涙そうそう

脚本/吉田紀子 監督/土井裕泰

2006年に制作された映画。

映画は血の繋がらない兄妹の愛情がテーマとなっている。

当時どのくらいのヒットを収めたのかあまり記憶にないのだが、
インターネットの映画サイトなんかでは極端に評価の分かれる
映画で、涙する映画と捉える人もいれば、わざとらしい演技に
あり得ない展開だと酷評する人もいる。

実は韓国でも今年の5月に公開され、10万人以上の観客を集めた。
まぁ多くはないけど日本映画不毛の地韓国という事を勘案すれば
収益は出た方か。内容的には韓国ドラマにありがちな内容で
義理の兄妹の愛情だったり、出生の秘密が関わってくる話しで、
最後には育ててくれた兄が亡くなる。韓国でも受け入れられやすい
として興行に期待するモノが有ったのだろうが、流石にそれ程の
伸びは見せなかった。

自分を犠牲にして働いた兄が亡くなることの無念さ。
血の繋がりは無いとはいえ仲睦まじく育った本当の兄妹以上の
兄妹。
恋人と妹に挟まれ苦悩する愛の行方。

漫画「みゆき」を参考にしたような映画だが、なかなか面白かった。

二人の関係があまり異性の愛として発展しない様、極力抑えた
演出が良かった。

この兄が妹の父親として生きることを決意した気持ち。
学歴が障壁となった自分の恋愛経験を、妹にはさせまいとして
大学に通わせることを最後まで拘った兄の優しさ。

この辺が伝わるからこそ、互いに離れたくないのに離れていく
ことの無念さを感じることが出来る。
それ以上に成人式の晴れ着を見ることが出来なかった無念さ
なんかも良く伝わってくるね。エンドロール内で見せる
長澤まさみの着物姿がなんとも良かった。

そういえばこの映画、吉田紀子さん脚本なんですね。
よく見るとドラマ「ハタチの恋人」のメンバーがずらりと顔を
揃えているな。

出演
妻夫木聡、長澤まさみ、麻生久美子、塚本高史、中村達也
平良とみ、森下愛子、大森南朋、船越英一郎、橋爪功
小泉今日子、広田亮平、佐々木真緒、春名風花、大城美佐子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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