ラスト・プレゼント (2001)
LAST PRESENT

監督/オ・ギファン
製作/キム・ミヒ、キム・サンジン
脚本/パク・ジュンウ


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チョン・ヨンギとヤン・チョルスは売れないコメディアン。
番組の前説などをしてデビューする日を夢に見る。
なかなかチャンスが無いばかりか妙なプライドにより、クラブ
でのショウを拒否していることもあり、金欠状態。
そんな彼らに"鶴企画"と名乗る男・ハクスとハッチョルの二人
が声を掛けてくる。彼は二人が売れないコメディアンだと知り
才能だけでは売れない事を語りかけ、3ヶ月の間プロデュース
を任せてみないかと告げる。しかしその為の経費は1千万ウォン
用意しろと言われるが、ヨンギは金でTVに出演する気はない
としてきっぱり断る。
ヨンギは妻のジョンヨンと結婚してはいるが、関係は上手く
行っておらず、帰宅した彼にこれならば別れた方が良かったと
不躾に言葉を投げかけてくる。
ヨンギは両親の反対を押しきりコメディアンとしての道を進み
更には親の言うことも聞かずに結婚した為勘当されたので有っ
た。
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韓国で100万人を動員した大ヒット映画。
今でこそ100万人越えの映画は数多くあるが、この時は相当
話題になったと記憶している。

何と言ってもイ・ヨンエ。
夫の前ではツンとした態度を取るも、影では夫の成功を夢見て
あれこれ画策したり、夫の出るVTRを何度も見ていたりする。
時にプロデューサの妻に取り入ろうとする所など、過程とし
ては随分省略されているが、彼女のお陰で夫がのし上がっていく
という内助の功の見本的映画なのかも知れない。

映画として面白いのは、夫と妻、互いに内緒で相手の為になる
事を行おうとしている事である。
夫は最後に卒業アルバムに印の付いていたウォンジェ、エスク
ヨンマン、カク先生に再会させようと画策する。
妻は上述した通りに夫のためにチャンスを得ようと足繁く通う。

冒頭の展開を見る限りでは、破綻しかけている夫婦関係なのか
と思わせるが、実はしっかりと絆が繋がっており、その優しさ
が徐々に垣間見えてくるところなど、とても上手く演出されて
いる。

ヨンギが知らないふりをして、ジョンヨンの体に良さそうな物
を次々と与えようとしたりする部分など涙腺の弱い人ならば
泣けそうな場面の一つ。

コメディでのし上がる部分など、やや出来すぎている感じはす
るが、最後の決勝の場で、ようやく夫のしている事に対して
目前で笑顔を見せたこと。散りゆくジョンヨンを前にして、
コメディでのコントと展開をダブらせ、悲しむ演技をするヨン
ギの決して嘘ではない感情のこもった表情を見せるところは
とても良くできた場面だ。

旧友がなかなか面会に来られないというのもなんとなく分から
ないでも無い感情で共感できる。特に現状に於いて大成功を
収めているならば再会にも応じるのかも知れないが、駅前で
鯛焼きを売っている現状だったり、賭博している現状を見ると
とても見せられる姿じゃないよね。

命が散りゆく中で、逆に二人の出会いを対照的に挿入している
ところなど計算され尽くしているようで良くできているし、
何と言ってもイ・ヨンエのケンタッキーで働く制服姿に思わず
萌え〜と叫ばずには居られない映画だ。

イ・ジョンジェ (ヨンギ) コメディアン
イ・ヨンエ (ジョンヨン) ヨンギの妻。難病
クォン・ヘヒョ (ハクス) 詐欺師の兄貴分
イ・ムヒョン (ハッチョル) 詐欺師の弟分
コン・ヒョンジン (チョルス) ヨンギの相棒
ユン・ジニョン (ジニョン)
サ・ヒョンジン (ヘジョン)
イ・インチョル 詩が好きなジョンヨンの先生
イ・ムンシク (ヨンマン)

評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)

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