日本沈没 (2006)

監督/樋口真嗣
脚本/加藤正人、成島出

静岡県の沼津市で大規模な地震が発生する。
家などの建造物が倒壊し、辺り一面火の海と化している。
一人彷徨う女の子・倉木美咲の姿を見て助けようとする
小野寺俊夫。しかし更なる地震の揺れで電柱が倒れ、
危うく下敷きになりそうなところに、ハイパーレスキュー
隊員である阿部玲子がヘリコプターでやってきて間一髪
彼女を助け出した。
小野寺俊夫は田所雄介チームの元で、深海調査を行っていた。
潜水艇(わだつみ6500)のパイロットである小野寺。
観測データを見ると驚くべき事が判明する。
コンピュータにシミュレーションさせた結果、海底プレート
の急速な沈降の結果、日本列島が338日で海底に沈むと出た
のである。すぐに首相らも同席している特別災害対策会議
でその事を発表するのだが、一部の議員からは信じてもらえず
鼻で笑われる。内閣総理大臣・山本尚之は事態を重く受け止め
日本人の避難先確保に動き出すというのだが...。

あまり期待していなかったが、期待していなかった分面白く
感じた。
この映画の中で起こっているドラマよりも、日本の変わり
ゆく姿に驚愕し、今後起こりえるかも知れない災害のシミュレー
ションとしての興味深さが存在する。

やはり何と言っても映画は日本が近い将来海底に沈むと判明
した時、日本の国民はどういう行動に出るのかという事の
興味深さだろう。
1億2000万人を越える人物が一斉に海外に逃げだす訳だが、
海外に行くための手段であったり、それだけの大人数の
受け入れ先の反応、そして誰が経済的価値を失った日本国に
手を差し伸べてくれるのかという事が、この映画の面白さ
だと思う。

ドラマの中で内閣総理大臣が外国の有識者から言われた事を
口にするシーンが有る。
この緊急時に何もしない方が良いという考え方。
愛する人、愛する国と共に滅んでいった方が良いというもの
だが、昔の日本人ならばこの決断にも一定の理解を示し、
潔く運命を受け入れたのではなかろうか。

海外に一斉に逃げるとなると必ず社会的弱者は置き去りに
される。山本尚之の言ったあの言葉をもっと抽出する意味
でも、この手の不公平感をあぶり出すようなドラマを
描いて欲しかったと思う。

正直、このドラマの中に出てくる恋愛劇には殆ど説得力が
無く、見る価値があるのかどうかは分からない。
映画「アルマゲドン」と同じく、愛する人の為に自ら犠牲
になるというオチだが、何もそんな所までアメリカ追従しなく
ても良いんではないだろうか。
別れの晩に二人がHして、小野寺俊夫が亡くなった後に
妊娠している事が発覚し、日本の未来は子供たちが作るんだ
というシナリオになるだろうと予想していたのだが、流石に
これは外れた(笑)

新聞の番組欄に「韓国、香港でNO.1ヒット」と書かれていた
ところがなんとも言えない。
明らかに日本が滅びる姿を見たい事の表れだよなぁ。

草なぎ剛 (小野寺俊夫) 国際海洋開発センター
柴咲コウ (阿部玲子) 東京消防庁・ハイパーレスキュー
豊川悦司 (田所雄介) 大学教授
大地真央 (鷹森沙織) 危機管理担当大臣
及川光博 (結城慎司) 国際海洋開発センター
福田麻由子 (倉木美咲) 両親を地震で失う
吉田日出子 (田野倉珠江)
柄本明 (福原教授) 富士山観測
國村隼 (野崎亨介)
石坂浩二 (山本尚之) 首相

六平直政、手塚とおる、大倉孝二、花原照子、和久井映見
長山藍子、遠藤憲一、村杉蝉之介、加藤武、北村和夫
矢島健一、大口広司、石田太郎、並樹史朗、松尾貴史
ピエール瀧、佐藤江梨子、津田寛治、池田成志、木村多江
前田愛、山田辰夫、福井晴敏、安野モヨコ、庵野秀明
富野由悠季、丹波哲郎

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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