マイノリティ・リポート (2002年)

監督/スティーヴン・スピルバーグ
脚本/ジョン・コーエン、スコット・フランク

犯罪予防システムと言う名の権利が、個人のプライバーを犯し、
人の未来を奪うものとして存在している気難しい社会である。
やっぱり近未来は個人を管理するシステムが突出した形で現れる
のかと予感させるような演出を至るところで見られた。

どんな世の中でも少数意見は省かれてしまう傾向にあるが、
映画ではそんな意見の中にも時に真実が埋め込まれている事を
明示した。

完璧なシステムなど存在しない。
何故ならハイテクを使いこなす人間は必ずどこかでミスを犯す
からだ。
こんな人間のミスにつけ込んだ完全犯罪を企む物語と言うことと、
システムを利用していた者が逆にシステムに追われていく展開など
かなり興味深い内容も含んでいたのだが、ドラマはイマイチ面白く
無かった。

システムを司る“プリコグ”の存在が絶対なものとして描かれて
いるかと思えば、結論では人間に選択の余地があるとするなど、
映画では統一した世界観を描ききれなかった感じがする。

アクションシーンも殆どの場面をトム・クルーズ自身がこなした
ようだがもそのアクションシーンこそ、スピルバーグらしからぬ
爽快感が欠落していたように思う。


評価:★★★☆☆

トム・クルーズ...........主人公。犯罪予防局の一員。
コリン・ファレル.........予防局と権利争いしている司法省
サマンサ・モートン.......“プリコグ”の核
マックス・フォン・シドー.犯罪予防局・局長
ロイス・スミス...........犯罪予防局創始者の一人。
ピーター・ストーメア.....眼球移植の医師
ティム・ブレイク・ネルソン..収容所職員
スティーヴ・ハリス.......犯罪予防局の黒人
キャスリン・モリス.......トム・クルーズの元妻。
マイク・バインダー.......誘拐殺人の罪を着せられる人
ダニエル・ロンドン.......聖域を管理する職員
ドミニク・スコット・ケイ.トム・クルーズの息子
ニール・マクドノー.......犯罪予防局の副チーフ
ジェシカ・キャプショー...犯罪予防局・局員
パトリック・キルパトリック.犯罪予防局・局員
ジェシカ・ハーパー.......“プリコグ”のアガサの母親
アシュレイ・クロウ.......冒頭で出てくる浮気妻。
アリー・グロス...........妻の浮気を見つけ殺そうとする。

inserted by FC2 system