NAGISA -なぎさ- (2000年)

監督/小沼勝
出演/松田まどか、稲坂亜里沙、吉木誉絵、佐々木和徳
片桐夕子、松本智代美、芦川よしみ、佳那晃子、根岸季衣
つまみ枝豆、石丸謙二郎、柄本明

成長するには欠かせない"夏休み"の体験を通して、12歳思春期の少女の
成長した姿を描く。

舞台設定は60年代/昭和の夏・江ノ島。

良い感じの映画ですが、ドラマ性という面ではシナリオと演出に切れが
無く、ストーリー全体として見るとちょっと完成度は低いかな。

"なんとなく"良い雰囲気、"なんとなく"悲しい雰囲気が漂う作品ですが、
それ以上もそれ以下もない2%足りない日本映画(・o・;)

この映画、主人公が気が付かないところも含めて、幾つかの場面で
その後を左右するような非常に重要な選択のシーンが有る。
そんなシーンの輪郭をもう少し深く抉って、巧みなシナリオの構成を見せて欲しかった。

主人公だけではなく、親の世代から引き継がれたライバル関係がその選択
という言葉に集約されるように、現実として対称的な姿を見せているの
だが、その選択の一連の形がシナリオの中で不明瞭な形でしか現れてこない
のが問題だ。

選択と言ってもレコードプレイヤーを購入しようとする些細なものから、
人の命や運命を左右するような選択があるわけで、そこには失敗も有り
成功もあり、その過程には彼女なりの葛藤が有って、必ずしも満足の
いかない結末の形が用意される。そのような葛藤の分だけその後に降り掛か
る結果に感情が入り交じるものだが、一連のシナリオの構成の中に選択を
迫る状況が見づらく、ドラマとしてもやや盛り上がり所を失う。

私としてはその選択の全てが失敗し、結果を覗かせた後でも、あの時
この選択をしていれば良かったという後悔の余韻が欲しかった。

その余韻と格闘する姿そのものが、主人公の成長した姿を明確に示す
ものではないかな〜( ´△`)

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