主水之介三番勝負 (1965年)

監督/山内鉄也
出演/大川橋蔵、天知茂、里見浩太郎、嵐寛寿郎、近衛十四郎
桜町弘子、入江若葉、芦屋雁之助、芦屋小雁

天地自念流と鏡心流、二つの相反する流派を持つ剣術師が、将軍家直属
の柳生備前守から勝利した方の流派を指南役として迎え入れると言われ
立ち会いを演じる。
門下生らの自尊心と私怨が渦巻く中で、流派の生き残りを賭けた壮絶な
戦いが行われる。

危険だと分かっていても戦いに赴かねばならない主人公と、それを止め
きれずに足から崩れる落ちる女性。何時戻るか分からない男性を
何時までも待つ事を誓う女性という構図は、昔の映画の美学とも言う
べき要素で、その様な映画の中で風俗文化の描写有り、主人公が複数
人に囲まれても涼しい立ち回りで形勢逆転し、相手を蹴散らしていくと
いうエンターテイメント性がふんだんに盛り込まれた内容。

有る意味、韓国ドラマの中で日本人が最も好む要素である"純愛"の姿を
この映画の中で見つけることが出来る。

どちらの流派も共に破門した夢殿主水之介と弥十郎という剣豪の存在が
有り、彼らが江戸を不在にした間、如何に成長しているのかが勝負の
分かれ目。流派存続の運命の全てが彼らに寄りかかり、一発の勝負に
緊迫感を与えると共に、空白の三年間の中に様々なドラマ性が詰まって
いる。

どちらが後先という問題は別にして、映画は典型的な香港のカンフー
映画の様な作品で面白かった( ´△`)

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