物描写に関して掘り下げる面が不足し、現在の立場とその場を凌ぐ弁舌
の才能とのギャップから、ジョー・ペシ自身の過去に対する語り部に
真意性が有るのか判断に悩む面も感情移入がしづらい要因となった(・o・;)

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