ROOKIES -卒業-(2009)

監督:平川雄一朗 
プロデューサー:佐藤善宏、東信弘、津留正明、秋山真人
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
企画プロデュース:石丸彰彦
原作:森田まさのり
脚本:いずみ吉紘

http://rookies-movie.jp/

ドラマ版、ROOKIES


「歴史的大ヒット映画が今夜、地上波初登場!!さらば不良達よ
永遠に」

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2009年3月の卒業式。
川藤は来期からの二子玉川学園高校への赴任が決まるが、卒業
式にもやってきて生徒たちの事を見守る。どんな生徒であれ、
卒業式にはこれまでに出逢ってきた全ての人々のお陰で、今の
自分が居ることを知るときだとして、それを見守ってきた教師
にも感謝する時だと告げる。それを聞いて安仁屋は、今時教師
に感謝する奴なんかいるのか?と告げる。

卒業式で藤村輝弘が祝辞を述べる中、生徒たちはみな携帯電話
に視線を落とし、全く話しを聞こうとしていなかった。
そんな光景を目にした川藤は我慢できず、壇上に立って生徒たち
に語る。

一方安仁屋は、島野たちが卒業と言うことで教師にお礼周りに
暴力を奮う所を目撃。安仁屋を含めた野球部員たちは、そんな
卒業生たちに声を掛け、殴り飛ばしてしまう。

4月、新入生が入学。
部活動への入部を勧誘する生徒たち。中学では名を馳せた赤星
が入学したのを聞き、彼は入部しないのか?と気が気でない生徒。
そんな中、平塚を頼ってやってくる新入生・濱中太陽の姿が
有った。中学三年生の時、オヤジ狩りをしていた濱中だが、
逆に反撃されて絶体絶命の中、平塚が彼のことを助けたという
のである。中学時代の平塚の同級生だった今岡に話しを聞くと、
それ以来調子に乗って色々と吹き込んだために、濱中は平塚の
事を尊敬する先輩として見ているという。平塚は彼に、自分は
ニコガクのエースで4番。荒れ果てた部員たちを取り仕切って、
今の状態にしたのだという。

濱中がグラウンドにやってくると、部員たちは平塚が話していた
事は嘘だと告げる。平塚は補欠であることを告げると、平塚自
身は、桧山こそ補欠だと言っていたという。平塚がエース番号
のユニフォームを着てやってくると、桧山は激怒し、オレと
勝負するよう告げる。平塚は渾身力を込めて力投するが、もの
凄い大暴投で、嘘だと言うことがバレてしまう。ずっとオレの
ことを騙していたのかとして、濱中は失望。しかし部員から
お前はそんなもんじゃないと言われ、本気で投げるよう告げ
られる。改めて投げると、平塚の球は見事ど真ん中に入り、
桧山は空振りしてしまう。安仁屋はそれを見て確実にレベルが
上がっている事を実感する。

そんな中、またしても別の新入部員がやってくる。それが赤星
だと知ると一同歓迎するが、彼は練習などしないと告げる。
練習するのは下手な奴がすることで、オレには必要がないと
いう。若菜は激怒するが、こんな奴放っておけという。

ろくな新人が来なかったと、部活が終わった後話し合う中で、
早くも注目の選手が新聞紙上を賑わせていた。その中でも
東京地区では笹崎高校の川上貞治が注目を浴びていた。川上は
中学時代に安仁屋を三打席連続三振に仕留めたピッチャーだっ
た。油断している部員たちに新庄は、甲子園を目指している選手
は数千人いるので、これ以外にも容易ではないことを告げる。

翌日の練習。濱中は遠くから練習を密かに見守る中、またして
も赤星がやってくる。御子柴は彼を練習に誘うが試合にだけ
出られれば良いという彼。練習しない奴は試合にも出さないと
いう。赤星は目指しているのはメジャーリーグだとすると、
部員たちは鼻で笑う。しかしその光景を見ていた川藤は、他人
の夢を馬鹿にするのは感心しないと告げる。赤星は他の部員
たちが目指している甲子園はそんなに良い者なのか?と問い、
単なる思い出作りでしょうと告げる。そんな赤星に対して、
安仁屋は直球を投げると、彼は安仁屋をボールをジャストミート
する。そして試合には呼んでくれというと、また練習もせず
帰宅してしまう。

