故郷への遠い道  (1988)
Tiger Warsaw

監督/アミン・Q・チョードリ
脚本/ロイ・ロンドン

思春期に家庭内で起こったいざこざが元で街を飛び出した男が
和解しようと故郷に戻ってくる話。

ツイン・ピークス」に出演する前のパイパー・ローリーが
出演している映画。といってもパイパー・ローリーと言えば、
ハスラー」だったり「キャリー」の印象が強いかな。

この映画でも母親役で出演している。
若気の至りとも言うべき思春期に起こした息子の事件を家族の
中で唯一真正面から受け止め、許している役柄だ。

家族の人間なのに接近禁止命令が出ている息子と家族(父・母・
姉)の葛藤を描いた作品で、面白そうな映画なのだが、ドラマ
としてはイマイチだった。

街を飛び出して以来空白の15年間。
街の様相が変わり、旧友らも殆どの人間が家庭を持っている。
しかし街の喧噪とは違い、周りの人間は未だに当時犯した事件の
事を誰もが覚えており許していない。

最も葛藤すべき人物は息子と父親なのだが、それ以外の人物が
ヒートアップし、父親は何故息子を許そうとする気になったの
かも演出として明確化されていないところが、映画を難解なもの
にしている。

接する態度自体には主人公が改心したと思える点はあるのだが、
やはり伝えるべきは、体当たりで表現することだ。
どうするとその誠意が伝わるのかをドラマとしては演出しなけ
ればならなかった。
また不利な点として、パトリック・スウェイジという人物の中に、
それ程酷い過去があるとは思えない所が、映画として不利に
働いている点か。

15年も経つのに未だに許せない事とはいったい何なのかという
主人公の過去が知りたくなるのだが、その過去もなんだか真相
がよく分からない。

折角姉の結婚式という舞台を用意したのだから、もう少し気の
利いた演出が有っても良かったのではないだろうか。

評価:★★★★☆☆☆☆☆☆ (4.0)

パトリック・スウェイジ (チャック・ワルシャワ) 若い頃ワルだった
バーバラ・ウィリアムズ (カレン・アンダーソン) チャックの元彼女
パイパー・ローリー (フランシス・ワルシャワ) チャックの母
メアリー・マクドネル (ポーラ・ワルシャワ) チャックの姉
リー・リチャードソン (ジョン・ミシェル・ワルシャワ) 父
Bobby Di Cicco (トニー) チャックの親友
Jenny Chrisinger (バレリー) トニーの妻
James Patrick Gillis (ロジャー) ポーラと結婚する
Michelle Claven (エミリー) カレンの娘
Kevin Bayer (ロビン) カレンの息子
Beeson Carroll (ジーン) 叔父
Sally-Jane Heit (バーバラ) 叔母
Kaye Ballard (テルマ) 叔母
トム・ウッド (フォンタナ) 警察官
Don Brockett (カール) ミシェルの友人。車を運転
Socrates Kolitsos (スタン) ミシェルの友人

inserted by FC2 system