レイクサイドマーダーケース
(2004年) 監督/青山真治 脚本/青山真治、深沢正樹 出演/役所広司、薬師丸ひろ子、柄本明、鶴見辰吾、杉田かおる 黒田福美、眞野裕子、牧野有紗、村田将平、馬場誠、豊川悦司 |
東野圭吾原作の映画化。
受験の為に湖畔の別荘で合宿して居る中、一つの殺人が起こる。
犯人もすぐに自白するのだが...。
受験のためには何をしても良いのかという展開に始まり、子供の事を
思う親心で帰着する。どちらも結局同系列の動機でもあるので、
大して驚きはないのだが、サプライズが起こるのは、誰が殺したのか
にある。
確かにドラマでは殺人事件という事実を知った役所広司が目にする
光景はどれも不自然な事ばかり。
自白した薬師丸ひろ子は、人を殺したのにもかかわらず、何処か
不自然にも凜とした態度が見て取れるし、周りで隠蔽しようとする
人も、妙な聞き分けの良さなのだ。また殺した本人らは、飄々として
ゲームなどして遊んでいる。
役所広司が愛人の元に外出している間に事件は起こり、その間に
偽装工作しているものたちがいる。短い期間の割には、仕掛けた
本人たちも、よっぽど理解できない事態に陥っているはず。
その辺の感覚は最初に面会したときの彼らの表情に表れているの
かもしれない。
子供の心は理解することが出来ないが、大人が守ってあげねばなら
ない存在というのも何処か釈然とせず、その説得力の無い部分を、
役所広司自身の本当の親では無いという部分に押しつけて逃げ隠れ
している面がある。
結局多勢に無勢と言った感じに言いくるめられた感も強く、
妙な論理を上手いこと理解せざるを得ない状況を作らされてしまう
感じがしないでもない。
ただあまり映画に予算がかかっていなそうなドラマの割には
面白かった。世間的には惨敗だったような感じだが、これに懲りず
似たようなスタンスのドラマを作って欲しい。
評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)