御子柴は彼が生徒手帳を落としていった事に気がつく。
中を見ると予定表に多摩川体育大学のグラウンドと書かれている
事に気がつく。彼の後を追って大学のグラウンドにいくと、
そこでは赤星が厳しい練習をしている事を知るのだった。

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ニコガクに入学した生徒たちは何の目標もなく怠惰と喧嘩の
日々を送っていたが、そんな学校に川藤幸一が赴任したことで
野球、甲子園という目標を持つことになる。
そんな生徒たちも3年生になり、甲子園を狙う最後のチャンス。
新入生も2人加わり、高校生活集大成をグラウンド上で表現して
いく。

この映画の上手い点は、2人の新入生の使い方だったと思う。
ドラマの流れを壊さず、上手く自然とチームの中に溶け込みさ
せた。そんな彼らから見た御子柴率いるイレブンは、夢に向か
って半端ない情熱を傾けていたし、ニコガク野球部=不良のたま
り場であるという先入観を脱皮し、青春を賭けるに値する場所
である事を描いた。

映画公開後の視聴者の声を見ると、ドラマを見ていないと分か
らないといった意見が多かったのは残念だし、テンションの熱さ
に戸惑う向きもあるが、ある意味これが「ROOKIES」という
特徴でもあるし、そういう人にはドラマ版を見てもらうしかない。

前半は新入生周りのエピソードを絡めたもので、後半は決勝戦
である笹崎戦を描いた。

怪我で負傷した御子柴や若菜などに対して、例えグラウンドで
プレイをしていなくても、一体感を演出することで本人たちに
納得させる流れだったり、心が折れそうになるときは、常に夢
を引き合いに出して、互いに励まし合う姿。

不良で常識外れだった選手たちが、目標を見つけたときの
圧倒的なバイタリティを感じ、駆け引き無しの清々しいまでの
純粋さを見せられる。

展開自体はスポーツドラマにありがちなエピソードを絡めた
もので、安仁屋の因縁の相手との対決という事もあって、
見せ場の作り方は、如何にもな印象を受けた。
一見すると冒頭からクライマックス続きの内容だが、川藤の
イレブンたちのまとめ方に説得力があるし、イレブンたちの間
でも自助的回復能力が備わっていて、随分成長する姿を見せる
事が出来たと思う。

最後に一人一人に見せ場を作った川藤への感謝の言葉を述べる
シーンは、野球で盛り上がった後にクールダウンさせられた
後に再びそのテンションを引きずってくるので、もたつき感は
感じたが、このドラマの最後の締めとしては決して悪いもの
ではなかった。

しかしこれだけ熱い思いをさせられた新入生にとっては、今後
2人しか居ない野球部の現状を考えると、ちょっぴり酷な状況
かもしれない。


川藤幸一 …… 佐藤隆太 (教師)
安仁屋恵壹 …… 市原隼人
御子柴徹 …… 小出恵介 (主将)
新庄慶 …… 城田優
関川秀太 …… 中尾明慶
若菜智哉 …… 高岡蒼甫
平塚平 …… 桐谷健太
岡田優也 …… 佐藤健
湯舟哲郎 …… 五十嵐隼士
桧山清起 …… 川村陽介
今岡忍 …… 尾上寛之

赤星奨志 …… 山本裕典 (一年生)
濱中太陽 …… 石田卓也 (一年生)

御子柴響子 …… 綾瀬はるか (御子柴徹の姉)
吉田実 …… 渡部篤郎 (記者)
沖原カツノリ …… 鳥羽潤 (記者・モーニングスポーツ新聞)
八木塔子 …… 村川絵梨 (マネージャー)
掛布光秀 …… 天野ひろゆき (教師)
藤田カオル …… 能世あんな (保健室)
島野右京 …… 平山広行 (三年生)
池辺駿作 …… 浅野和之 (コーチ)
真弓りえ …… 吹石一恵 (教師)
藤村輝弘 …… 大杉漣 (校長)
村山義男 …… 伊武雅刀 (元校長)

千葉卓真 …… 勝野洋 (監督・笹崎高校)
川上貞治 …… 武田航平 (ピッチャー)
別所真澄 …… 永井浩介
青田 …… 兼子和大
須田 …… 明石純
藤本 …… 檜尾健太
広岡 …… 和泉貴臣
中島 …… 関野隼外

平田満、三浦大輔、ユージ、山田親太朗、谷桃子

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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