恋空 (2007)

監督/今井夏木
脚本/渡邉睦月
プロデューサー/森川真行、那須田淳


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高校一年生の夏。
携帯電話をどこかに無くした美嘉は、必死になって探す。
親友の亜矢に美嘉の携帯に電話を入れてもらうが近くで音が
する気配がない。図書室で忘れたのかもと思いだし駆け寄ると
案の定携帯電話の呼び出し音が流れていた。落とした美嘉の
電話を誰かが置いておいてくれたのである。呼び出し音が鳴り
続ける為、亜矢に見つかったことを報告しようとするも、
電話口に出たのは誰だか分からない男性の声。その日以来、
夏休みは毎日のようにその男性から電話がかかってくる様に
なる。相手は美嘉の事を知っているが、美嘉は相手の男性が
誰なのか全く分からない。毎日相手の男性像を会話の中から
探っていく事になる。その日も朝まで電話をかけ続けていた
美嘉となぞの男性。男性から窓から外を見てといわれ、空を
眺めると青空の中、飛行機雲が見えた。一緒に朝を迎えた
記念に互いに空の写真を撮ろうという事になる。
夏休みの最終日、いつものように彼から電話が鳴る。
明日プールサイドで会おうという事になり、いよいよ相手の
正体が分かる事に胸を躍らせる。そしていざ彼に会うと、
金髪頭の悪そうな男。彼は手に花を持ってきて美嘉にプレゼ
ントするが、電話のやりとりからイメージしていた純粋さと
はかけ離れていて失望すると共に、電話の男性ならばむやみ
に花を摘んでくることは無いとして花を受け取らず走り去って
しまう。しかし翌日美嘉は、彼が公園の花壇で花の手入れを
している姿を目撃する。
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ドラマ版で有る程度、展開の酷さを体験しているためか、
その後に見たこの映画版は予想以上に良いドラマだった。
この映画、酷評するか、感動するかに評価が分かれている作品
だと思うんだけど、そんなに酷評するほど悪くない印象だ。

勿論ドラマ版同様にあらゆる衝撃的な展開がてんこ盛りだ。
強-姦に妊娠、流産。そして極めつけはガンによって亡くなって
しまう。

映画版とドラマ版の違いは、何と言っても主人公の性格や行動、
更には二人の出会いの差であると思う。

ドラマ版の主人公の根性の悪さは度を超えていたが、映画版の
ヒロは心の優しさと外見のギャップを上手く描き出している。

何と言ってもこの映画の良さは、純粋性を演じた新垣結衣
と一つの愛を貫き通すヒロの姿だ。
流石に金髪頭が公園の花壇の世話をしている姿には信憑性は
無いのだが、この行動をきっかけにして彼の中の純粋性を
見出していくわけだし、このドラマの出会いを電話口の声の
やりとりだけで行われるため、外見や偏見に関係なく相手の
心を見通す事が出来たという展開の取っ掛かりの良さが全て
だった。

映画では毎年クリスマスの日に公園の花壇で出会う事になる
けど、この辺もう少し予め取り決めによって時間指定間まで
してあると分かるんだが、偶然にしては毎年出会ってしまう
という所がやや不自然なところか。

ドラマ版では家族に結婚を許してもらうまでのエピソード
だったり、ヒロが美嘉の家族に取り入るまでの努力だったり
心の繋がりが有るわけだけど、映画版はバッサリとカットされ
ている。

最後にヒロはカメラの現像を頼む。
それに写った写真には、美嘉の写真ばかりで如何にも愛情に
溢れているが、それと同時にヒロの写真が無いことで、
案外彼女にこの恋愛を引きずって欲しくない願いなども込めら
れているのかもしれないね。

自殺するときの鳥のCGはドラマ版同様にヘボ過ぎて笑える所。

それにしてもホント新垣結衣の可愛さに尽きる映画だね。
制服が着られる内にどんどん青春映画に出演しておくべきだと
思う。

新垣結衣 (田原美嘉) 高校一年生
三浦春馬 (桜井弘樹(ヒロ))
小出恵介 (福原優) 大学生
香里奈 (ミナコ) ヒロの姉
臼田あさ美 (咲) ヒロの元彼女
中村蒼 (ノゾム) ヒロの友人
波瑠 (亜矢) 美嘉の友人。ノゾムの彼女
大平奈津美
浅利陽介 (ケン) 優の友人
深田あき (田原さおり) 美嘉の姉
山本龍二 (桜井博一) ヒロの父親
麻生祐未 (桜井明美) ヒロの母親
高橋ジョージ (田原勝治) 美嘉の父親
浅野ゆう子 (田原安江) 美嘉の母親

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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