映画「輪廻」

脚本/清水崇、安達正軌
監督/清水崇
出演/優香、香里奈、椎名桔平、杉本哲太、小市慢太郎
小栗旬、松本まりか、治田敦、佐々木麻緒、伊藤大翔
望月美緑、諏訪太朗、七尾藍佳、眞島秀和、佐藤貢三
森本浩、大槻修治、蟷螂襲、大田康太郎、川嵜祐樹
大田裕次郎、飯野茂男、竹勲、久保貫太郎、喜代原麻里
正木佐和、大林佳奈子、富永貴博、恵有一、沼波大樹
平岩トモミ、永野哲志、増本庄一郎、英由佳、原川真治
佐藤陽子、吉田智、海宝たまき、岡崎宏、松下太亮
山本彩乃、染谷裕正、吉満涼太、小谷力、相ヶ瀬龍史
いずみさえか、クラガノキイチ、三浦久枝、藤貴子
野村信次、潮見勇輝、和泉今日子、古谷泰時、西美子
西丸ひろし、戸田佳世子、岩崎友香、小川清乃、都築久弥
黒沢清、三篠美紀

「記憶」というタイトルで映画を撮影することになる。
映画は昭和45年に実際に起こった事件が元になっている。
当時ホテルで一家心中を図ろうとした大学教授・大森範久
は家族を巻き添えにしたばかりでなく、ホテルの従業員も
合わせて死者11人を殺害する事件に発展した。
この日、出演者を決めるためのオーディションが開かれる。
その中に新人女優の森田由香や杉浦渚が居た。杉浦渚は最近
になって人形を連れた少女の幻覚を見るようになっており、
何処かオーディションも上の空だった。

世界を視野に競作するホラー・レーベル“Jホラーシアター”
の第二弾作品。ただこの作品以降このレーベルで作られて
居ないところを見ると、企画としてコケたのだろうか。

映画はとても良い雰囲気で作られているし、優香の演技も
なかなかの好演だったが、シナリオが同じ展開の繰り返し
ばかりで途中で飽きてしまう。

人形を小道具として使ったり、廃業したホテルが舞台となる
辺りは如何にもホラー映画なのだが在り来たりの印象を払拭
するには至らない。

優香役の女性・杉浦渚を使って一体何がしたいのかがよく
分からず、結局現世に輪廻した人間達が、運命とばかりに
同じ末路を辿ってしまうところに不条理さばかりが残る。

それと途中まで杉浦渚と木下弥生は同じ人が転生したもの
ではなかろうかという錯覚まで起こってみたり、現世と
幻覚の区別が付かなくなる。これら全て演出意図なのかも
知れないが、伝わってくるものといえば、まさに繰り返し。
回る回る運命の螺旋である。

霊本来の無念さを訴えるために現世に輪廻し、殺害した
犯人に復讐を図るものなのだろうか。それとも当時の犯人の
気持ちを味わせるものなのか。

出来れば椎名桔平演じた松村郁夫にもう少し道先案内人と
しての重要な役を与えたかった。

クレジットを見て驚いたのが、香里奈の恋人役が小栗旬
だった事。あまりの存在感の無い小さな役所に驚いたし、
オーラを感じず全然彼が演技していると気がつかなかった。

評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

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